1st try プロローグ
「・・・はぁ・・・はぁ・・・ヴぅ~・・・」
ほこりくせぇ。めちゃくちゃくせぇ。なんかしらんがくせぇ。とりあえずくせぇ。
「・・・はぁ・・・はぁ、ああーもう!くそっ!!」
視界さ最悪。息も絶え絶え。掘っても掘っても進みやしねぇ。
真っ暗で閉鎖されたこの空間にいったいもう何時間いることだろう。息苦しさとストレスで頭がおかしくなりそうだ。
やっぱり飯用スプーンじゃ限界があったのかもしれない。あまりにも無計画な行動だった。だが、今更後戻りなどできるはずもない。戻れば重罰、そして遅かれ早かれ最終的に私は・・・
「・・・くっ!・・・ザクッ。ザクッ。」
いや考えちゃだめだ。今はここから抜け出すことに集中しなければ。遅々として、一向に変化がわからないとはいえ、掘り起こしていく土の感触・・・進んでいるのは間違いない。このままいけば、そのうち絶対に・・・
「モソッ。」
「!?・・・これは・・・?」
今までとは違う土の感触、隙間から生暖かい風が感じられる。
「や、やったぞ!ついに、ついにやった・・・!」
スプーンを放り投げ、私は何かにとりつかれたようにばっさばっさと土を掻き分けはじめた。
次第に肺へと流れ込んでくる新鮮な空気の量に比例して、私の心臓の鼓動も太鼓のように高鳴っていく。
ーこれで、これでやっとおさらばできる!こんな腐った場所から!掃き溜めとなんら遜色ないこの地獄から!
たしかに私の予想は外れてはいなかった。懸命に堀続けてからまもなく、土の感触は消え、私の身体は煌めくような月光と、澄み渡るような外の空気に包まれた。
だが、最後の最後で、気を抜いたのが行けなかった、地中から飛び出してきた私の足元に地面は無く、喜ぶのもつかの間、途端に重力の支配に襲われた。
「っしゃー!やったあ・・あ・・・あ・あぁぁぁぁああ!?」
やっとの思いで窮屈な暗闇から抜け出してきた私は、再び光指すことのない深淵へと落ちていく。
ーこうして、私の脱獄はめでたく失敗に終わった・・・はずだった。




