表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/78

58.お祈り娘を召喚!? 前編


「ア~ク~セ~リ~さまっ!」


 ルシナと姉妹仲良く話をしていたパナセだったが、しばらくして辺りをウロウロし始めたかと思えば、後ろ手にトコトコと遠慮がちに近付いて来る姿は、何とも愛嬌がある。


 ロサの躾を済ませた後、しばらく辺りを警戒して、そろそろ移動しようかと思っていた矢先だった。


「ん? パナセか。寂しくなったか?」

「そ、そんなことはないですよ~? アクセリさまこそ、パナセとお話がしたくなったのかなぁと……チラッ」


 どこで覚えたのか不明だが、パナセは、チラチラと人の顔を盗み見る仕草をするようになった。


「ふ……らしくない。パナセは考えるよりも行動を優先させていたはずだ。遠慮しているのか?」

「ぶ~! アクセリさまはわたしを何だとお思いですか!」

「愉快な薬師だ」

「違うです!! わたしは、賢者アクセリさまをこよなく愛する薬師なんです! プンプンプンです!」

「はははっ! 面白いな」

 

 パナセは洞窟内で起こった出来事と、俺と出会った頃の記憶を少しずつ取り戻して来た。


 そのせいか、少しだけ大人びた雰囲気を感じさせるようになっただけに、俺もパナセも、お互いが何となく遠慮がちになっている。


「あ~~~! そ、そうですそうです!!」

「な、何だ? いきなり何を思い出した?」

「シヤちゃんを見て、思い出してしまったんですよ!」

「何をだ?」


 やはりいつものパナセになったようで、安心を覚えた。


 会話の脈絡もないままで、急に話が進んでいるのはパナセの特徴でもあるが……。


「ストレちゃんです!」

「……竜人娘か?」

「ですですですっ!! そろそろ大人になったのかなぁと思ったですよ!」


 デサストレ……お祈りポーズをした後の魔力開放で、ごろつき連中を一掃した竜の娘だ。


 力を開放すると小さな子供に戻る上、魔力が戻るまで時間がかかるという、何とも燃費が悪い竜人だった。


 本人も子供ながらに気にしていたらしく、竜の里へ帰り鍛えて来るとか言って、姿を消してしまったわけだが。


 果たしてこちらの気配をたどって、合流を果たせるかは不明だ。


「それで……、ストレに会いたくなったのか?」

「会いたいですよぉ~というかですよ! 戻って来てもらって、悪の勇者がいるお城かどこかに乗せて行ってもらえたらいいなぁなんて……」

「何? 竜に乗って、敵の本拠地に突っ込むというのか? それは名案だが、パナセは勝てるのか?」

「わ、わたしじゃなくて、アクセリさまはもちろん、オハードくんで特攻なのですよ!!」

「待て、今なんて言った? オハードくん? それは誰だ?」

「だから~あそこでロサさんとお話ししている、オハードくんですよぉ」


 恋の春どころか、パナセに格下扱いされているとか、つくづく不憫な男だ。


 しかし俺以外の男に対して、嫌悪と憎悪すら抱いていたパナセが、オハードには心を開いたというのは、この先において何かしらの恩恵を受けられる可能性があるということだ。


 黒騎士との探り合いも無意味では無かったということか。


「んんっ、そうか。ならば、パナセがしっかりとオハードくんをしつけてやってくれ」

「お任せ下さいなのですよ! えっへん!」

「ああ、任せたぞ」

「わぁいわぁい!! アクセリさまのご期待に物凄く応えられているです~~!」

「期待しているぞ!」


 無邪気なパナセが、手下を手に入れた……か。


 パナセの言う通り、確かに勇者がいる所に手っ取り早く行くには、空から行くのが早い。


 しかし肝心の竜人は、里へついて行くのを拒んだ。


 さすがに竜人の気配までは感じ取ることなど出来ないのだが……。


「おっさん、気難しい顔が増しているのだ。何を考えているのか教えて欲しいのだ」

「おっ! そうか、召喚士! アミナスに頼むとする。いいか?」

「何が何なのだ?」

「召喚士としてのスキルを期待している。アミナスよ、竜をここに呼んでくれ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ