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強き我らが連邦を~第1次アスティア東方戦役~  作者: 連邦総軍 戦史記録課 ▇▇▇▇少将
第3章 裏舞台の立役者
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第3章 血の霧散

MDラインより西方18km

連邦軍砲兵隊陣地

  コアリツィヤ-SV自走砲96両 

  BM-21 30連装自走ロケット砲108両 

  その他弾薬補給車両 防空車両 指揮車両 護衛車両多数


「第3攻勢ライン、全軍配置につきました。砲撃準備も完了しています。」


「全車に通達。目標MDライン。準備砲撃30分。射撃開始は4分後0947。」


通信が行き渡り、すぐさまに陣地が慌ただしくなる

仰角の最終調整、不必要な人員の退避にドタドタと足音が舞う。


天気は快晴、風はゆったり。

数日前まで戦場だった場所が今や後方である、電撃的縦深攻撃とは末恐ろしい。


ひとしきり動きが収まり、風が落ち着いて……

その静寂を砲音とロケットブースターの音が踏み潰した

先の大戦、そしてこれまでの戦争が示した「砲兵(戦場の神)」の重要性

これから30分間、その神様が塹壕の中でガタガタ震えている共和国の連中を、仲良く戦後の土地の肥やしにしてくれる。


自走砲はエアバースト弾、フレシェット弾、徹甲クラスター弾、榴弾

ロケット砲は破甲榴弾にサーモバリック、とにかく塹壕陣地に対して圧倒的殺意を持って灰燼に帰そうとその火力を投射していた。


さて、時は遡り……いや、そんなに遡らない。

1~2分程度、そんくらい遡る


共和国軍防衛ライン

共和国軍 第7小隊


「おい、ジャック。連邦のクソ共はいつ来るんだ?かれこれ3日は塹壕で待っぱなしだ。」


「そろそろ来るだろ。航空偵察も出せないクソッタレな状況じゃ明確にゃ分からねぇがな。」


実際共和国の空軍は連邦防空軍による攻勢対航空作戦により航空優勢の確保はおろか、航空輸送すら困難となっていた。

偵察機もろくに出せず、航空機は基地でずーっと寝込んでいた。


んでまぁ、この後起こることと言えば分かるだろう。


酷く重複した風切り音、数秒の不快感と絶望感のあと……

防衛ラインの2/5がこの初撃で死亡または重症

続く30分間の砲撃により3/5が重傷、防衛陣地は重火器のほとんどを失った。


この戦いを生き抜いた共和国兵は語った。

「どうやって生き残ったか分からない。死体を盾にして生き残ったのか、退避壕に間一髪で駆け込んだのか……なんにせよ、砲撃の後にはなんにも残らなかった。人も木も戦車も。何も無かった」


ある連邦兵はこうも言った

「普通、砲撃があっても人の死体ってのは残るんだ。原型?野暮なことを聞くな。とにかくあの場には何も無かった、血も骨も肉も、ヘルメットもなかった。まるで……そうだな。」


「人そのものがが霧散しちまったみたいだった」


この場合、準備砲撃が大きな成果をあげたのは

1.共和国の増援が到着し、割合的に塹壕から出ている兵士が多かった

2.燃料気化弾等が塹壕内に直撃した際、その特性が十分に発揮された

3.そもそも共和国の塹壕が不十分であった。

等である


また塹壕内の残党に対してランセット等自爆ドローンによる攻撃が行われた

俗に言う「Kamikaze attack」である


さてさて、視点は戻って時をちっと飛ばす。

連邦地上軍第114機甲大隊戦術群

第1機甲中隊 清桜七瀬中尉


「第1機甲中隊前進、我ら1中隊が先陣を切る。」


第1機甲中隊

T-90MS 37両 BMPT 19両

BMP-3M 12両 BTR-80A 15両


「4個小隊にて進撃、教練通りに行くぞ。」


中隊は逆凸型、各小隊は横隊にて進軍を開始

小隊中央前方を第2小隊、その後ろを中隊率いる第1小隊

2小隊の左翼を第3中隊、右翼を第4小隊が担当する


「各小隊気合い入れてけ、全て吹き飛ばすぞ。」

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