7話 決意(大したことない)
かなり短いです。
詰め所を出て、再び城下町を散策する。屋台でカキを焼いたものを買って食べたほか、
アクセサリー屋で貝で出来たイヤリングに少女が目を輝かせていたので、
金貨3枚と高かったが今日の分の<金の泉>を使用して購入した。
買ってもらえると思っていなかったのか少女は申し訳なさそうにしていたが、
金はあるから気にすんだと見栄を張ったら、見破られることなく満面の笑みを浮かべた。
毎回思うがこいつは絶対俺にロリコン属性を付与しようとしているよな。
それからは特に目ぼしいものはなく、帰路についた。
部屋に帰ったものの、昼食まで時間があるので
筋トレをする事にした。魔王を釣るときにも筋力とか持久力とか要りそうだしな。
筋トレと言っても、ダンベルがあるわけではないので、腕立て伏せや上体起こしをする。
俺は運動は下の中ぐらいしかないので、少ししただけで息も切れる。
20分ほどした後、10分休んで、メイドさんに許可を貰って城の周りを走った。
休憩をはさみつつ2時間ほど運動した。もうヘトヘトなので、竿を洗った場所で水をがぶ飲みする。
冷たい水が喉を潤していく。ふとここで、運動をするならば見ておいた方がよい存在を思い出した。
それはお腹だ。若干服を上げて確認してみると前より少し出ていた。
ちょっとつまめるようになってきているな。
理由はすぐにわかった。受験勉強で運動をしなかったからだ。
おのれ受験勉強め。すぐにシックスパックになってやるわ。
俺はそう決意した。
部屋に戻ろうとしたが、丁度食事の準備ができたようだ。メイドさんが俺を呼んでいる。
頷いて食堂に向かう。
今回のメインはキスのナンプラー焼きだ。香ばしい匂いが漂ってくる。
グルル、とお腹がなる。運動の後だ。体も何か欲しているのだろう。
食事はうまかった。やはり運動の後と人の金で食べるご飯は格が違うな。
部屋に帰って寝ようとすると、少女が話しかけてきた。
「あの、今日の夜ですけども、私も行きます!!パ...父上の許可も貰いました!!」
今晩のことは朝出る前に言ってある。行きたいと言ってきたので、
国王の許可があればいいと伝えてあった。
あの親バカに何も言わずにつれていったら何をされるか分からないからな。
まさに「後が怖い」ってやつだ。あとパパと言いかけたことには指摘する気も起きない。
「分かった。だが夜遅くまで釣るんだ。睡眠はよくとっておけ。俺は寝る」
「はい、分かりました!!」
素直でいいな。俺もこれぐらいの素直さが欲しいものだ。
部屋の前についた。別れを告げて中に入る。
ベットに寝転がる。取りあえず4時間ぐらい寝るか。
準備はそれからでも遅くないだろう。
時間で言うと1時ぐらいだったが、運動をしたためか、吸い込まれるように眠りにつけた。
はっ!目が覚めた。今はどれぐらいかと焦ったが、まだ日は沈んでいない。
<豪田釣具店>で餌や仕掛けなどを購入する。
そうこうしてしていると、部屋の扉がノックされた。
顔を出すと、アレクだった。少女もいる。
「「そろそろ時間だぞ(ですよー)」」
語尾こそ違うものの声がハモる。
「わかった、準備はできている。行くぞ!!」
「「おー!!」」
俺の掛け声に二人の声が続く。二人ともノリがいい。
このメンツならば魔闘魚も釣れるような気がしてくる。いや、違うな。絶対に釣ってやる!!
俺たちは釣り場に向けて足を踏み出した。