3話 最初から仕組まれていた
大きな賭けをしていた
負けた方は勝った方の言う事をなんでも聞く
僕は勝っても冗談で済ませるつもりだったが
ただ相手は
どうしても叶えたい望みがあるらしい
彼女は笑みを浮かべ手札を僕から引き
勝利宣言した
勝負は圧倒的だった
最初から僕の負けが決まってたような
力量差があり
彼女からすれば
僕の罰ゲームは確定事項だった
もはや賭けではなかった
すでにやらされることの準備をしていた
一か月も前から練られた計画
僕にそれをやらせるために
賭けに持ち込み勝利し計画を実行する
過去にミレイさんが言った
「私の下心の準備のために」
その意味を理解した
ひどく荒れた僕の髪の毛を
念入りにコーミングしてたのも
今なら肯けた
彼女が用意した物を見つめる
黒いキャップ帽
丈が半分ほどしかない
白い・・Tシャツなのか?
もう少しで下尻が見えそうな
黒いショートパンツ
サンダル
金のブレスレット
それらが二人分
・・・なんで二人分??
まるで十代後半の女の子に似合いそうな
ミレイ「着てみようか?」
信じられないような言葉が聞こえたが
空耳ではなかった
そう・・この女の子なら十分
考えつきそうなことだった
核心を聞き出すのに恐怖を感じたが
半ば諦めのような感情もあった
ヴィダ「・・・女装しろと?」
その問いに
うれしそうに「そのとおり」と答えた
それを身に着けた僕を見て
「女の子にしか見えない!」と
うれしそうに言う
僕の顔を覗く
ミレイ「女の子のような顔立ちしてるよね
髪の毛も綺麗になって腰まで伸びてるし
女装するしかないじゃない?」
・・・言葉を失った
彼女も そのファッションを身に着けた
あれ・・違和感がない
違和感どころか
とても よく似合う
十代後半の女の子が着そうな
ファッションなのに
ふとした疑問を思いつき
言葉にしようとしたら
ミレイ「貴方は女の子に何を聞こうとしているのか
わかっているのかな?」
・・・年齢を聞こうとしてたことを
わかっていたかのように悟り
先回りされて注意された
ヴィダ「もう満足しただろ?」
そう言い服を脱ごうとすると彼女は言う
ミレイ「なに言ってるの?」
悪魔的な笑みを浮かべ
うれしそうに彼女は言った
このまま街に出歩くから
ヴィダ「・・・え?」
照り付ける太陽
雲1つない青空
街は人で溢れている
お腹がスースーします
足が風通しが良いです
僕に関わった
すべての人 ごめんなさい
僕は いま
露出した女装して
街のメインストリートに居ます
回想
ヴィダ「女装して街に行くだって!?」
ミレイ「貴方なら それが可能だから
昔から夢だったの
女の子と一緒にペアコーデして
街を歩くの」
ヴィダ「・・・だったら女友達としろよ?」
ミレイ「もとい!
きれいな美しい女装した殿方と
恥ずかしい想いをさせて罵りながら
街を歩くのが夢だったのよ!」
ヴィダ「(・・・やばい性癖があった!)」
ミレイ「貴方となら それができる!」
ヴィダ「ふざけんな!
僕をなんだと思ってやがる!?」
ミレイ「負けた方は勝った方の言う事
なんでも聞くんだったよね?」
ヴィダ「罰ゲームにしては
重すぎるだろうがぁ!?」
ミレイ「・・・フ~ン
いつも誰に
お世話になっているのかな?
ヴィダ「・・・」
ミレイ「いつも誰に?」
ヴィダ「・・・わかりました
すればいいんですね」
回想 おわり
街の中心部
ミレイ「じゃあ貴方はヴィダって本名だから
女の子っぽくヴィヴィちゃんでいこっか」
ヴィヴィ「・・・楽しんでやがるな?」
ヴィヴィの腕を組んだミレイ
ヴィヴィ「おい?」
ミレイ「お堅い事 言わないで
楽しんでいこう?」
まさか こんなことになるなんて
本当に僕は女に見えているのか?
あれ 目の前に誰か寄ってきて
立ち止まって
・・・あれ・・声をかけられている?
ナンパA「俺達と遊びに行かない?」
ナンパB「おいしいパンケーキのある
店を知ってるんだ」
・・・え
ミレイ「わ~ぉ 私たちナンパされるなんて
ヴィヴィちゃんも うれしい?」
・・・ナンパされてるのか僕!?
ミレイ「ちなみに
どっち目当てで声をかけたんですか?」
ナンパB「俺は
そっちの女の子」
ナンパA「それ
本当に答えちゃいけないやつ!?」
・・・僕だって!?
ミレイ「・・・フ~ン
ヴィヴィちゃんの方が好みだったか~」
ナンパB「・・・あ」
ミレイ「また どこかで会えるといいね
さようなら~」
その場から離れる
地に両手を着き
落ち込むミレイ
ミレイ「・・・負けた
本物が(女の子)偽物に(女装した男)
・・・負けた」
ヴィヴィ「・・・そう言われても」
・・・負けたままじゃ居られない
ヴィヴィ「・・・え?」
ミレイ「このまま
またナンパされに行くよ!?」
ヴィヴィ「もう ごめんだって!!」
ミレイ「本物の意地があるのよ!?」
そのあと6人にナンパされたが
ミレイ「・・・引き分けだと
ヴィヴィちゃん3票
私が3票で引き分けだと」
ヴィヴィ「・・・正直に答える奴 多いな
僕は複雑なんだけど」
ミレイ「・・・いや・・最初のあいつ入れると
1票差で・・負けてる!!
ヴィヴィちゃん貴方やるわね
男のくせに
女の子として自信がついたんじゃないの!?
ヴィダ「・・・もう一度 言おう
複雑なんだが?」
ミレイ「・・・良い事 思い付いちゃった
ヴィヴィちゃん?今日って
私たちの行く
手話サークルの日だよね?
ヴィヴィ「・・・まさか?」
ミレイ「・・・
・・・このまま行こっか?




