第11話 プレオープン
カフェオープンの3日前に、プレオープンをやることになった。
プレオープンとは試験的に行う仮営業。
身内や友達や取引先などを招いて行うのである。
さっそく昼頃から開始した。
まず来たのはお互いの両親だった。
両家が挨拶をしながらさっそく注文。
千晴の父親はグアテマラとスパゲッティトマトソースを注文。
母親はマンデリンがないことにショックを受けている。
「千晴ちゃん。私はあなたをこんな子に育てた覚えはありません」
「母さん、今度用意しとくから」となんとか説得した。
詩乃の両親もコーヒーとスパゲッティを注文した。
「詩ちゃんが料理作ってる」と言って写真を撮り始めた。
「お父さん、ボク恥ずかしいから写真撮らないで」
その後は高校時代の友達が4人でやって来た。
「おーす、千晴、詩乃」
「ひさしぶり」
挨拶もそこそこに注文をしてくれた。
「なにこれ、レモン入れたら色変わったんだけど」
「クリームソーダ美味しい」
「ケーキ美味しいじゃん。これ手作り?」
「ソフトドリンクさあ、
なんで小学生以下だとこんな安くしてるの?」
「小学生以下だと量減らしてるし、
小学生がドリンク目当てで来ると親も着いてくるでしょ」
と千晴が言う
「へえ、考えてんだ」
「割引券とかないの?」
「そこまで考えてなかった」と千晴
「てかさあ。ここ音楽流さないの?静かすぎない?」
「あっ」と詩乃
「音楽流すと著作権料支払わないと」と千晴
「とりあえず、フリーBGMを流そう」と詩乃
「なにそれ」
「著作権料を支払わなくていいBGM。そこそこあるよ」と詩乃
翌日届くように機材を注文した。
しばらくすると不動産屋さんがやって来た。
「いらしゃいませ。来てくれたんですね」と千晴
「私、準レギュラー狙ってますから」
準レギュラーってなんだろうと詩乃は思った。
店を閉めようとするとドアが開いて
保健所の人がやってきた。
開店前の抜き打ちチェックかと思い2人は震えた。
モカとパンを注文した後、千晴をジッと見ている。
千晴が「なにか?」と聞くと
「今日は芝居しないんですか?」
千晴は動揺した。
こうしてプレオープンは終わったのである。




