赤星昴
小説を書き始めて最初に作品。
ぜひ楽しんでください♪
昔は星を頼りに航海をしていたといわれているが、頼りというより、勝手に目印にし、利用していたと言ったほうが適切だ。そんな大昔から目をつけていたなんて、人間は驚きだ。
今の我々がそうなのだから。
星は生きていたー。
地球は銀河の中の一つに過ぎないのに、我が物顔で惑星を汚染し、強制的に浄化を繰り返していた人類に星々は憤怒を表した。
2050年1月32日、星々の襲来
文字通り星々が宇宙から降ってきたのだ。もちろん球体ではなく、それらは人のような形をしていた。神の如く輝かしく、人智を超えた超越者のようだった。
人類は築き上げてきた文明で対抗し、失った。しかし、代わりに星々の力を手にした。
のちにこの出来事は人星大戦と呼ばれ、語り継がれることになる。
新都市東京に位置する星体能力育成機関のオリオン学園に通うしがない一年生の赤星 昴だ。もちろん等級はγ級のごく普通の実力の持ち主で、偉大な赤星家の末席を現在進行形で汚している最中ー、、、。
うちの家系は人星大戦でえらく活躍したらしく、当時の赤星家はα級の星体能力を手に入れた名門だそうだ。そう伝えられている。
ちなみに、等級というのは上からα級、β級、γ級と三つに分けられていて、ほとんどがγ級で、β級は10%ほど。α級は3%ぐらいだ。
等級は遺伝であり、生まれた家柄で自分の生涯の等級が決まってしまう。
もちろんそれぞれの等級の中でも努力の量によっては実力にかなりの差がでるため、その人次第では上に登ることができる。
しかし、等級の差をひっくり返すことは天地をひっくり返すようなこと。いくら努力をしても無駄なことでしかない。
そして俺は、一番下のγ級!なぜα級の家柄なのにγになってしまったのか。俺にもよくわからんが、一つだけ言えることがあるとするなら、赤ちゃんの取り違いがあった可能性があるということぐらいだ。そう願いたい。
両親はすごく悲しみ、焦ったらしい。まあ当然だよな。
しかし、両親はめげなかった。今までの地位を守るために東奔西走策した。よほど地位が欲しかったんだろうな。
そして、ねりにねって立てた作戦はー
真の実力は隠している作戦!
力が強大すぎたため、日頃はγ級に合わしている。というなんとも幼稚な作戦だった。
すぐに疑われて発覚するに決まっていると思いきや、世間はすっかり信じるだけじゃなく、そんな能力に期待し、神童の降臨とまで言った。
さすがは赤星家。この時が人生で一番家柄がすごいなと思った瞬間だ。俺の先代どんだけすごいことしてくれたんだよ!
そんなプレッシャーに押しつぶされておしまいかと思うかもしれないが、等級は人並みでもメンタルは人並み外れていたようだ。
時には嘘をつき、時にはハッタリをかましたりと、そうやって世間から耐え忍んで生きてきた。
そして現在、人生最難関の学園生活。
もちろん普段はγ級ということになっているため(本当はいつでもγ級だが)、γ級の学年に入学することになった。
ハラハラ(実力がバレないか不安で)、ドキドキ(実力がー)の学園生活が幕を開けようとしていた。
黒煙が上がり、灰燼と化した都市
悲鳴の不協和音の中、今にも掠れて消えてなくなりそうな声が一人の少女を射止める。
「ーぽ、る、、、にげ、なさい」
「お母さんは?いやだよ、一緒に逃げるよ!」
「わたしは、こんな、じょ、うたいなの わかるで、しょ」
「それでも、私がどうにかするって!!」
「まぁーだ生き残りがいたか。その上、上等種とは。」
二人の会話を断ち切るかのように、緑髪の細身の男の足音が近づく。一見、優しそうな中性の顔立ちに見えるが、男の目には残虐が宿っている。
「貴様ぁ!また私たちの邪魔をするのか!!」
「邪魔者扱いなんて酷いなぁ。ただ良好な関係を結びたかっただけなのに」
怒りに飲み込まれた少女は危険を顧みずに、勝算のない戦いに挑む。
次の瞬間、少女の手には禍々しくも神々しい、身長ほどの棒が握られてい。
「リュンケウスの槍! はあぁあ!!」
「これは、少しばかり本気を出さないとねぇ」
地面に伏せ、見ることしかできない母親の目の前で激戦が繰り広げられる。
そして自分の核を犠牲に最後の力を使う。
「王権・メオテールディザイア」
少女は何も残さずにして消える。元々そこにはいなかったかのように。
「願わくば、あか、ほ、しさま、のところへ、、、」
「迷惑なことしてくれるねぇ。自分の核を消費するなんて。
これじゃお目当てのものが手に入らなくなったじゃないか。」
穏やかそのものだが、目には憤りを隠しきれていない。死者への冒涜なんて考えず、執拗に怒りをぶつけ、最後は形さえもわからなくなっていた。
母親と都市は一夜にして消滅させられた。
そして、少女は宇宙をさまよう。
楽しんでいただけたでしょうか?
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