プロローグ
俺の名前は平野草太。独身彼女なし。
毎日自動車の部品を作る工場で、誰と会話するでも無く、機械と部品を操作する。
アパートと工場を往復するだけの日々。
唯一の趣味はアイドル鑑賞。テレビの前で輝く少女達を何千人と見てきた。
そんな少女達の中で一際輝く少女がいる。光を放つ少女は、やがてトップアイドルになっていく。
その光が他の人にも見えてるのか分からない。そんな話をする友人もいないのだから。
平穏だけど虚しい日々。
そんなある日。いつもの様に部屋を暗くし、パイプベットに横になって天井を見上げていると、小さな光の点に気が付いた。
何か、女性の声も聞こえてくる気がした。やがてその光と声はだんだんと大きくなり、俺を包み込んだ。
余りの眩しさに目を閉じていたが。次に目を開いた時には、間違いなく自分の部屋とは違う、どこかの研究室の様な場所だった。
気が付くと、目の前には美しい女性が立っていた。
「おお、救世主様。よくぞお越し頂きました。」
女性はサラと名乗り、俺の名前を聞いてきた。
「草太」
戸惑いながらそう答える。
「おお、ソータ様!」
名前を聞いて、深々と頭を下げる。
「どうぞ国王にお会いになり、この国の窮状をお聞きになって下さいませ」
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