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三代目ダークナイト

先日ビーストマスターの能力を

獲得した勇者。


ビーストマスターが使えるなら

ドラゴンマスターもイケる筈だと

早速ドラゴンマスターの能力を

創り上げてみたのだが。


効果を試す機会が

全くないことに気づく。


この世界に来てから、

潜入の時に何度か見掛けたぐらいで

ドラゴンとはまだ接触したことも

戦ったこともない。


そこで携帯通話でテトに聞いた

ドラゴンの巣窟と呼ばれる山まで

出向いてみることにする。



なんでもドラゴンは

人間の味方でもなく、

魔王軍の味方でもないと

テトから聞いた。


種族全体を味方にするまでは

無理だとしても、利用出来れば

何かしら役に立つのは

間違いないだろう。



離間の計は

すぐに効力があるものではない、

あれは真綿で首を絞められるが如く、

ジワジワと効いて来るものだから。


魔王軍はどうせすぐまた

体制を立て直したら

東側の人間エリアに

侵攻しようとするだろう。


その前にもう一度

魔王軍に混乱を起こして

侵攻を遅らせておきたい。


そうすればそれまでに

離間の計が使える段階まで

来るかもしれない、

という考えも勇者にはあった。


-


バイクでドラゴンの巣窟を目指し、

もう到着というところで、

透明化を解除する勇者。


さすがに透明化したまま

初対面のドラゴンを

従わせることは出来ないだろうし、

仕方のないことではあった。


だがそこで、漆黒の鎧を着て

黒光りする剣を手に持つ

見覚えのある姿が目に入る。


勇者には嫌な予感しかしない。


それはやはりいつもの如く

ダークナイトであった。


「あんた、別人だよね?」


「なんの話だ?」


いつもと同じ

低く唸るような、

迫力と貫禄のある声。


ダークナイトは

ドラゴンキラーに

クラスチェンジを果たすべく、

そのアイテムとなる竜の鱗を

巣窟まで取りに来たところらしい。


三回目ともなると、

勇者の正体バレも

いつもの罵詈雑言も

最早ルーティンとしか思えない。


『こいつ絶対同じ奴だろ、

絶対ワザとやってるって』


勇者は観念して、

こいつは自分が

新しい能力や技を覚えた時に

試し台になるために現れる

貴重な相手だと思い込むことにする。


-


「あんた、空飛べる?」


「我が空なんぞ飛べる訳がなかろう、

貴様、我を愚弄する気か?」


「だよね」


勇者はそう言うと

いきなり時を止め、

動かないダークナイトを担ぎ、

空へと舞い上がった。


そのまま高空まで

急上昇する勇者。


時が再び動き出した時には

ダークナイトは遥か空の上にいた。


「な!なんと!」


地上を遥か彼方に見下ろす。


「んじゃ、さよなら」


そのままダークナイトを

放り投げようとする勇者だが、

ダークナイトは必死で

勇者にしがみつく。


「次の新能力試す時、

また来てよ」


しがみつくダークナイトを

勇者は蹴り飛ばす。


ダークナイトは

どんどん小さくなって

地上に落ちて行く。



ここまでの戦いぶりで

熟練度を上げた勇者は

ようやく空を飛ぶ能力を

使えるようになっていた。






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