第7話 ギルド
途方に暮れた俺は、街中の冒険者ギルドに向かった。…冒険者ギルドがあって良かったと喜ぶべきか、なくて済む世界であって欲しかったと嘆くべきか。
どうか治安が良くあってくれます様にと念を込めながらドアを開く。
『お?どうした兄ちゃん?ここは兄ちゃんみたいなボンボンが来るとこじゃねえぞ。』
なんかもう凄いムキムキの厳ついオッサンに絡まれてしまった、これはもう駄目かも分からんね…とはいえ最低限の護衛が無いと野垂れ死ぬのは自分なのでおずおずと口を開いた。
『頼みたい事がある、で来たんですけど…』
依頼って何で言うか分かんねえ…多分これで伝わるはず。
『なんだ兄ちゃん依頼人かよ!ならあっちの受付だぜ。』
指を差してるって事は依頼はあっちの受付なのか、意外と親切な人で助かった…のか?
というわけでそれに従って受付に向かう。しかし依頼の相場も分からんのに大丈夫だろうか。一応レイカ兄さんが結構な金額を入れといてくれたから街1つの移動くらいなんとかなって欲しいのだけど。
『ようこそ冒険者ギルドへ、ご用件は何でしょう?』
さっきの人が依頼っぽい事を言ってたからそれを真似てみる。
『依頼人です。』
それを聞いた受付の人がちょっと硬直してたからなんか間違ってるっぽい。
『えっと、ご依頼ですね?』
あー若干違う…って事は『依頼人』はどういう意味だ?てか本当に依頼で合ってる?不安になってきた…
『はい…』
『そしたらこちらに依頼内容を記入して下さい。』
…おっと詰んだか?字は書けないんだが…