雨と風と夢
何をしたいわけでは無い
ただ闇に融けそうな真っ暗な部屋で
壁に寄りかかり
膝に布団をかけて
ぽつりぽつりと降る雨の
ヒュアーヒュアーと鳴き通る風の
大きいような小さい音を聴く
窓からの光は
一切断ち切り目を閉じる
それは
たった一人の時間だけ
だって家族の声は聞こえないから
これは
ただ独りの時間だけ
だってここには友がいないから
何を感じるわけでは無い
何も感じたいとは
思わない
ただ
この雨になり
風になりたいと
叶わない夢を見ているだけ