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一秒の間隔

作者: 百鬼

 一秒の間隔は人によって違う。自分は自分であって自分以外の人間ではないので断言して良いものかどうかやや迷ってしまう。でも、まるっきり違う人生を送っているんだ、考え方の違い同様、時間の感覚も人それぞれで不思議ではあるまい。ただ証拠が無いというだけで、しかし考え自体が主観的な証拠になる。いや、言い過ぎか。それを言ってしまうと神になってしまう。人は人であり神ではない。傲慢に生きているといつか思いもよらぬ形で鼻っ柱をへし折られることにもなりかねない、おお怖い。人の悪意の多様性よ、人はなぜ脳を持って生まれてきた? 正直は便利な言い訳だし、時々心を持って生まれたことを憎らしく感じて閉口しっぱなしになってしまうことがある、これが自分だけだと幾分怖いが、かと言って自分だけじゃないという確証もない。そういう人もいると思う、というのはあくまで推測であって、ではそういう人とやらを連れてきてもらおうかとなってもおそらく連れて来ることはできない。どこにもいないではないか。ただ沢山いるから中にはそういう人もいるだろう、という、数の論理に頼った実は不安定な安定よ、寄りかかれば折れてしまいそうなほど弱々しく、人一人の主張などくしゃみ一つで海を越えてしまいそうだ。多ければいいというわけではないのに、数に頼ってしまう。沈黙の多数派は自分たちの数の多さという武器を携えているからこそ強いのであって、その実一人一人をつぶさに見ていけば頼りないことこの上ない。だから群れるのかもしれない。一人一人は強くないから。群れて、集団を作って、その中での決まりを作って。決まりの中には、きっと一秒の間隔を言葉で規定なんて無いのだろう。それは自然発生的にできたものではないような気がしないでもない、いや、一秒の間隔が。どこかに一秒の間隔をしっかり文字化したものがあって、それに基づいて一秒の間隔が世界的に作られているとしたら。これは過言になるだろうか。もしかしたらあるかもしれない、そして、もしかしたらないかもしれない。誰か決めてる人がいるのなら、その人は偉いのかねえ。

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