大賢者ローエン
数時間後、サラは一人の老人を伴って姿を現した。
「ふん、お前さんが救世主とやらか?」
老人は俺を見るなり、辛辣な言葉を投げかけてきた。
「ほーぉ、お嬢ちゃんが歌姫かーっ可愛いいのぉ」
アオイを見ると、俺とは正反対にベタ甘だった。
「話しはサラから聞いておる。この都から優秀な者達を向かわせるわい、お嬢ちゃんの為にのぉ。」
孫を甘やかす爺さんのような態度だった。しかしサラの話しだと、この老人こそ都の長で、大賢者ローエンというから驚いた。
「時に、貴様。スキルをまだ使いこなせておらぬようだな。」
大賢者ローエンは再び鋭い視線を俺に向けた。俺が驚いていると、またまた厳しい言葉を放つ。
「馬鹿者、スキルを己に使うのじゃ。さすれば貴様も一人の戦士として戦うことができるじゃろう。」
今まで考えもしなかった。確かに俺も戦いに参加出来れば、アオイを守りながらスキルを使う事ができる。
ローエンは数百人の魔術師を派遣することを、アオイに約束した。
そうして俺たちは魔術の都を後にした。
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