表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/90

勇者の根城(偽)

魔王に成りすまし

大陸の西の外れにある

勇者の根城を目指せと

アンデッド軍団の指揮官に

個別に直接命令を伝えて行く勇者。


これで大方のアンデッド担当者に、

偽の命令を伝えた筈と思っていた時。


背後に只ならぬ殺気を感じる。


背後から誰かが

斬りかかって来るのを咄嗟にかわすと、

そこに居たのは四魔将のアインであった。


『魔王を見たら殺せ』


掛けられた暗示を

忠実に守ってくれているようで

喜ばしいことなのだが、

勇者もまさか自分の身を持って

その効果を確認する羽目になるとは

思ってもみなかった。


当然アインのスケジュールは

『ビッチーズ』に調べさせており、

バッティングしないように

予定をずらしてはいたのだが、

アインの本日の予定が急遽変更となり

このような事態に陥ってしまったのだ。


『あのクソビッチどもめが、

ちゃんと連絡よこしやがれ』



勇者は自分が掛けた

催眠術の効果を確認すると共に

その弱点をも発見してしまう。


アインは何をもって

魔王と認識しているのか、

やはり外見であろうか。


顔をちゃんと公表している者なら

外見で判断しても間違いはないのだが、

魔王などは仮面を着け、

兜と鎧、マントなのだから

本人確認のしようがない。


もし仮に魔王の影武者が存在していたら、

間違いなくすぐに引っ掛かる。


『これ、魔王が

イメチェンとかしたら効かない奴だわ』


魔王が仮面も兜も鎧も

すべて新しいのに変えて

イメチェンしましたなど

明るく言われたら

この時もやはり効果はない。


ということを、

身を持って検証することになった

勇者なのであった。


とりあえずその場は

時を止めて、瞬間移動し

難を逃れる。


-


魔王に成りすまし

命令を伝え終わると、

次に西の外れに

転移で移動する勇者。


もう魔王の姿である必要はない。


当然、勇者の根城が

見つかったなどというのは

真っ赤な嘘なので、

今回の作戦のために

これから用意しなくてはならないのだが、

そこに出来るだけ多くの

ゴーストなどの霊体系アンデッドを

詰め込まなくてはならない。


何がよいか思案する勇者だったが、

とりあえずよさそうな物が

思い付かない勇者は

観客動員数が多い箱物

という曖昧なイメージで

転移強奪を実行してしまう。



勇者の眼前に現れたのは、

フワフワしてそうな丸い屋根の

白い横に長い建造物。


「と、東京ドームかよ……」


確かに観客席だけでも

六万人近く動員出来るのだから

グラウンドや

天井までの空間を入れれば

十万人超えも夢ではない。


「ま、まぁ、いいのか……」


勇者がドームの中に入って行くと、

警備員らしき人が一人いたが、

幸いなことに

どうやら人間世界では

ちょうど深夜の時間帯だったらしく

野球の試合などは行われていなかった模様。

これが超満員の試合の最中であったならば

どんなことになっていたか

考えただけでそら恐ろしい。


「ここ一体どこですかね?」


勇者的に一番驚いたのは、

転移強奪で中の人も

転移させることが可能だという事。


今までの転移強奪では

確かに中の人は

存在していなかった筈なのだ。


一体どういう条件であれば、

中の人も一緒に転移させられるのか。



兎にも角にも、

かくしてこの世界での

とりあえずの勇者の根城(偽)は

このドーム球場ということになる。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ