表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【50万PV突破】 戦国の世の銃使い《ガンマスター》  作者: じょん兵衛
第一部 2章 『尾張統一と桶狭間』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/266

第48話 浮野の戦い (1)

 祈との結婚式はそこそこに、俺たちは次の戦に向かうことになった。結婚式がそこそこで終わったのは俺も祈も呼ぶ人が少ないからだ。俺には家族がいないし、祈も両親はなく、兄弟のみなのだが長秀以外の兄弟は祈が正妻の子じゃないという理由で話しかけても来ないようだ。そのため、結婚式は信長、利家、長秀などのごく親しい人しか呼ばなかった。 

 次の戦、それは信行との戦があったために先送りにされていた岩倉の織田信賢を攻め滅ぼす戦いだ。これを倒せばいよいよ尾張の敵は犬山の織田信清だけであり、ほぼ尾張を統一したようなものだ。

 ということで信長は2000の兵を率いて岩倉城に向けて出陣した。その軍用は信長600、俺・坂井大助が600、その他、丹羽長秀、橋本一巴、滝川一益ら。さらに犬山の信清も信長と協力して1000の兵を率いて出陣した。

 ちなみに俺の残り半分の軍は美濃側の警戒についている。そっちは常道が指揮してくれる。


「こうして千代松と肩を並べて戦に行く日が来るなんてね」

「ええ、今回は師匠のカッコいい所見せてくださいよ」

「ああ、任せて欲しい」


 一巴師匠は背中の銃を一度抜き、俺に見せつける。かつて俺が作った弾薬に対応しているタイプの銃だ。


「それ、使ってくれてたんですね」

「ああ、これはいい銃だ。新作ができたらまた僕にもくれると嬉しいな」

「じゃあこの戦が終わったらこのリボルバーを新しく作って差し上げましょう」

「本当かい?この前試合したときに見せてもらったけどその銃すごいよね」

「でしょう?俺も気に入っているんですよ。しかもカッコいい」

「そうだね、楽しみにしているよ」


 その時、一人の兵士が俺たちの所へ馬で走り寄ってくる。


「伝令!! 敵軍が城から打って出てきました!!坂井長之丞殿と橋本伊賀守殿は急ぎ前方の本隊の左翼を作るようにとのこと!!」

「「了解!!」」

「坂井隊!!前進だ!!」

「橋本隊もだ!!」


 兵に指示を出し、俺と師匠を先頭に走り出す。


「敵が打って出てきたとはどういうことでしょうか?敵は籠城して美濃の斎藤義龍の援軍を待つのが最善では?」

「ああ、その筈だ。だが今打って出てきたということは私たちに勝つ自信があるということだろう」

「確かに今回、柴田権六殿や林秀貞といった将は出てきていませんがそれでも軍としては十分強軍のはずなのですが」

「それに打ち勝つ自信があるのだろうな」


 そんな話をしていると別れる地点についた。


「では、師匠。ご武運を」

「大助殿も、ご武運を」


 そう言い、各自の配置につく。敵は織田信賢軍3000人。


「彦三郎の弓隊を前に出せ!!信長様の指示でいつでも始められるようにしろ!!」

「了解!!」


 信長の尾張統一の戦いの第二幕、浮野の戦いが始まる。



「左翼一陣!!始めろッ!!」


 信長の号令により、戦闘が始まった。こちらの彦三郎隊の弓隊と、師匠の部隊の鉄砲隊から始まる。敵は盾を構えて前進してくる。


「彦三郎隊、下がれ!! 大吾ッ!! 前に出ろ!!」

「おうよ!!」


 弓隊を下げ、前衛の大吾隊を前に出す。師匠の方も同じように動いていた。

 そしてついに大吾隊と敵の第一陣が大きな歓声とともにぶつかった。


「大吾!! そのまま抑えておけ!! 俺たちは敵の後方をたたく!! 100人ほどついて来い!!」

「おう!!任せろ!!」


 敵の横腹を攻撃して、少しずつでも確実に敵の数を削っていく。上手くいけば大打撃を与えることが可能。古来からの定番戦術だ。



 俺らの戦場は若干こちらが優勢くらいの状況を保ちつつ、少しずつ敵の戦力を削り続けた。師匠の戦場や、右翼の長秀、一益の方も同様の状況になっているらしい。

 敵は第一陣が劣勢と見るや否やすぐに第二陣を送り込んできた。


「殿!敵の二陣が出ました!!」

「あれは少々厳しいな。一度乱戦を解け!!一度下がるぞ!!」

「了解!!」


 俺の軍は乱戦を解き、後方で陣を整えなおす。

 右翼はあのまま戦うつもりのようだ。あっちはそれほど損害もないようだし大丈夫だろう。被害が大きかったのはどちらかと言うと俺と師匠の左翼。特に師匠の方は左翼の一番端で最も被害が大きかった、なのに一向に退く気配がない。大丈夫だろうか?


「殿、左方の橋本隊が退却できていないようですが?」

「ああ、被害が大きくてうまく退却できないのかもしれない。もう少し様子を見て、苦しそうだったら援軍に行こうか」


 まあ、師匠なら大丈夫だろうが。 



 だが、それからしばらくたっても師匠の軍は退却できないでいた。


「まずいな、このままじゃ師匠の軍が壊滅する。援軍に行かないと」

「ですが殿、今はこちらにも余裕がありませぬ」

「……だが師匠の軍が壊滅すれば次はあの軍もこちらに雪崩れ込んでくる。そうなれば左翼全体が壊滅することに他ならない。それはこの戦の敗北を意味する。それだけは避けなくてはならない」

「そうですな、ではだれか」

「いや、俺が行く。彦三郎、この軍の指揮を任せる」

「ハッ!!お任せを!!」

「100騎ついて来い!!橋本隊の救援に向かう!!」


 こうして俺は100人の兵士とともに隣の師匠の戦場に援軍として向かう。

 師匠は無事だろうか? 無事なはずだ。師匠だからな。でも危険なことには変わりない。とにかく急いで、師匠を救出せねば!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ