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8話 魚一匹でお祭り騒ぎ

また短めです。

砂浜についた。まだ日が沈んでいないため、人も結構いるし、ちらほらと釣れている。

まずは泳がせるキスを釣らないとな。

俺たちは投げ竿が3本(と少女は竿を配った時に取ったやつ)ある。

500円分のアオイソメを二人に配る。するとアレクが


「あれ?これなら王城で僕が育てているから教えてくれればよかったのに。昨日もそれを使ったし、

 今日も持ってきてるよ。ほら」


というと袋に入った大量のアオイソメを見せてくる。2000円分ぐらいだ。

俺が用意した奴より多いじゃねーか。


気を取り直して仕掛けを投げる。

ビュン!と音を立てて飛んでいき、岸から100メートルぐらいのところで着水した。

残りの二人も同じように投げるが、少女のものは60メートルほどしか飛ばない。

体格の違いだ。そう説明しても、少女はご機嫌ナナメだ。

3本とも三脚に置いて、鈴をつける。

5分ほどで鈴が鳴る。俺とアレクのだ。キスは小さい群れを作っているので近い場所に着水していた

俺らはほとんど同時にあたった。2匹ほどかかったのを確認してからあわせる。

ブルブルと震える。いい引きだ。しばらくするとキスが上がってきた。2匹だ。

隣をみると、アレクも2匹だった。お互いの顔を見て笑顔になる。

少女はさらに拗ねていたが、自分の竿の鈴がチリンチリンとなると顔を輝かせていた。

思考がずれたが、活きのいいうちに泳がせの仕掛けにつける。

泳がせは俺の竿でする。一度釣っただけで仕掛けを外すのももったいないが、今は魔闘魚優先だ。


俺とアレクが竿を投げたごろには、少女は大きく曲がる竿先を笑顔で見ながら仕掛けを回収していた。

少女のはカレイだった。道理で大きく曲がっていたわけだ。


日が沈んだが、その後も順調にアレクと少女は釣っていた。

俺はキスを何度が生きのいいものに交換しただけだ。

二人は総数で競争していて、アレクが15匹、少女が16匹だ。

僅差で少女が勝っているが、今アレクの竿にアタリがある。

キスならば数釣りで逆転できるだろう。キス釣りの誘惑に負けそうになったその時、竿が曲がった。

糸を出す。魔闘ヒラメならば今頃噛んだり吐き出したりしているはずだ。

少しして糸を張ってみたが...まだ食べているようだ。あわせたくなる気持ちを必死に抑える。

辛抱強く待って居ると、糸が出始めた。反転したようだ。竿を45度まで立てる。

すると、グググーという引きが伝わってくる。魔闘魚だからか、その引きは下手なヤズよりも大きい。

引きずりこまれそうになりながらも、同じペースでゆっくりと巻く。

少女とアレクが息をのんで見守っている。これはバラせないな。

心の中で苦笑していると、海の中から淡く光りながら、大きな魚体が近寄ってくる。

砂浜なので、そのままずり上げる。するとその姿があらわになった。

長さは80センチメートルほどあり、僅かに発光している。魚種はもちろんヒラメだ。

その全貌を1秒ほどかけて熟視してから、俺は勝利の雄たけびをあげる。


「獲ったどおぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉ!!!」


何事かと駆け寄ってきた周りの釣り人も、そのヒラメを見て息を飲む。

皆自分の仕掛けを放置して、すぐに場はお祭り騒ぎになる。


「「「「「わっしょい!わっしょい!」」」」」


単に魔闘魚が珍しいというのもあるだろうが、一番の理由はこれでヒラメが釣れるようになるのだ。

お祭り騒ぎの途中で少女とアレクに聞いてみたが、魔闘魚を釣った時はいつもこんな感じらしい。

前に釣れたブリの魔闘魚の時はパレードすら行われたらしい。

釣りはもういいだろう。後は血抜きをして捌こうか。






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