第1話 千晴と詩乃
千晴と詩乃は、家が三軒隣の幼なじみだ。
同い年で、物心ついたころからいつも一緒だった。
2人の両親がコーヒー好きで仲良くなり、
千晴と詩乃もよく喫茶店に連れていかれた。
小さい頃から、コーヒーの匂いで育ち、
やがて高校生になる春、中学の卒業間近のある日、
2人が話していた。
「ねえ詩乃。将来カフェやってみない?」
「いいねえ。2人でお店やろうか」
千晴がスマホで【カフェ開業資金】と検索
小規模カフェなら約500万円~1000万円、
大規模なら1500万円~3000万円
必要だという記事が表示された。
千晴・詩乃「……」
「高くね」と千晴
詩乃がスマホで色々調べながら
「え~と時給が1100円ちょっとだから……」
「とにかく稼げばいいんでしょ」と千晴
「だね。高校入ったらさっそくバイトやろう」
そして高校入学。
「私〇〇でバイトしたい」
と千晴が世界最大規模のカフェチェーンの名前を出す。
しかし「げっ。高校生不可だって」
膝から崩れ落ちる千晴
「ボクは名古屋発祥の喫茶店チェーン店にするよ」
とボクッ娘の詩乃
「世界がダメなら日本全国に店舗展開している喫茶店だ」
と千晴
こうして2人は、週4で4時間のアルバイトをしたのである。
学校での休み時間はお互いのアルバイトの話。
「私はマニュアル渡されて覚えてくるように言われた。
そしたら初日からレジでさあ」と千晴
「マジ!?」
「まじまじ。でもその後はローテーションで
ドリンクやフード作成もやったりしたよ」
「ふうん。いいなあ」
「詩乃は違うの?」
「ボクは接客しかやらせてもらってない。
接客をしばらくやってからキッチンに入るみたい」
「へえ全然違うんだね」
「ボクは早くキッチンで作りたいよ。
でもキッチンからホールにヘルプで行くから
接客は完全に覚えないとダメなんだって」
2人は勉強もそこそこに、アルバイトに明け暮れた。
あまり買い物もせず、コツコツとお金を貯めていった。
そんなこんなで3年間は終わった。
卒業後
「私は世界最大規模のカフェチェーンで働く」
とアルバイト先の変更をする千晴。
「ボクは食事系をもっと覚えたいから
食べ放題のお店のキッチンで働く」
とこちらもアルバイト先を変更した詩乃。
こうして2人とも1年間、週5で8時間働いたのであった。
2人は4年間で600万円貯めたのである。




