余計な一言から始まる新手のイジメ
ここは少女マンガの世界
転生者の数はそこそこ
いつものように、生徒会長の一条様に近寄る女に嫌がらせをし、階段から突き落とした時、一条様本人に運悪く出くわし、こう言われた
『やめろ!やるならオレに直接やれ!』
この一言に、私たちは胸を打たれた。
ーーそういえば、あまりイジメとか好きじゃなかったな。
ーーああ、なんで私たちはこんな回りくどい事をしていたんだろう!
ーー今日からは心を入れ替えて、この想いを全部、一条様にぶつけよう!
次の日の朝、一条の上靴の靴底がなくなっていた。
その日の昼、一条の筆箱の中身はシャーペンの芯二本だけになっていた。
その日の夕方、一条の靴と生徒手帳がなくなっていた。
その日の晩、一条が愛読している本のしおりがなくなっていた。
その次の日の朝、一条の新しい上靴は靴紐以外消失していた。
その日の昼、一条の筆箱はファスナーの部分以外消失していた。その上、弁当から嗅いだ事のある惚れ薬の匂いがした。
その日の夕方、一条が椅子にかけておいた上着がなくなっていた。
その日の晩、一条が愛読している本の一部が破かれていたり、ハートマークで読めなくなっていた。
その次の日の朝、一条の枕元に13通のラブレターがあった。ロッカーには上靴の代わりに24通のラブレターが入っていた。
その日の昼、一条が珍しく購買で買ったパンを食べている近くで、女子生徒が一条関連の薄い本の話をしているのを聞き、一条は早退した、靴がないので裸足で。
一ヶ月間学校を休み続け、一条は違う学校に転校していった。
一条は転生者。
言うべきセリフを間違えたせいで学校を追われるハメに………。