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第4話

 俺は、力が欲しい!


 どんな相手も倒せるような圧倒的な力が!

 誰にも負けないように、大切なものを守れるように、大切な人を守れるだけの力を手に入れる!

 そのためならなんだってやってやる!

 だから頼む!

 俺にもっと強い力をくれ!

 そう願うと、アフムと名乗る声は言った。


(契約は成された。今こそその力を解き放ち、己が道を切り開け)


 その声が聞こえると同時に、僕の身体から凄まじい魔力が溢れ出した。

 その力は瞬く間に僕を飲み込んでいく。視界は白く染まり、やがて何も見えなくなった。


 ……


 目を開けると、僕は地面に倒れ伏していた。

 さっきまでの黒い狼は消えており、かわりにかわいらしい少女が立っていた。

 え? なにこれ?

 どういうこと?


 あの黒い狼はどこに行ったんだ?

 それにこの子は?

 そんなことを考え再び彼女の顔を見て思わず息を飲む。

 そこには絶世の美少女がいた。

 肩口で切りそろえた銀髪。

 宝石のように綺麗な瞳。

 スッと通った鼻筋に小さな唇。

 シミひとつない白い肌。

 全てが完璧に整った美しい容貌。

 そんな彼女が心配そうな顔をしてこちらを見ている。


「大丈夫ですか?」


 鈴の音のような心地よい声で彼女は尋ねてくる。

 僕はその美しさに見惚れながら、ただ呆然と見つめることしかできなかった。


「本当にありがとうございました」


「いえ、当然のことをしただけですから気にしないでください」


「ですが、あなたがいなければ私は間違いなく死んでいたでしょう。それどころか町にも被害が出ていたはずです。お礼を申し上げます。この度は助けていただいて誠にありがとうございます」


 そう言って深々と頭を下げる。


「い、いえ、ほんとにたいしたことはしてませんから! それより他の人に怪我とかはありませんか? 」


 慌ててそう言うと、彼女は大きな瞳をさらに大きくみひらいて


「ええ、大丈夫です。本当にありがとうございました。私は馬車で皆に守られておりましたがあなたが来なければこのままあの恐ろしい化物に命を奪われていたことでしょう。ああ、よろしければ自己紹介をさせていただきたいのですが」


 そういうと


「私は、ラステア王国第三王女エレナキイラ・ジヘムーアと申します。この度は本当にありがとうございました。あなたは命の恩人です。何かできることはないでしょうか? ぜひお礼をさせてください。何でもいたしますので遠慮なく仰って下さいね」


 と笑顔で言ってきた。


ええ? お姫様??

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