生存競争は弾幕と共に
「スナイパーだ!隠れるぞ!」
俺は慌てて叫んだ。人影と反射光は間違いない。スナイパーだ。俺はすぐに近くの遮蔽物を探す。
しかしその時、ヒュンと小さく鋭い風切り音に続いて右耳から血飛沫が飛んだ。
「ワン!(玲!)」
あ
完全にやられた。反射的に地面に叩きつけられる。まずい、次弾までに隠れられるような遮蔽物がない。反撃しようにも20式は衝撃で遠くに吹き飛んだ。今使えるのはシグナルミラーかもう一発喰らうのを覚悟して拳銃を使うかの二択だ。
「クソッ、やるしかねえ!」
幸いにもさっきまで使っていておかげで太陽の位置はわかっている。俺はシグナルミラーで光を集めてスナイパーめがけて照射した。その直後、再び鋭い風切り音が聞こえた。しかし次弾は横に逸れたようだ。俺はすぐに拳銃を取り出して二発ほど射撃した。と同時に這いながらライの隠れた車に向かって這い進んだ。三発目はしばらく飛んでこない。(もう少しで車だ・・・)
「キャンキャン!(早くこっちに!)」
ライの焦る声が聞こえる。しかし、またも再び鋭い音と共に右足に激痛が走る。これまで受けたダメージの比じゃないほど痛い。直撃だ。右足が動かない。視界も見切れてきた。ライが慌ててこちらを助けにくるが、もう無駄だ。あのライフルなら連射が効く。もう一発頭にあたれば俺は終わりだ。死の恐怖が俺を包み込む。そして銃撃音がなり、俺は死を覚悟した。
(・・・?生きてる?)
ライがどうにか俺を車の影まで引きずってくれた。
「ワン!ワン!(起きて!起きて!動いてよ!」
ライが俺の右足を両足で必死に押さえながら叫けんだ。ライの足が暖かい。まだ俺は生きている。そう実感できた。
「・・・ありがとう。そのまま抑えててくれるか?」
「ワン!(わかった。)」
俺はキットから消毒液と包帯を取ろうとした。しかし思うように手を動かせない。まずい、どんどん意識がうすれていく。どうにか包帯を取り出して、きずぐちに巻こうとしたが、あまりうまくまけない。どんどん血が流れ出ていく。
「らい・・・ありがとう。」
「(諦めないで!起きてよ!)」
ライの鳴き声を聞きながらだんだん暗闇に落ちていく。何発か乾いた発砲音が聞こえる中、俺はそのまま意識を完全に失った。




