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47話 戦闘

雨凄いですね。

皆さんもお気をつけ下さい。


~ブルーハワイ視点~


「ボス、あちらから火の玉がっ!」


あの船の青年が防楯からのこのこ出てきて、血迷ったかと思えば火の玉が出てきやがった。...まさかあいつ、アレをオレ達に!?


「な、何なんだ!」

「野蛮人がこんな技術を、いや、ありえん」

「ど、どうする?」


オレたちは衝角を突き刺すために艦首をあちらに向けている・・・防げるッ!


「うろたえるなッ!『ゴォリー・カキ』の正面装甲ならばッ!」



ドッゴォォォォォォォォォンン




~庄司視点~


「シロップ野郎も爆沈したしぃ、早速近寄って拷問しようよぉ」


おい料理人。ストレートに拷問言うな。お話(物理)と言え。


「いや、ここは様子を見るべきだ。まだ戦える者がいるかも知れん」


ガリムが難色を示すが、


「いやー、僕は流石にあの爆発で生死はともかく戦える人はいないと思うよ」


アレクも料理人を後押しする。その他の大多数が賛成したこともあり、船に近寄って生き残りを救助し、生き残りを拷問...あっ間違えた、お話(物理)をして案内してもらおう。


まだ戦える敵がいた場合に備えて、全員が剣を持っている。料理人とかMが戦えるのかは疑問だが、ガリムによるとそこそこの訓練はしているので大丈夫だそうだ。


早速船を海賊船(だったもの)に横付けする。


...酷い状態だ。黒く炭化した木があちらこちらにプカプカ浮いている。人も数人は浮いているが、それにしても数が少ない。最初に飛んできた火矢の数より、圧倒的に...


サッ


微かな物音がした。ほぼ反射的に振り向く。



「突っ込めぇぇぇッ!」


何!?

何故だ、あの大爆発に耐えたというのか!?

驚き困惑している間にも海賊たちは次々に船に乗り込んでくる。ボール系はまだあと三つ使えるが近すぎて仲間を巻き込む可能性があるから使えない。


そうなると残された道は一つ!


「逃げろ、エリカッ!」


とっさに少女に逃げるように促し、腰に佩いていた細剣(レイピア)を抜き放つ。そして小さく「<身体強化>」と唱える。全身に力が(みなぎ)るのを感じながら、こちらに向かってくる海賊をキッと睨みつける。怯まず向かってくるそいつの喉元を狙って...


突くッ!



狙いよりやや右にずれたが、それでも強化された筋力と細剣(レイピア)の鋭さで喉元を貫通させ、即死とまではいかないが戦闘能力を奪った。そしてそいつの腹を思い切り蹴って細剣(レイピア)を抜き取る。


血を垂らしながらもがき苦しむ様子に激しい吐き気を催すが、すぐに別の海賊が襲ってきたので無理やり抑え込む。酷い不快感を感じるが、今はそれどころではない。


それからも、俺は迫りくる吐き気と海賊と内と外で戦った。一度直径3センチに満たない細剣(レイピア)を水平に構えたところにほぼ直角と同じ角度で剣を打ち込まれたが、そこは安心と信頼の魔闘魚製。見事に防ぎぎった。


最初こそ卸し易しと見たのか舐めた様子で散発的に襲い掛かって来ていたが、何人も倒したことで警戒したのか数人が俺を半包囲して隙を伺うのみとなった。


半包囲、というのは俺の後ろに少女が居て、その先には決して行かせまいと俺が衝撃波、時々醤油で牽制しているからだ。敵にはすでに顔面が潰れかけているのも居る。


少女が後ろにいるのは、逃げろと言ったもののこの狭い船では逃げられる場所はたかが知れているのであって、結果的に俺の後が一番安全、という事になってしまったからだ。


少女もただ守られているだけでなく、スキルを駆使して敵の動きを妨害している。


そして俺の周りでは、完全に闘いが膠着した。


ここに来てようやく、全体を俯瞰する余裕と言えないほどの余裕が生まれた。もちろん、ここで気を抜けば無数の刃が俺を襲ってくるだろう。返り血で真っ赤になったことで、人殺しと同等の吐き気、不快感を感じながら、そして周りを囲っている海賊を警戒しながら辺りを見渡す。


男性陣は、概ね大丈夫そうだ。アレクは普通に戦えるし、ガリムは脳筋だ。ヒャッハーはヒャッハーしてるし、Mも意外と戦えている。


問題なのは女性陣だ。クリスは5人ぐらいを一気にまとめて吹っ飛ばしているが、料理人は1対3の戦いを強いられていて、肩口に大きな傷を負っている。拷問とか言ったのが聞こえていて、敵が集まって来たのかもしれない。


今のままだとジリ貧だ。身体強化もあと1分程しか持たない。


料理人を助けたいのは山々だが、半包囲されているこの状況だとな...ボール系を使いたいところだが、間違って船に当たると、いくら強化しているとはいえあの海賊船と同じ末路を辿ることになるだろう。


...そうか、間違っても船に当たらないようにすればいいのだ。だが、船に当たらないようにすれば威力は期待できない。今使えるボール系は、ウォーター、ウィンド、アース...


「エリカ、目を塞げ!」


少女は驚いた顔をしたが、すぐにその通りにしてくれた。突然の大声に海賊が驚いている。今だッ!


「<アースボール>ッ!」


スキル<アースボール>を発動。ただし発射方向は上だ。


ドカァァァァァン!!


発射後すぐに爆発させる。予想通り、爆砕された土塊が砂嵐を引き起こした。


「うっ!」


襲い来る砂嵐に、海賊たちが怯む。半ば自暴自棄に突っ込んできた海賊の一人を突き刺し、料理人の方向へと走る。勿論、エリカも一緒だ。


道中爆発に気を取られていた海賊に衝撃波を飛ばして無力化。料理人のもとに駆け寄り、取り囲んでいた海賊を...突く!


まず一人を倒した。こちらに気を取られた一人を料理人が倒す。最後の一人は二人で挟撃して倒した。これでほっと一息。


「大丈夫か?」

「これでぇ、大丈夫な訳ぇないじゃん」


料理人は血まみれの肩を見せつけてくる。ちょ、今は頑張って吐き気をこらえているんだ。このタイミングでそれはないだろう。


「...だよな。エリカ、応急処置を頼む」


ここは少女に丸投げするに限る。


「ちょ、姫様、別に姫様の手を煩わせるほどでは」

「いいですから見せてください」


よし、あれだけ言えるなら暫くは大丈夫だろう。


「後は任せるわぁー」

「おう、任せとけ」


この辺りに敵はもういない。誰かのところに加勢しよう。そうだな、まずはアレクか。





俺と、周りにいた敵を吹っ飛ばしたクリスが加勢したことによって、海賊は少しずつ数を減らしていった。俺は身体強化が切れ途中でリタイヤしたが、残りはスムーズに倒せたようだ。



「こんなもんだな」


ガリムが辺りに散らばる死骸を見て言う。見ると、もう立っている海賊はいない。既にこと切れているか、横たわってうめいている者がほとんどだ。


「そんじゃあ、改めて海賊船でも見ていきますか」


皆が海賊船に向き直る。すると、海賊船の残骸から一人が立ち上がるのが見えた。


「オレの名はブルーハワイ!俺に向かってくる気概のあるやつはいるか!」








・・・シロップ野郎だった。







ゼルクートの正面装甲ならばっ!


宇宙戦艦ヤマトの星めぐる方舟です。

分かりましたか?笑


ヒーローは遅れてやってくる

Byシロップ野郎

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