あけび (みつばあけび)
秋の足音が聞こえる季節。
山には柿や栗などの様々な木の実がたわわに実るその中で異彩を放つ植物があります。
その名もあけび。
何が異彩かと言うと果実の形が独特なのです。
実が成る姿は見た目、〇玉、果実が開いたら………。(自己規制)の様な実が実ります。
――嗚呼卑猥。
しかし、味は別格。
種が多いですが、中の果肉はねっとりぐっちゃりしてその甘さたるや、下手な和菓子より甘いかもしれません。
春の新芽も美味しく頂け、そして皮さえもジックリ火を通せば苦いですが食べられます。
また実が風にそよぐ姿もまた風情があるものです。
そんなアケビを種から蒔いて育てようとするとエライ事になります。
種をまいて実を付けるまで十年近く……。
しかも、付ける実は最初は小さいと言うおまけつき。
そこで育てる時は、根伏せや接ぎ木と言う方法を取ります。
立派なアケビの根を山から掘り出して其のまま埋める、若しくは目的の品種の枝を接ぐ事で種から育てるより遥かに早く実を付けさせることが出来るのです。
目に見えない部分の根がしっかりしてないと実が成るも何もないようです。
小説を書く事も同じ感じがします。
しっかりした基礎の文章力、表現力が有ってこそ良い物が書けるのでしょう。
基礎が出来ないで無理矢理、実を成らせようとしてもロクな実が付きません。
しかし、最初はロクな実が付かなくても焦る事はありません。
種から蒔いた株も何れは大きな実を付けるようになるのですから。




