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四魔将

「先生ー!

今日はビッグニュースが

ありましたよー!」


「先生じゃねーし!」


勇者に脅されていると言うのに、

サキュバス達には全く悲壮感がない。


先日まとめて転移贈答で

爆弾を仕掛けたサキュバス達を、

勇者は面倒なので十把一からげに

『ビッチーズ』と呼んでいた。


『ビッチーズ』は魔王軍の兵を

魅力や誘惑で操り

内部を撹乱することを

主目的としていたが、

同時に敵内部の情報収集も行う。



そんなビッチーズの活躍により、

もたらされた魔王軍の新たな情報とは。


魔王の側近として

四魔将よんましょうと呼ばれる者達がおり、

魔王不在の折に軍を動かしているのが

実質上四魔将であること、

現在ドラゴン達の討伐を命じているのも

四魔将であるらしい。


四魔将の名はそれぞれ

アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア。


そして、さらには

それぞれの四魔将が各拠点を訪れる

行動スケジュールなど、

勇者がピンポイントで接触を図るには

非常に有益な情報と言えた。


-


四魔将の一人アインは、

四者の中でもリーダー的存在で

実質的な魔王代行と言っても

過言ではない。


早速成りすまし能力を使って

魔王軍の要人に成りすまし、

アインに接触を図る勇者。


「しかし、

魔王様も籠り切りになられて、

困ったものですな」


「貴様、魔王様を非難する気か」


「いえいえ、そんな滅相もない」


「しかしですよ、もし魔王様が

退位なさるようなことがあれば、

やはり次期魔王には

アイン様しかおられない、

私目はそう確信いたしております」


「ば、馬鹿なことを申すな、

魔王様が退位などされる訳がなかろう」


「いかがでございましょうな。


なんでも勇者の奴めは

魔王様さえいなくなれば、

今すぐにでも環境破壊を止め、

これ以上のテロ活動はしないと

言っているそうではないですか。


魔王様もこれだけお姿を

お見せにならないということは、

何かお考えなのかもしれませぬ。


この先もし魔王様に何かあれば、

アイン様に旗頭になっていただくしかない、

それだけはお伝えしておきたかったのですよ」


勇者は様々な魔王軍内部の者に成りすまし

他のツヴァイ、ドライ、フィーアにも、

何度もこうした甘言を繰り返して行く。


毎回違う人物からこうした話があれば、

現状に不平不満を持っている者が

なんと多いことかと四魔将も思いはじめる。


魔王が全く表に出て来ず、

側近との交流も絶えているのであれば、

なおさらのこと

この手の暗躍はやりやすい。


今まで絶対王政であった

魔王の支配体制に

これまで何ら疑問を抱かなかった四魔将も、

これだけ現状に不満が噴出していると言うのに、

このままでよいのかと思いはじめる。


そうした心の隙があれば

勇者の新たな能力、

暗示や洗脳もかかりやすいと言うものだ。






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