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強き我らが連邦を~第1次アスティア東方戦役~  作者: 連邦総軍 戦史記録課 ▇▇▇▇少将
第1章 碧空駆ける黒鷲
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第1章 第2話 転機

(白い天井……に、寝心地の良くないベッド……医務室か)

「あっ起きた!先生!グーズが目を覚ましたよ!」

「ほんとか!」

足音が駆け寄ってくる

「目を覚ましたか!グズネツォフ!これは?何本だ」

そう言いながら軍医は指を2本立てる

「2本です…あなたは」

「視界は正常だな……喋れるなら意識も…」

そう言いつつ目の前の老人は何か書いている

「あぁ申し遅れた、私は空軍軍医のアレクサンドル・ロマノフだ。君があの状態のSu-35S(フランカー)から降ろされた時は正直死んでるんじゃないかと思っていた」

そんなに酷かったのか……?

「そんなに……ですか?確かに右翼とエンジンに機関砲を貰いましたが……」

「機関砲弾がコクピットの後にも当たっていた、気付かなかったのか?」

コクピットの後に……我ながらよく生きていたな…

「そうだったんですか……私は……私はまだ飛べますか…?」

不安になる

なんせ20mm弾がすぐ後ろで炸裂したんだ、脊椎に何らかの怪我をおっていてもおかしくは無い

「ほう、まだ飛ぼうとするか」

「どうなんです?!飛べないなら飛べないと…」

「飛べるぞ」

「本当ですか!」

あまりの嬉しさにガッツポーズを取ってしまう、少し恥ずかしくなり、咳払いと深呼吸をする

「コクピット後方の防弾板が大きめの破片を全て防いでくれていた、後でちゃんと(フランカー)感謝しておいた方がいい」

「はい、またアイツと一緒に飛とんで、共和国と公国の連中を叩き落としてやります!」

「あ……その事なんだけど……」

遮る様にグラーク2…アレクセイ・アスカロフが口を挟む

「どうしたアスカ……もしかして」

嫌な予感がする、しかもこういう時の勘はだいたい当たってしまう

「あんたのSu-35S(フランカー)、整備兵曰く損傷が酷くて…その…修理するには銃後の工場で2ヶ月は掛けないと行けないらしくて……」

「なっ……」

あまりのショックに言葉も出ない

なんせ俺が連邦防空軍に入って最初に貰った機体があのSu-35Sだったからだ

「銃後で2ヶ月……そんな事やってたら先に戦争が終わりますよ!それに2ヶ月って、あくまで最優先で修理されたらですよね!そんな余裕があるようには…」

銃後の工場はそのほとんどが現在地上軍用のAPC(装甲兵員輸送車)MBT(主力戦車)のパーツを生産しており余裕がない

「やっぱりそういう反応するよね〜……ところがそんな君にお上(空軍上層部)からこんなものが届いたよ」

そう言いながらアスカは1つの封筒を渡してきた


(連邦防空軍戦術データ収集所から……我ら防空軍のエース、ミハイル・クズネツォフへ……)


手紙の内容を要約するとこうだ

「旧式化しつつあるSu-35Sを代替するために新型機の配備をしたいが上層部が金を出し渋ってやがる、新型機の先行量産型をやるから”いままでよりいい戦果を出しているという”データを収集しろ」だ

ちなみに指定期間は新型機受領から戦争終結まで、つまり今日かもしれないし、来年かもしれない

あと新型機とやらはデータ収集後量産型を要請してもいいし、そのままの使ってもいいらしい、太っ腹だ

「どう?グーズ、その依頼受けてみる?」

「受ける他ないだろう、2ヶ月以上地上に這いつくばるか、新型機で前線に突っ込むかだ」

「ならさっさと休め、明後日には”うちら”はこっから約1200km後方のランドバルデン戦略空軍基地にてその新型機とやらを受領する」

「ん?うちら?」

「あぁ、うちも新型機に乗ることにした」

「そりゃまたなんで」

俺は実質乗機を失ったのでそこに来るのも分かる、だがなぜアスカにも……?

「隊が同じだからね、うちのところにも来たんだ、それに片方だけ旧式化じゃあんたも張合いがないんじゃない?」

なるほどな、確かにそうだ

「確かにそうだな、んじゃさっさと……あ、ロマノフ先生、俺の傷ってどれくらいですか…?」

「ほぼ無傷だ、小さい破片で少し切り傷がついたくらいだな」

良かった、それくらいなら直ぐに治る

「とりあえず安静しておきたまえ、何かあったらナースコールて読んでくれて構わないからな」

「はい、手当してくれて、ありがとうございます」

その言葉に彼は優しく笑い、カーテンを閉めてアスカと共に出ていった


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