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ヘラルト  作者: 田上 祐司
第5章 血の月曜日事件

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第44話 突入

 稼働し続ける要塞砲は、向かい来る軍人たちをことごとく吹き飛ばす勢いであった。


 要塞砲に向かってアダラは砲撃を繰り返していたが、分厚い装甲によってさほど損傷を与えられてはいなかった。


「くたばれクソ野郎共!!」


 ダミアンは相変わらず汚い言葉を浴びせながら敵に向かって短機関銃の引き金を引き続ける。

 

 要塞へと近づくにつれ、敵の攻撃は激化していった。敵の機関銃は絶えず稼働し続けがなりたてる。


 対するヘラルト達の方は短機関銃や小銃程度ではどうにもならず、アダラによる砲撃しか要塞に攻撃する手段がない。


『なんとかして壁の内部に潜入しろヘラルト。要塞砲を止めるには中でいじってる奴らを殺すしかない』


「ダミアン援護しろ。壁に入る」


「了解だヘラルト! ケツは俺に任せとけ」 


 ヘッドホンから聞こえてくるアントンの声。ヘラルトはそれに従い要塞の外周にある壁へと接近を試みた。要塞の外周、壁までは残り100m程。2人は呼吸を整えると立ち上がって走り出す。


「走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れェッ!!」


 ダミアンが叫んだ。


 敵の機関銃に狙われながら、要塞の真正面に向かって2人は全力疾走。


「おい馬鹿やめろ! 死んじまうぞ!」


「伏せろ! いいから伏せろ!」


「お前等頭イカれてる! 戻れ!」


 後ろで2人の突撃を見守っていた軍人たちはそう叫ぶ。しかし2人は止まらない。


「ハッハッハ! 楽しいなぁオイ! お前もそうだろヘラルト!」


「いいからさっさと壁に貼りつけ」


 一瞬が永遠にも感じる。遮二無二走り続けた2人はようやく壁にとりつくことが出来た。真下では攻撃が出来ないが、アダラの砲撃に巻き込まれる危険もある。急がねばならなかった。


「入り口は何処だ?」


「外側に門以外の入り口なんてあるわけないだろ。伏せてろ。吹き飛ばしてやる」


「あいよ。景気よくやってくれ」


 ヘラルトがダイナマイトを弄り始めたのを見て、ダミアンは周囲を警戒し始めた。


『ヘラルト。他の場所でもルベルの奪取した拠点を奪還する戦いが始まってる。追加の援軍は期待しないでくれ』


「分かってる。そんなもの初めから期待しちゃいない」


 壁のヒビにダイナマイトを設置し、点火するヘラルト。


「爆発するぞ! 離れろ!」


 ヘラルトがダミアンと一緒にその場を離れ、暫くするとダイナマイトの爆発する音が響き渡った。


「よしダミアン、突入するぞ」


「どうやってだよこのアホンダラ!!」


 ダミアンが怒りの赴くままに叫んだ。当然だろう。なにせヘラルトが設置したダイナマイトは壁の表面を少々削っただけで終わってしまったのだ、当然穴も開いていない。


「こうなったらありったけのダイナマイトを……」


「工兵でもやったことがあるのかと思ってたら何も考えずに設置してやがったのか! 貸せ! 俺が吹っ飛ばしてやる。じゃなきゃいっそこいつを腹に巻いて突撃してやる!」


「おい馬鹿やめろ、手を放せ」


「うるせぇお前こそそいつを俺に寄越せ!」


 やいのやいの、ヘラルトとダミアンはダイナマイトを奪い合いそれを後ろで見ていた軍人たちを呆れさせた。


「寄越せっての!」


「断る。というかお前も扱いが分からんだろう」


「うるせぇいいから貸せ!」


 醜く争いを続けるヘラルトとダミアン。そんな2人の近くに、頃合いを見計らったかのようにアダラから放たれた砲弾が複数まとめて着弾する。


「ごっほごっほ……おっと? ヘラルト後ろを見てみろ、穴が開いたぞ」


 立ち込める砂ぼこりに咳き込みながら後ろを振り返ると、壁に穴が空いていた。


「……進むか」


「行きましょ行きましょ」


 

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