表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/252

第66話 ご褒美と夫婦

 桶狭間の戦い。今川義元が2万5千の兵を率いて尾張に攻め込んだ。連戦連敗だった織田軍だが、今川義元が桶狭間にて休息中を織田信長率いる3千が急襲。

 その結果、今川家の重臣の多くが討ち死にし、義元本人も毛利新助に討ち取られた。桶狭間の戦いは見事織田軍の大勝利に終わったのである。

 

 いくらなんでもおかしいと思わないか? 本来の歴史と《《同じすぎる》》。俺があんなに活躍したのにだよ? 義元本陣を見つけ出し、井伊直盛ら3人の重臣を討った。本来の歴史では俺がいないはずなのにおんなじ結果になってる。ほんとにどういう事なのだろう。



「これより論功行賞を始める!!」


 桶狭間の戦い後、織田軍は尾張に残っていた今川残党を殲滅した。俺は傷がひどくて行ってないんだけど。とにかく、今回の今川軍による尾張侵攻は無事終わったのである。そして戦が終わったことで清洲城にてご褒美タイムこと論功行賞が行われている。


「まず第一功!! 坂井大助!! 前へ!!」

「ハッ!!」


 ま、そうだよね。俺いなかったら今回奇襲出来て無かったわけだし。


「坂井大助は今回、今川義元の本陣の位置を探り出し奇襲の成功に大きく貢献した。さらに今川の重臣、松井宗信、岡部直定、井伊直盛の3人を討ち取った!! この功により清洲西の大助の領地を3万石加増、宝剣二点を授ける!!」


 信長が宝剣を渡しながら、「よくやった」と言う。


「ありがたく」


 丁寧に頭を下げ、宝剣を受け取る。そして丁寧な所作で元の場所に戻った。


「続いて第二功!! 毛利新助!! 前へ!!」

「ハッ」

「毛利新助は今川軍総大将、今川義元を討ち取った!! この功により領地5千石、宝剣一点を授ける!!」

「ありがたく」


 やっぱ大将首でかいな。それ一つで第二功だ。やっぱ俺の手柄にしとけばよかったかも。

 ということで論功行賞は終わり、俺は八万石の領土を持つ尾張屈指の武将になったのである。だが一つ懸念点があるとすれば今回頂いた3万石、伊勢との国境なんだよな……。伊勢にはあまり有力な武将はいないはずだけど油断はできない。

 依然、尾張の周りは敵だらけなのだ。東は今川、北は斎藤、西は伊勢の北勢四八家。その一面の防御を任されたってことなんだよな~。かなり重要な場所だ。まあ、なんとかなるよね。



 論功行賞の翌日、桶狭間の戦いの最中に出会ったJKが俺の家を訪ねてきた。


「お、お邪魔します」

「ああ、どうぞ」


 あんま親しくない女子を家に入れるってちょっと緊張。若干塩対応気味になっちゃったかも。


「ご主人様、お客様ですか?」


 ご主人様って主従関係の呼び方だよな? 結婚した後もずるずるそのままできちゃったけど変えたほうがいいのかな? 旦那様とか。まあこれは後でいっか。


「ああ、祈。俺の部屋でちょっと話があるから」

「わかりました。あとでお茶をお持ちしますね」

「ありがとう」

「あ、ありがとうございます」


 そして部屋に入ると、急にユナが問い詰めてきた。


「あんた、なに? あの娘?」

「え? 何ってどういう」

「め、メイドコスさせて……ご主人様って呼ばせて、い、いったいどんな関係なわけ? ま、まさかあんたこの時代の人がメイドとか知らないことをいいことに好き勝手やってるんじゃ……? こ、コスプレぷr」

「おい、ちょっと待て!! 俺と祈はそんないかがわしい関係じゃないぞ!!」


 確かに祈がメイドを知らないのに着せたけども……!!


「じゃ、じゃあどういう関係だっていうのよ!!」


 俺を壁に追い詰めて圧をかけながら問い詰めてくるユナ。


「ちょ、ちょっと待て!!」

「いいから答えなさい!! どういう関係!!」

「ふ、夫婦だよ!!」

「……へ?」


 俺の答えにぽかんと口を開けるユナ。その隙に追い詰められていた場所を脱出。


「ふっ夫婦って、あ、あんた何歳?」

「18だけど?」

「私と同じじゃない!! 結婚できないでしょ!!」

「この時代ならできる、ってか現代日本でもできるだろ?」

「この時代は数え年だから無理よ!!」

「でもこの時代ならできるの!! っていうか結婚したのは2年前だし」

「は、はぁぁ? 不純よ!!」


 不純? 何が?


「それはどういうことだ? 聞き捨てならないな!! この時代なら問題ないんだから何の問題もないだろ!?」

「そ、そうなんだけど……」

「そもそも俺と祈は愛し合って結婚したの!! お前に文句言われる筋合いはない!!」

「そんなの怪しいわね!!」

「お茶お持ちしました~~。……へ? えっと?」


 祈が最善とも最悪ともいえるタイミングでお茶を持って登場。


「な? 祈?」

「お、脅されてたりしない? 結婚しないと撃ち殺すとか……」

「え、えっと……私は、ご主人様を、あ、愛しています」


 俺とユナに問い詰められ愛の告白をする祈。その耳は真っ赤。耳どころか顔も真っ赤。

 祈の言葉にぽかんと口が開けっ放しになるユナ。


「お、俺も愛してるよ。祈」


 祈にとどめの一撃!! 祈はお茶のお盆を落して逃げ出した!!

 ユナは夫婦での愛の囁き合いにやられてノックダウン!! 


 真面目な話し合いは次回。

 ちょっとこういうの書きたかったんだよね。

 安心してください。次回からはちゃんとやります。


 そういえば今日ハロウィンですね。そういうイベントごとに特別編とか書いた方がいいんでしょうか? ご意見等よろしくお願いします!!

 ハッピーハロウィン!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ