第6話 蜘蛛
彼の地の平穏が脅かされし時、地の神アブソースの怒りあり、蜘蛛現れり。
その蜘蛛巨大にて世を覆い闇に導く。
『ルンデの書』第32-01 蜘蛛より
511年 ジュカエサル・コロ次期聖王の配下、アンテルス・ハタラ将軍が家来を連れてアーティルの北山の野に赴くと、空を飛ぶ髑髏に遭遇した。不審に思ったハタラ将軍たちがそれを追うと、古びた神殿に辿り着き、様々な異形の化物たちが現れてハタラ将軍らを苦しめた、夜明け頃には美女が現れて目くらましを仕掛けてきたが、ハタラ将軍はそれに負けず刀で斬りかかると、女の姿は消え、白い血痕が残っていた。それを辿って行くと、やがて山奥の洞窟に至り、そこには約60mほどの巨大な蜘蛛がおり、この蜘蛛がすべての化物の正体だった。激しい戦いの末蜘蛛の首を刎ねると、その腹からは90もの死人の首が出てきた。さらに脇腹からは無数の子蜘蛛が飛び出したので、そこを探ると、さらに約20個の小さな髑髏があった。これらすべてを持ち帰るわけにはいかないので、いくつかの髑髏を持ち帰りこれを埋葬した。これらの髑髏は後にアーティルの町外れにある墓地に埋葬され、現在も残っている。・アンテルス・ハタラ将軍の手記(※一部抜粋)