第1章 第6話 転機Ⅴ
連邦暦33年6月14日
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「よーし全機聞こえるか?バルツァフ大将だ、作戦前最終ブリーフィングを始める、我々は1400に離陸した連邦軍爆撃隊に1900、地点ポイントAにて高度5500で合流。そして合流後進路を真北にとり公国統合防空指揮所のレーダー探知範囲であるポイントBまで上昇する。上昇高度は11000の予定だ。ポイントB通過時点では統合防空指揮所のレーダーには探知されないはずだ、レーダーはスペツナズがぶっ壊してくれるから迎撃も上がってこない、そしてポイントB通過後30分程度でポイントCを通過、ここでレベルタ前線飛行場爆撃のケルベロス隊、敵大規模物資集積地点爆撃のヘルファイア隊、ツェルプスト前線飛行場爆撃のフレイム隊に別れる、その後は追って通達する」
全機出撃!幸運を!という掛け声と共にまず3本の滑走路からSu-35Sが4機ずつ離陸、36機全機が上がった後Su-35SM3が離陸していく
Su-35SM3/SM3-2
Su-35Sからエンジンの推力を1基辺り1.5倍に、更に燃費の向上により航続距離が4500km、最大積載量が1.4倍となり多用途戦闘機としての利便性が上がった
そして今回はエアインテークの間に500Lの追加増槽を搭載し両翼端の4つのパイロンにはR-73を、その内側にはジャミングポッドを2つ搭載残り8つのパイロンにはそれぞれR-27ER/ETを4発ずつ搭載した
Su-35SM4
SM4は上記の改造の他にステルスコーティング、推力偏向ノズルの可動域拡大、パイロン2つの増設が行われた
今回は4発のR-73と8発のR-27ER/ETを半々で持ってきており
残りのパイロンには全てK-77REを搭載してある
そして1700総勢46機のSu-35が東の空に飛んで行った
そして1845、爆撃隊との合流まで15分という所で俺に無線が入る
「ようジャベリンども、時間通りに合流できそうだな」
ジャベリンども、というのは前線から遠い基地から出撃して遠距離交戦するSu-35乗りをあだ名した名前だ。
由来は昔の投槍兵から来てるらしい
「そうだなカタパルトども、お前らこそ遅れないだろうな?」
カタパルト、というのも安全圏から一方的に敵を吹き飛ばすことからあだ名されている
その他にもSu-25や攻撃ヘリなんかの近接攻撃機隊はバーサーカー、Mig-31なんかの迎撃機隊はアーチャー前線基地から飛ぶMig-21/35なんかはアサルトターと呼ばれている
「当たり前だ、こっちは最高速マッハ2だぞ?遅れるわけが無い」
「それもそうだな、流石、最大推力25トンの4発も積んでるだけある」
「なんにしろ、護衛は任せたぞ?敵の長SAMは飛んでこないが哨戒飛行してる敵戦闘機でもいたら、こんなデカい的なんかすぐに火だるまになっちまう」
「任された、絶対基地に帰してやる」
「それにたしかあんたは新型機に乗ってるんだって?頼もしいな」
そんなこんなで話していると編隊から見て1時方向に友軍爆撃隊のTu-160大型戦略爆撃機24機の編隊が見える
「カタパルトども、貴隊を目視で確認したぞ、そちらから見て左後方7時方向だ、そちらからも見えるか?」
編隊は7機のV字編隊の先に1機の赤い尾翼のTu-160が飛んでおりそれ3個がまた高度100mでV字隊形を組んでいる
「見えたぞ、大型戦闘機46機となるとここからでもよく見える」
「よしグラーク1より護衛機隊へ、手筈通り分散して各爆撃隊の護衛につけ」
「ガルム1了解、よしガルム隊全機付いてこい」「ベルスト1、承諾した、ベルスト隊全機配置に付くぞ」




