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ビーストマスター

潜入を続ける勇者。


敵城内の広大な敷地、

その平原に多数の魔獣が

集まっているのを発見する。


グリフォン、ヒッポグリフ、

カコトリス、キマイラ、

バジリスク、ケルベロスなどなど、

他に勇者が知らない魔獣も多数。


その横には魔獣達を

指揮している者達が数人いる。


どうやら敵のビーストマスターらしい。


勇者は透明化したまま

その傍で会話を盗み聞きすることに。


魔獣は鼻が利くので

匂いや気配も一緒に消しておく。


ビーストマスター達の会話を総合するに、

どうやら決起集会が行われるにあたり、

その警護をするために魔王軍の中から

魔獣達が集められて来たらしい。


-


ここまで魔王軍との戦いの中で

魔獣はいなかったが、

魔獣、特に大型魔獣というのは

勇者にとっても厄介だと感じていた。


今までの

転移強奪による物理攻撃も

人型サイズだから

効いていたというのはある。


大型魔獣を大型トラックで

轢かせてみても

跳ね返されるのがオチだろうし、

超高空から加速させても

圧し潰せるかもわからない。


そもそも逃げられないように

拘束でもしておかないと

余裕でかわされてしまうだろう。


そう考えると、

アンデッド程ではないにしろ

通常軍に混じって来られると

厄介というか面倒臭さはある。


今のうちになんとか

対策を立てておきたいところだ。



そう考えながら、

勇者はずっと魔獣を指揮する

ビーストマスターを見ていた。


勇者は自分が昔やっていた

ファンタジーゲームの

記憶を紐解いてみる。


よく考えると

ビーストマスターというのは

クラスやジョブのようなもので

魔法を使っている訳では

なかったような気がする。


であれば、新たな能力として

創ることが出来るのではないか。


そう考えた勇者は、

ビーストマスターの能力を

新たに創り出す。


-


夜更け、

ビーストマスターがいないのを

確認した勇者は

魔獣達の群れの中に忍び込む。


能力がちゃんと効いているのか、

若干不安は残るので

恐る恐る近寄って行く勇者だったが。


逆に能力が強力過ぎたのか

魔獣達は擦り寄って

勇者に甘えて来た。


『デカッ』


予想以上のサイズに

勇者は少し驚く。


人が背に乗って

丁度良いぐらいの

サイズもいるが、

明らかにはるかに

見上げるサイズもいる。


そんなのに甘えて

擦り寄られて来られても

間違って踏み潰されそうだ。


「おぉ、よしよし」


勇者は猫撫で声で

魔獣のお腹を撫でって回ったが、

この場合は魔獣撫で声が

正しい言い方なのであろうか。


「うわ、

めっちゃ、もふもふやん」


そんなことを言いながら

勇者はすべての魔獣の

お腹を撫でた。


その後もずっと

魔獣達は勇者に擦り寄って甘える。


あんまり懐かれてしまっても

これから先のことを考えると

少し心苦しくもある。


もちろんこの勇者は

そんな殊勝な奴ではないのだが。






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