第1章 第15話 つかの間の休息
そして翌日の0700俺は朝食を取りつつ今日の予定を確認していた。
(あーっと今日は0830にガルム隊がCAPとして地上軍の援護に出撃して2時間半後の1200に帰還、その後1230からベルスト隊が同じくCAPとして出撃し1430に帰還と、これを今日2回繰り返して終わりか)
グラーク隊は昨日の任務により今日は予備として待機することになっている。
前回はグラーク隊とシュトゥルム隊によるハイローミックスによるCAPの効率を調べる意味もあったのでグラーク隊のみがここから出撃した、だから今回俺達は休み……いや予備ってことだ。
(にしてもやっぱまともな食堂設備があるところの飯はうまい、掘っ建て小屋の中で隙間風に晒されながら食ってたのがさらに惨めに思える)
そう考えていると
「おっはよう!グーズ!隣いい?」
「おはよう大尉、前の席座らせてもらうよ」
朝っぱらから元気に挨拶してきたのはもちろんアスカ
それより静かに挨拶してきたのはツェルニだ
「おういいぞ。」
「さんきゅーグーズ、何食べてるの?」
「ピロシキとスープ、あとコーヒーだ、お前らは?」
「僕もピロシキにスープです。飲み物はお湯ですけどね」
やっぱ人気メニューのピロシキだ、しかも5個も乗っけてある、こいつ結構食うのか
「うちはパンにベーコンと目玉焼き、あと……あっやべ飲み物忘れた!ちょっと頼んでくる!うちの食べないでね!」
そう言って小走りで飲み物を取りに行った、日に当たりたくて東側の席を選んだので厨房までは少し遠いところにある。
「やっぱ抜けてるなあいつ。」
「でもそこがかわいいんでしょう?」
ツェルニがいきなりそんな事をいいだす
俺はピロシキを食いながらそれに答える
「そうだな、なんというかこう……保護欲引き立てられないか?」
「わかります、守ってあげたくなります。スコア負けてますけど」
ツェルニは29機、対してアスカは41機と10機以上も差がある、ちなに俺は46機だ
「悲しいことを言うなよ、それに空がダメなら地上で護ってやればいい」
「彼女よりスコア高い人に言われても……でもまぁ確かに地上で守ればいいんですかね。」
そうこう話しているうちにアスカが戻ってきた
……なんか明らかに飲み物以外も持ってないか?
近くに来てようやく何を持っているのかがわかった
「ただいまー!なんかイェートのおばちゃんがフライドポテトを……なんだっけ、『最近スコアどんどん増えてってんだって?よくやるねぇ、ほらこれ、頑張ってるあんたにサービスだよ』って言ってこんなにくれたの!みんなで食べよ!」
そう、彼女のは抱えるようにボウルにどっさりと乗ったフライドポテトを持ってきたのだ
ちなみにイェートのおばちゃんとはこの基地の食堂を管理しているザ・食堂のおばちゃん的な人だ。
「おおぅ…結構貰ってきたな、食い切れるのか?これ」
「行ける行ける!3人もいるんだからさ!」
と、言っているがかなりの量がある、大体ヘルメットより少し大きいボウルにポテトがマンガ盛りになっている。
そして俺達はそれと自らの朝食を食べながら今日の予定等を話し合っていた。
そして食い終わって気付く頃にはなんという0748、いくら休みとはいえ気を抜きすぎたかもしれない。
「気付いたらこんな時間か……どうする?俺は今日特に予定は無いが」
「んー確かに、どうしよっか」
「する事ないですねぇ」
そう、どうにもやることが無いのである
「どうしようかぁ……あっそうだ!どうせ暇ならさ、うちらの機体にマーキングとかしてみない?うちらの隊のチャームポイントみたいな感じでさ!」
結構いい案を出してきた、確かに100機近い戦闘機の中で独特な塗装があると識別しやすくなるだろう。
「お前にしちゃいい案を出すな、いいだろう、そうと決まれば格納庫に行くぞ」
「なんか余計な事言ったよね?!ねぇ!」
「まぁまぁ落ち着け、褒められたんだ、素直に受け取れ」
後ろで不満を口にしているアスカをツェルニがなだめている。
そんな中俺は1人で機体のマーキングを考えているのだった




