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守護者


あれからあっという間に

次の天還の日になった。

前回の天還を見た人達が一目聖灯者様に!

っと宿屋に詰め寄ってきたけど

ガルが追い返した。


「アキナ、準備はいいか?」

『ガル、うん、大丈夫だよ』

フードを深く被る

「いくぞ」


宿屋に出るとたくさんの街人たちが・・

だけど、みんな何も言わずに

道を空けてくれる。


前回とは違う墓地について

『ガル、』

「ああ」

ガルが手を繋いでくれる。



私は謳う。



残され人に最後の別れをさせるために。


死者が迷わないように。




『今日もちゃんとお別れさせられたね。』

頬を伝う涙を拭いながら

墓地で泣き崩れる人々を木々の影からみる。

「あぁ」

『ガル、いつもありがとう。傍にいてくれて』

「お前はオレの光。いつも傍にいる。」

『うん。』

「いくぞ」

ガルは涙を拭って街の出口に行く。


「聖灯者様ー!!ありがとう!」

街人たちがお礼を言ってくれる。

胸がいっぱいになって、

『ありがとう』

深々とお辞儀する。


『ガル、守護者さんたちには墓地で会うんじゃなかったの?』

「墓地はあの状態だ。場所を変えた」

『そうなの?どこに?』

「すぐ近くに小さな村がある。そこに」

『わかった』

ガルが獣の姿に変わる

「乗れ」

『ガル、あの、前は夢中だったから

背中に乗ったけど、重いでしょう?

それに、毛も引っ張っちゃうし、痛いでしょ?』

「お前の重さなど我には少しも苦にならん。

毛のこともそうだ。はやく乗れ」

『うぅ、わかった』

ガルに跨がる。

「行くぞ。村はすぐそこだ」


15分くらいかな?走ったら小さな村がみえてきた

『ガルあそこ?』

「そうだ」


村の少し前でガルは人間の姿になる


『ガル、手を繋いでっ』

「どうした?」

『なんだかドキドキするの』

「聖灯が反応しているんだろう」


村の中の少し大きめの家に入る。


「待たせたな。聖灯者アキナだ」

ガルがフードを外す。


「アキナ様。はじめまして。

私はジル、あなたをお待ちしてました」

『はじめまして、、アキナです』

「シンといいます!」

「バルドだ」

「リード」

紅髪の人、黒髪の人、金髪の人、銀髪の人

みんな背が高くて顔が整ってる。

ガルもとっても整った顔してるけど。

とにかく、背が高い。


バルドさんが急におでこにかかっている髪の毛を避ける。


『わっ』

「バルド!!」

ジルさんが声を荒げる。


「お前を待っていた。お前のために

俺達は心と身体を鍛えてきた。必ず守る。

聖灯の証に誓って。」

「はい、この身に変えても」


『いやですっ』

「アキナ様?」

『私のために誰かが死ぬのは嫌です』

「だが、」

『絶対死ないで、お願いです』

「アキナ、落ち着け。

とりあえず、ジル、バルド、リード、シンだ。覚えたか?」

『うん』

「アキナ様」

『あの、様はいらないです。』

「ですが、」

『私、一般人ですから』

「くっはははは」

無口なリードさんがいきなり笑いはじめた

「リード?」

「ん、」

「落ち着いたか?」

「白の聖灯者が一般人・・・」

「そこが笑いのツボかよ」

「アキナ様」

また、様付けだ。ちょっと無視しよう・・

「アキナ様?」

『・・・』

「アキナ」

『はい?』

「本当に呼び捨てでいいのですか?」

『はい』

「では、アキナ。白の聖灯者がどんなに尊いか

ガルにききましたか?」

『はい、この世に一人だけなんですよね?』

「そうです。唯一無二の存在。」

『でも、私は一般人です』

「ジル、もういい。アキナでいいんだな?」

『バルドさん、はい!』

「アキナって面白いね!」

『シンさん』

「え~さんはやだな~」

『シンくん?』

「うん、それでいいよ!」


落ち着いてみると

バルドさんとリードさんの頭とお尻が

とっても気になる。


「何だ?」

『バルドさんとリードさんの頭についてるのって本物?』

「耳のことか?」

『はい…』

「アキナは獣人をはじめてみる」

「あぁ、それで」

バルドさんにはライオンみたいな耳と尻尾

リードさんは真っ黒な耳と尻尾が

「バルドは獅子の獣人ですよ」

「リードは黒豹」

『そうなんですね。ちょっと触ってもいいですか?』

「・・・あぁ」

バルドさんの耳を触る

『わぁ、ふわふわ』

「もういいか?」

『あっごめんなさいっ』

「いや、それでこの後はどうするか

アキナと話したのか?ガル」

「あぁ、とりあえず予定通り

エーテルリアに向かう。魔核まではまだ遠い。」

『っ』

「そうだな、エーテルリアに行くのがいいな」

「ザン様に挨拶をしておいたほうがいいでしょう」

『ザン・・・?獣人の男の人?』

「なぜそれを?」

『夢で・・・見ました。アルテミスとイースとザンと

他の守護者さん達を・・・』

「夢で・・・」

「アキナは強い聖灯の持ち主だ、アルテミスの聖灯も

混じっている。その影響かもな」

「そうですか。」

「エーテルリアまではここから2日はかかるな」

『2日?』

「あぁ、エーテルリアまであるのは小さい村ばかりだ」

『移動は徒歩ですか?』

「まさかー!馬だよ!」

『馬・・乗ったことない』

「ガルに乗ってきたんだよね?」

『あ、』

「じゃあ、馬の方が楽だよ!!」

「シン、どういう意味だ。」

「まあまあ、

とにかくアキナは誰かと一緒に乗るようにしましょう。」

「ガルもいちいち獣になるのは面倒だろ?

エーテルリアまで人間の姿でいろよ」

「ふむ」

「ん・・・」


「じゃあ、そろそろ出立しましょう。」


気を引き締めなきゃ。またあの魔の者も・・・

手が震える。

「大丈夫」

『リードさん』

無口なリードさんが手を握ってくれる。

「必ず守る。」

バルドさんが声をかけてくれて


「よし、いくぞ」


バルドさんの馬の前に乗せてもらう。


『(うわ~馬の上ってこんなに高いんだ)』

ついついバルドさんの腕を掴んでしまう。

「どうした?」

『なんでもないですっ』

「落としたりしない」

『それはわかってるんですけど

思ってたより高くて・・・』

すると、バルドさんが片手を離し

私のお腹に腕を回してくれる。

「これで少しは安心できるか?」

『はいっありがとうございます』



しばらく、走って


「このあたりで一度休憩しましょう」

『はい。(助かった。お尻が痛くて・・・)』

「僕が下ろしてあげるー」

シンくんが馬のそばにきて抱き上げて下ろしてくれる。

『ありがとう』

「次は僕の馬に乗ってねっ」


少し先に小さな小川みえる。

みんなから少し離れて

「アキナ、あまり離れてはいけませんよ」

『はい、ちょっと小川をみるだけです』


『(キレイ、水はキラキラ輝いて花や木は力強い)』


足首まであるワンピースを膝上まで引っ張り上げて

小川に入る。大好きな歌を鼻歌で歌う。


パシャパシャ


『ふふん~ふん~』



鼻歌を歌い出すと当たりに

光がふわふわ漂いはじめた。


『ん?』

「アキナ」

『ジルさん、この光はなに?』

「これは精霊です」

『精霊?』

「私達が魔法を使うには精霊の力をかります。

私は水の魔法と光の魔法を。

バルドは炎の魔法、リードは雷の魔法

シンは風の魔法を」

『魔法は誰でも使えるの?』

「いえ、精霊は気に入った相手にしか

力をかしません。たとえ気に入られても才がなければ

使えないのです。」

『こんなにたくさんいるんだね。

近くにきて目にみえるんだ』

「・・・いいえ。本来このような事はありません。」

『え?でも』

「あなたは精霊にとっても特別な存在なのでしょう」

『・・・』

「さぁ、水から上がりましょう。

身体が冷えてしまいますよ。」


ジルさんに手を引かれて小川から上がる。


「今日はもう少し進む。

アキナには悪いが村もないから野宿になる」

『野宿?』

「はい。申し訳ありません。」

『どうして謝るの?野宿はじめて!

ちょっとドキドキするけど。でも

魔の者は大丈夫?襲ってくる?』

「それは大丈夫だよ!兄さんが結界を張るから」

『兄さん?』

「あぁ、言ってなかったか?ジルとシンは兄弟だ」

『そうなのっ?雰囲気が全然違うからわからなかった』

「アキナ~どういう意味?」

『シンくんっえーっと

ジルさんは落ち着いてて大人~って感じで

シンくんはなんだか無邪気なかんじで』

「それって僕は子供っぽいってことー!?」

『違うっ違うっ』

「シン、もう行くぞ」

ガルが声をかけてみんな馬の方に行く。


あれからシンくんの馬に乗せてもらって


「今日はここで休もう」


すぐジルさんが結界を張る。

透明の膜のようなものに半球型になる。


『これが結界』

「ええ、中から外に出ることができますが

外から中に私が許可した者以外が入ることは出来ません。」

「結界から外にでてはだめだぞ」

『はい』


「バルド、火」

「あぁ」

リードさんがバルドさんに声をかけて

集めた薪に魔法で火をつける。


夕ご飯を食べて


「アキナ、今日はもう休め」

『ガル、お願い』

「あぁ」

ガルが獣の姿になって寝そべる。

もそもそとガルの身体に抱きついて

『みんなおやすみなさい。見張り大変だったら

起こしてね』

「大丈夫だ。疲れただろう。

はやく眠れ」

『う、ん、おやすみなさい』







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