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【50万PV突破】 戦国の世の銃使い《ガンマスター》  作者: じょん兵衛
第一部 2章 『尾張統一と桶狭間』

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第59話 弟の処分と駿河の大大名

時はほんの少しだけ遡り、浮野の戦いの前、1558年3月。

 稲生の戦いで敗れた織田信行が龍泉寺城の築城を始めた。表向きの理由は駿河の今川義元への備え。だがこれは明確に信長の脅威となるものだった。


 そして浮野の戦いの後、信行が篠木三郷を横領しようとしているとして柴田勝家が密告してきた。横領は明確な敵対行為だ。

「よく報告してくれた。勝家」

「はっ」

「で、どうするんです? 戦?」

「いや、戦はしない。今、信行はまだ俺たちに裏切りが知られていると知らない。なら、やりようはいくらでもある」

「やりよう?」

「俺に考えがある。大助には少し手伝ってもらうぞ」

「はっ」

「私めは?」

「勝家は何もせずともよい。ただ待て」

「はっ」


 そして勝家の密告から1週間後。信長は仮病を使って清洲城に信行を呼びだした。床に伏し、死ぬ前に弟に今後の話をしたいという体だ。

 信行は二人の従者を連れて清洲城にやってきた。

「兄上、信行です」

「お、おう。信行か。入れ」

 布団の中から苦しそうな声を出す信長。

「あ、兄上……」

「もっと近くに……」

 信行は無警戒に信長に近づく。死を前にした兄を見て、兄への憎しみが消え、涙を流し、肉親への情が生まれる。

「あ…ふ……う」

「兄上?」

 かすれた信長の声を聞き取ろうと信行が耳を信長の口に近づける。

 その無警戒の腹に信長が短刀を突き立てる。

「な!? 兄上!?」

「信行、俺は2度も裏切りを許すほど寛大ではない」

「ッ!? 蔵人ッ!! こいつを殺せェェェ!!!!」

 パァァーーン!! パァァーーン!!

 俺はリボルバーで2人の従者の脳天を撃ちぬいた。

「な!?」

「よくやった。大助」

「ッ!! クソォォォ!!!!」

 信行は腰の短刀を抜き、信長を刺そうとする。

「信長様ッ!!」

「問題ない」

 信長は短刀で信行の短刀をたたき落とし、信行の首を掻き切った。

「カハッ!?!?」

「……愚か者め。俺に忠誠を誓っていれば、ともに天下を目指す道もあったというのに」


 永禄元年(1558年)11月2日 信長の弟・織田信行

 尾張国 清洲城にて織田信長により暗殺される。 享年22



  浮野の戦いの翌年。信長は軍を率いて岩倉城を包囲した。城下町を焼き払い、長期戦の構えを取った。その結果、数か月の籠城戦の末、岩倉城は落城し織田信賢は降伏、追放処分となった。

 こうして信長は尾張上四郡を奪い取り、尾張統一を成し遂げた。犬山の織田信清も今のところは信長に協力しているし、尾張の情勢は落ち着いたかのように見えた。だが実際のところは信行、信賢などとは比べ物にならない脅威が信長と尾張国に近づいた来ていたのである。

 

 駿河の今川義元が兵や武器、兵糧を集め出している、との情報が次々と届くようになった。今日はそのことについての軍議である。

「兵を集めるだけならまだしも、兵糧や武器まで集めるというのはよほどの大軍を起こすという事なのだろう。今度こそついに上洛(当時の都である京都へ行くこと)を目指すのだろう」

「その通りであろう。今川は武田、北条と三国同盟を結んだことで東への憂いが無くなった。今なら全勢力を西へ向けられる」

「今川が上洛するとなればここ尾張は通り道になる。その時我らはどうする?」

「どうする、とは?」

「降伏か、戦か」

「降伏であろう。我らで今川に勝てるわけがない」

 林秀貞らの重臣は皆降伏をささやく。

 だがもちろん、信長は違った。

「降伏などあり得ん。戦うぞ」

「た、戦う!? 正気ですか?」

「こちらの兵はどれだけ集めても4,5000程度。今川の軍の総勢は2万5千から3万と言われている!!」

「勝てるわけがない!!」

「今から兵を鍛えておけ。以上」

 信長はそれだけ言うと広間を出ていく。広間には困惑顔の家臣たちだけが残された。


 

 永禄三年(1560年)5月12日。駿河国、遠江国、三河国の合計百万石以上を治める大大名・今川義元が25000の兵を率いて上洛を開始した。もちろん、最初の標的は織田信長の治める尾張国。清州の兵はわずか3000。これは丸根と鷲津に500ずつ兵を割いているためだ。その他にも尾張の各重要拠点にも多少の兵を置かないといけない。つまり俺たちはこの3000の兵で25000を迎えうたないといけない。マジで絶望的だ。

 でもまあさすがの俺でも”1560年”、”今川義元”、”織田信長”このくらいは知ってるよ。これはあれだ。”桶狭間の戦い”。もちろん勝敗も知ってるぞ。信長が奇襲で今川義元を討ち取るっていうミラクル勝利を収めるのだ。まあ安心してて大丈夫だろう。

 と、そんな軽い気持ちで俺は桶狭間の戦いに臨むのだった。





 


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