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強き我らが連邦を~第1次アスティア東方戦役~  作者: 連邦総軍 戦史記録課 ▇▇▇▇少将
第二章 空挺軍の奮戦
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第2章 9話 総員戦闘配置

曇天に包まれた深夜、臨時混成第1028歩兵中隊と改編成された俺達は地下の中隊本部にて作戦の最終確認を行っていた


「送り込んだドローンの報告によると、敵の編成はLeopard2A4が12両、Leopard2A5または2A6が6両 マルダー並びにブラッドレー歩兵戦闘車9両に、その他軽装甲車やトラック十数台に乗車した完全武装の歩兵300人と予想されている」


機甲中隊としてはかなりの充足率だ、この戦局を考えればな


「予想より少し多いですね」


「連中の足並みは揃ってないらしい、このままの進軍速度なら歩兵の到達が機甲部隊よりも40分早い」


「つまりそれまでにどれだけ敵の歩兵を削れるかが正念場ということか……」


夜戦装備は十分に揃っている、双眼から四眼までのナイトビジョンが全員に行き渡っている

弾薬は十分、士気も万全だ


「我々は数に優る相手に対し、段階的な遅滞戦闘を繰り返し敵の士気、装備、人員を漸減させる」


「防衛戦と後退経路はこの通りだ、全員に通達しろ。増援を受け取れない我々に取って兵士1人は財宝の山より貴重だ」


「ブリーフィングは以上!総員!戦闘配置に付け!」


中隊長の掛け声と共に地下から地上へと駆け上がる

俺達は最初の防衛戦の右翼に付き敵が真正面へ取り付くのを妨害するのが役割だ

月は雲に隠れ、風になびかれた木々のざわめきは地上の音を占めていた


「RPGには対人弾頭を込めておく。エカテリーナ、予備の弾頭は後ろに置いておいてくれ」


「6発の対戦車弾頭、9発の対人弾頭……榴弾5発にサーモバリック弾頭が4発……結構な重装備で……」


そういう彼女自身もAK-74Mの夜戦装備にそのマガジン5つ、さらにはサイガ-12を夜戦装備仕様でマガジン4つと共に装備している

その他の班員も持てる限りの重装備で待ち構えている


「ナンツ、AGS-30は?」


「準備できてる、弾は予備弾含めて400発だ。ぶっぱなしてやる」


「ブリュート、RPKは?」


「こっちも準備オーケー、弾は700発ある」


「いいぞ、連中を蜂の巣にしてやれ。」


そして塹壕に1人飛び込んできた


「ヴィクトル!戻ったぞ!」


やけにデカいライフルを抱えて来たのはドミトリーだ


「OSV-96とか、お前よくそんなの持ってきたな」


「5発弾倉も8つある、軽装甲目標は任せろ!」


なにはともあれこれで戦闘準備は整った


「新月の晩に曇る時、必ずや苦役の前兆であろう……辛い戦いになりそうだな」


聖書の一説にある文言だ、俺がまだクソガキの時に爺さんがよく説教の時に何度も繰り返してた

「しかし必ずや糸は垂る……なら絶対に勝てるさ……いや、勝たなくちゃいけないの間違えだな」


《中隊司令部より全隊へ通達。監視システムに感あり、敵第1波襲来の可能性。第一防衛戦からの距離およそ1100m、詳細不明なれど敵多数、総員戦闘配置。繰り返す、総員戦闘配置。距離550にて射撃開始せよ。》


周りから一斉にコッキングの音がなる、皆が塹壕から頭をだし今か今かと敵を待ち構える

「IRは?」


「双眼鏡用ならあります」


「くれ」


「どうぞ」


双眼鏡越しに写った白黒の世界には遠方で動く車両とその後ろに続く歩兵の熱源がくっきりと現れていた


「距離は980……960……接敵まで5分もないな」


「いつでもどうぞって感じですがね……」


「照準は……こんなもんか」


《中隊司令部より全隊へ、射撃準備。戦車の射撃に続いて射撃開始。繰り返す、戦車の射撃に続いて撃て》


「630…………600」


双眼鏡を置き、AKの一体型バイポッドを展開し狙いをつける。

そして……

地を揺らす轟音とともに1発の太い曳光弾が通り過ぎたかと思えば、それも束の間に前方で爆発が起きる


《中隊司令部より全隊へ!射撃開始!射撃開始!1人も生きて返すな!》

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