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強き我らが連邦を~第1次アスティア東方戦役~  作者: 連邦総軍 戦史記録課 ▇▇▇▇少将
第1章 碧空駆ける黒鷲
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第1章 第21話 転換

ジーナ少佐に基地を紹介してから3日後。

数度の出撃を繰り返していた俺達実験飛行隊は全員がブリーフィングルームへと集められていた。

「よし全員集まったな。単刀直入に言うが先日行われた防空軍参謀会議において、君たち……というかエースに該当する者達の運用方法が決まった」

運用方法……人に使う言葉じゃないかもしれないが、軍隊において人は資源だから間違ってはいないだろう

「参謀達の意見は『強力な戦闘能力を持つエース個人又は部隊をひとつの戦線に投入するのはコストパフォーマンスに劣り、これを有効活用するにはこれから主戦線になりうる東部北部への分散配置が最適解である』だ」

つまり俺達には遠からず異動命令が下るということを暗に示している

「言わんでもわかるだろうが、エース部隊は別にここだけにいる訳ではない、他の基地のエースを含め君達は現在中央防空軍第404特別任務部隊として編成が進んでいる」

特別任務部隊……空軍じゃ珍しい名称だ

「新しい配属先はこの戦争が終わり試験データの提出が終わり次第伝える。質問はあるか?」

誰も手を挙げなかった

「よし、では解散。グラーク隊は1500の出撃に備えておけ」

全員が「了解しました!」と言葉を返し、返礼の後次々と退出していく


(1500か……あと4時間位だな……)

腕時計を見ながらそう考えていると、ふと

(そういえば少佐は今日が駐留の最終日か、よし彼女には色々世話になったし餞別の品でも買ってくるか)

そう思い立ったやいなや自室の外出許可証に理由と外出時間を書き事務官渡して裁決印を貰い、検問所にてそれを警備兵に見せ最終許可を得て1番近くの町(往復2時間)に黒塗りのクラウンを運転していく。

「財布もスマホもある……防空軍の身分証明書も拳銃もあるし……よし大丈夫だな」



道が空いていたのでちょっと飛ばして45分ほどで市街地に入った

事前にアスカに貰ったメモを確認しながらアクセサリー専門店に車を停め、荷物をまとめて降車する

こじんまりとした店の外観は静かな桜色をしており、ショーウィンドウには小さなアクセサリーが飾ってある

それを少し見てから店に入り、彼女に似合いそうなアクセサリーを見繕う

戦車兵である彼女に大きい物を送るのはダメだろうと思い、ネックレス等があるところを重点的に見て回る

スマホで花言葉なんかを調べながら良さげな物を探していると後ろから

「お客様、お探しの品は見つかりましたか?」

「いや、なんせこういう物には疎くてね」

その方向に目を向けると店の制服のようなものを着た155cm程の店員が立っていた

「なるほど、失礼ですがどのような目的でお探しに?」

「仕事の同僚に……説明するのも手間か…私はこういう者だ」

俺は懐から身分証明書を取り出し店員にかざす

彼女は少し驚いた顔をしながら

「なるほど、失礼しました。空軍の方へですか?」

「いや、陸軍の友人へだ。戦車兵のな」

「なるほど……ではやはり、小さなネックレス等が良さそうですね、何かご要望などはありますか?」

「花言葉を色々調べたんだが、赤い花かクローバーが付属している物が欲しいんだ」

彼女は少し考えた後にいまの要望をメモってから俺をカウンター案内した

「少々お待ちください」

そして彼女は店の裏手に入ッて行ってしまった

それから数分して、彼女が裏手から出てくるとその手には2つの箱が握られていた。

ひとつは長方形の箱でもうひとつは正方形の箱だった

「当店ではカスタムメイドをやっておりまして、純正品より少しお高くなってしまいますがお求めのものをジャストな形でご購入頂けるようになっているんです」

「それは嬉しいな、それで頼みたい」

「分かりました、ではここに先程お望みになられた物にできる限り近い物を選びましたので、ご確認ください」

そう言って彼女は2つの箱を開いてカウンターのこちら側に静かに置いた



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