第3章 沿岸部侵攻
先の戦闘から4時間後
「第1次攻撃隊の収容が完了、第2次攻撃隊の発艦準備50%を過ぎました」
「艦長、提督から指令が」
「読み上げろ」
「は!発 第2空母打撃群司令 アンドロポフ・トゥハチェフスキー提督。 宛、第4駆逐艦戦隊司令 ナイドリクト・デーニッツ中佐 先の空母航空団による第1次攻撃の成果を鑑み、共和国沿岸部の対艦能力の低下は著しいものであると艦隊参謀は結論付けた。貴官は第4駆逐艦戦隊を率いて沿岸部へと接近し、安全が確認されたならば付近を進軍する友軍地上部隊への抵抗を試みる共和国部隊に対し艦対地攻撃を行いこれを撃滅せよ……との事です」
「……提督は我々に期待しているということか。副長、第4駆逐艦戦隊にもこれと同じ命令が下されているんだな?」
「はい、すぐさま行動に移れます」
「では戦隊各艦に伝えよ、我らはこれより単縦陣にて敵沿岸部へと接近し艦対地攻撃を行う、全艦我に続け、と」
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空母キエフ 艦橋
アンドロポフ・トゥハチェフスキー
「第4駆逐艦戦隊が艦隊を離脱。艦隊陣形を組み直します」
「第3駆逐艦戦隊から3隻を抽出、左舷に当てます。第2駆逐艦戦隊から1隻を抽出し第3駆逐艦戦隊への補充にあて、艦隊後方の守りには空母航空団の1個戦闘機中隊8機を用います」
「……デーニッツには辛い任務を与えたな、命令一つで駆逐艦4隻に乗員数百人の命が消えるかもしれないんだからな。」
「ですがたった今から我らができることは第1次攻撃を行った航空隊と、彼を、彼らを信じる事だけになりました。」
「第2次攻撃隊、発艦準備完了しました。これより第2次攻撃隊の発艦を始めます」
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キエフ飛行甲板上
「第2次攻撃隊発艦位置につけ!ブラスト・ディフレクター展開!」
「カタパルト結合完了!エンジン温度良し!カタパルト射出準備完了!」
「カタパルト射出ッ!」
カタパルトから蒸気が噴き出し、Su-33Mが空母から飛び立つ
同じようにその隣のSu-33Mとアングルド・デッキのSu-33M2機も飛び立つ
ブラスト・ディフレクターが閉じ、次の機体が翼を展開しながら射出位置に着く
同じ手順をもう一度踏み、同じように4機が飛び立って行った
空母キエフ所属のSu-33に与えられた任務は敵後方に位置する司令部と補給基地の撃滅、並びに沿岸部の航空優勢の確保
敵司令部は巡洋艦3隻の巡航ミサイル攻撃によって破壊することとなったため、先程発艦した機は敵対空防御網を破壊するために、対レーダーミサイルを積んだ機体とそれを護衛する機体によって構成されている
「ブラスト・ディフレクター展開並びにカタパルト結合よぉしッ!」
「総員退避完了!」
「カタパルト射出ッ!」
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今更ながら艦隊編成
ゾヴレメンヌイⅢ級
「ヴォルダグ」 「デグレチャフ」「デュシーカ」
ゴルシコフⅡ級フリゲート
「アレクサンドル・プライフカ」
共和国沿岸部 82km 諸島部
「諸島部を西から東へ迂回して、北に変針。共和国の大陸棚に出る」
「諸島部の脅威はどうしますか?」
「艦載ヘリの航空偵察によって撃破しよう、場合によってはこちらで対処する」
「それと艦隊陣形変更だ、迂回にあたり左先梯形陣に転換」
「了解。全艦に通達、単縦陣から左先梯形陣に変更、諸島部への警戒を厳にせよ」
「プライフカが艦載ヘリを発艦、諸島部の航空攻撃に向かいます」
アレクサンドル・プライフカ搭載 Ka-52KM
並列複座と二重反転ローターとかいう珍しい機構をふたつもぶち込んだ攻撃ヘリ、その海軍型だ
機体両側面に取り付けられたスタブウィングに3つずつのパイロンが配置され、対空ミサイルから対地ミサイル、果ては対艦ミサイルまで多種の兵器を搭載できる
パイロットは高波凪鳴中尉 連邦西南部 広和大列島(連邦公用名カサトカ二重列島)生まれ
コパイロットはシュザン・ハバロフスク少尉 連邦南部パルシュカ諸島生まれ
「ローター回転数安定 燃料75% 異常なし。スザン、武装は?」
「武装はAAM8発 Ataka16発 5連装S-13ポッド2基10発 FCS 武装共に異常なし。ナギナ、いい加減俺の名前をちゃんと呼べ」
「公用語は喋りにくいんだ、名前で呼ばれるだけいいだろ。よし上がる、口閉じとけ舌噛むぞ」




