クロマツ
帰省した田舎で生えている松を見て松根油と言う物を思い出しました。
松根油と言う物を聞いた事がある人は相当年輩の方か戦記描きの方かもしれません。
戦争末期、飛行機の燃料として使えると言う話で切り株になった松の根っこを掘り出して、そこから油を取り出し航空燃料に使おうとしたそうです。
「200本の松で航空機が1時間飛ぶことができる」
そんな触れ込みで人海戦術で掘り出して油を集めたそうですが、冷静に考えて見ればまったくコスパが悪い話だったのは言うまでも有りません。
数十年かけて育ったマツ1本で20秒くらいしか飛ばず、採集も手堀りで半日かけてようやく一つの松の根を掘り起こすような重労働だったそうです。
硫化モリブデンを触媒としてテルペン油を分解して、松の根から航空機用燃料を作るのは技術的に可能だったと文献には書いて有りましたが、しかしですよ。
穴を掘って湧き出す石油と人海戦術で掘る松の根っこを張り合うのは、ど~考えても無理なんじゃね?
その状況に追い込まれる事自体が既にお㍗る。
どうみても、デスフラグがバリバリ立ってる……。
事を始めるにしても技術的に可能=実用可能かどうかの判断を読み間違えるとエライ事になるとつくづく松根油の話を聞いて痛感です。
なろうの小説で斬新的な面白いアイデアと思って書き始めても作り始めて「こりゃ 読者受けしないなぁ」と中盤まで書き進めて後悔するように。
遥か先の完結を見据えて、その判断が出来る人が人気ランカーなのかもしれないですね。
戦後70年と言う事で太平洋戦争がらみのネタ最終話です。