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ネグレクト族の日常  作者: ハイパーさん
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第1話「日常」

少年、廃田狂介は今日もオフトゥンの上でゴロゴロしていた。


「よく寝たなー!あ、もうこんな時間か、学校行かないと!」



ここは「ゆいまーる島」。

オーストラリア大陸付近にある島だ。一応言語は日本語を使っている。


「あ!ハイパーさん!おはようございます」



この人は田中さん。ゆいまーる島最大の都市「ざわざわシティ」の市長をしている。

ハイパーってのは僕の事なんだけど誰が最初に呼び始めたのかは知らないし、おそらくこれからもそれについて考えることはないだろう。

それから、この都市のお偉いさんであるこの人がなぜ高校生の僕にこんな敬語を使っているのかと言うと、、、

まぁそれについては学校に行ってから説明しよう!



「ハイパーさん……さっきから何1人でしゃべってるんですか…」


「えっ?あれ?心の声聴こえてました?」


「いや全然心の声じゃなかったんですけど」


「癖なんですよねー、あっ学校学校!」


「お気をつけてー!」






「ふぅー、なんとか間に合ったか…って!まだ15分前じゃねえか!うわー損したー!あと10分寝れたじゃん!あと10分オフトゥンにもふもふしたかったよぉ!!!!!」


…そこそこの音量でしゃべっていたので当然周りにも聞こえ、


「え?ちょっと何?あの人!!」

「あいつ廃田でしょ!気持ち悪ーい!」


「うっ……」

昔からの癖だ。自分の思ったことを気付くと口にしてしまっている。

無意識なものなので防ぎようがない。

うわーもう朝から最悪だ。早く彼女の1人や2人出来ないものか…いや2人いちゃダメか…いや待てよ、彼女が2人いてはいけないといつから錯覚していた?

…………僕は一体何の話をしているんだ。


さっきの女子生徒は逃げるように教室へと走っていき、先生方も僕とは関わりたくないからか、声をかけようとはして来ない。

気付けば、僕は学校で浮く存在となっていた。

「あー!もう全く最悪だぜ!」とラノベ主人公的なセリフを吐いた少年、廃田狂介はもうとっくに遅刻している事に気付かないまま、歩いて教室へと向かっていった。





「その様子だと完全に復活できたようだな」

1人の男がワインを片手に相席の女性に話しかけた。

「ええ、おかげさまでね」

これは、どこにでもいるような普通の恋人同士の会話ではない。

笑顔で言葉を交わしながらもどこか殺気を帯びている。





…ったく!この学校のシステムはどうなってんだ。いくら遅刻したからって一時間目の授業受けずに廊下掃除とか…罰の内容が古いんだよ!

大体、遅刻したのは誰のせいだよ!

…いや、それは僕のせいか。

まぁいいや、今日の給食はカレーだしそれまで我慢だな。


「廃田ー!! 終わったかー?」

「あっ!先生!終わりましたよー」

「何やってんだ?もう給食の時間だぞ?」

「は?いやいやwwwそんなはずは……ってもう12時じゃねえか!!僕は一体何時間掃除してたんだよ!」

教室を見るとすでにクラスメイトがカレーライスを頬張っている。

「マジか…」

「まぁまぁ、とりあえず教室戻れよ」

「はい…そうですね」


自慢じゃないけど給食の時間はいつも孤立している。

そして今日も給食中の会話はこのクラスの友人関係を司るリア充たちが独占していた。

「なぁー!今日カラオケ行こうぜ!」

「俺の歌聴かせてやるよwww」


…なんだこれ。新種のナンパか?

たしかカラオケって性的な事する施設だったよな?

あれ?違かったっけ?

つか、公共の場所で性的な誘いとかお前どこの阿◯さんだよ!

というセンスのあるツッコミを心の中でしつつ、僕はカレーライスを口へと運んだ。

そう…心の中でしたつもりだった。


「……………」

え?何この空気?何でみんな黙り始めた?

ま、まさか…!?


「…廃田。お前、後で屋上来い。」


「は、はい」





今日はほんと最悪だな、、もうなんか憑いてるレベルだろこれ。

まぁとりあえず5分前行動は大事だよな。


「って早!?」

「よぉー?廃田くーんww5分前行動かー?偉いねーwww」

「廃田、お前さっきはよくも恥をかかせてくれたな!覚悟は出来てるよな?あ?」

「ひ、ひぃ…い、いやー心の声のつもりだったんですけどねー^^」

「うるせー!!黙れ!!」


ボコッ!!


痛ってええええええええ!!!!!

うわー血出てんじゃん!やばいいいいいい


「ご、ご、ごめんなさい!!!僕が悪かったです!!」


グハッ!!


うぅ…もうやばいかも…


く、来るっ!?この感じ!

「ぐはああああああああ!!!!!」




目の前には、ボロボロになった2人のリア充。



「お前ら、、、俺を殴るとは、、、身の程知らずにも程があるな」


僕の日常はこんな感じで続いてゆくのだろう。




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