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強き我らが連邦を~第1次アスティア東方戦役~  作者: 連邦総軍 戦史記録課 ▇▇▇▇少将
第二章 空挺軍の奮戦
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第2章 第14話 帰還

「ヴィクトルさん、手を」


「ありがとう。っと、やっぱMi-26は広いな」


「全員乗ったな!離陸するぞ!」


エンジンの回転数が上がり、数十トンある機体が持ち上がり始める

緩やか上がっていくヘリから見下ろした光景は、激戦の様相を確かに表していた

抉られた地面、へし折れた木々。

未だ燻り続ける車両の残骸、腐臭を放つ骸

みなすべて、この地に散った者共の証であった


「前線基地まで3時間ってとこだ。全員少しでも休んでおけ」


「エカテリーナ」


「はい、どうしました?」


「よく、生き残ったな。あの地獄を」


「この分隊にいたから、ですよ。他だったら生き残れなかったかも」


「いんや、お前の実力だよ。実力がなかったら今頃国旗に包まれてる所だ。」


「ありがとうございます。」


いつのまにか眼下の景色は緑の平野へと変わっていた

緑の地は戦火も知らず、ただ風がなぎ、草を揺らしていた

そして風を叩き空を駆ける怪鳥は、巣へと帰って行った


------------------------


「……ろ、おい起きろヴィクトル。着陸まで10分だ」


「ん……あぁ、ドミトリーか……わかった、あと10分だな」


「エカテリーナ、起きろ。おいナンツ二度寝するな」


「んぅ……あぁ、もう着いたんですか」


「見ろ、あれが前線基地だ」


窓の外に向けられた指先、さらにその先には、連邦軍の前線基地が建設されていた


「あそこからさらに後方へ行く、前線と後方の中継基地も兼ねてるんだな」


「ありゃ新しい機甲部隊か、T-90Mがズラズラ並んでるぜ」


数十両のT-90やAPC、LAVが2列の縦隊を組み、前線基地から濁流の様に前線へと流れて行った


それを見ていたかったが機体がぐるりと旋回し、そして段々と地面が近付き、ガタンと着陸の衝撃が足に響いた

次には後部ドアが開き、光が差し込んできた

AKを担ぎ、歩みを進めて地に足を付ける

すると何やら前方で小隊長が基地の人間と話をしていた

「臨時混成第1028歩兵中隊だな?」


「あぁ!第1小隊、空挺兵だ!」


「なら宿舎はあっちだ!あの青い旗のテントだ!」


「あそこだな!わかった!」


「よぉし!全員着いてこい!薄布張りのシングルベッドが俺達を待ってるぜ!はっはっは!」


「第2小隊はあの赤旗のテントだってよ!第2小隊着いてこい!」


「了解!飯を腹いっぱいかきこんでやるぜ!」


第2小隊の連中、やけにでかいフラグを立てやがった


------------------------


戦争が終わったのは、そこから2週間弱後の事だった

後方での休養、再編を終えて再び前線に戻る、その前の夕飯を食ってる時に食堂のテレビがその光景を移していた

数時間前には既に降伏していたのか、連邦5軍(戦闘に参加した地上軍 防空軍 海軍 強襲軍 空挺軍)の旗と国旗を掲げた傷まみれの3両のT-72が、公国首都へと入場する場面が質の悪い画面で映し出されていた


食堂には歓声が湧き、みな勝利に喜び、涙を流していた

無論ながら俺も例外ではなかった


「終戦……勝ったんだな……俺達」


食堂の席に座る俺の両側にはドミトリーとナンツ、反対側にはブリュート、エカテリーナが座っている

先程まで味気の薄いニンジンをつついていたフォークはプレートに置かれ、それを掴んでいた手は頭上に掲げられ、歓声の渦に突っ込んでいた

「勝ったぞ!勝ったんだ俺達!Ура!」


「連邦にケンカ売るからこうなるんだこの馬鹿共がぁ!」


「Ура!Ура!」


そこに小隊長が扉を乱暴に開け放って入ってきた


「馬鹿共声がうるさいぞ!だが構わん!はっはっは!勝った時くらいはこうやって叫ぶんだ!Ураaaaaaaa!」


「Ураааааааааа!」

「Ураааааааааа!」

「Ураааааааааааааааааааааааааа!」

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