第2話 慈悲を貰う
「流石にこれはないなー。神サマに報告…は別に聞いてくれないだろうし…」
そう呟く声を聞いて、それまで呆然としてた俺はなんとか気を持ち直した。そもそも自分の人徳だかを数値化したものなんだ、よく考えれば当然だ。
「いや、気にしないでこれは俺が悪いんだから…」
「んーでも…そうだ、微力だけど私にできる手助けはさせて貰うね。」
…すごく申し訳ないけど、少しでも手助けは欲しいからありがたく頂くことにする。
「少しでも良い家に生まれられるように…と、後は…えっとじゃあ同じ名前になるように…とか?」
「ありがとう天使…様?」
「私は天使ちゃんでいいよー、それに大したことできなくてごめんねー。」
「いや十分ありがたいよ。」
「そしたらそろそろ次の世界に生まれるかな?時間的にもね。」
そう言われるとだんだんと視界がぼやけ、意識が遠のいでいってるような…
「君が生まれた先で幸せに生きる事を、私も願ってるよー。」
…目が覚めると眩い光でチカチカして見えない、まるでずっと暗い中で過ごしてきたかの様な感覚だ。
後ろから何か衝撃を受けて思わず息を吐く。思えば呼吸を忘れていたみたいで思わず酸欠から酸素を求めて口を開いた。
「あああー。」
『よかった!呼吸が止まった時はどうなることかと思いましたけど無事に呼吸も出来て…本当に…』
『ああ、元気な男の子だ、あの子の弟になるな。』
何を言ってるのかよく分からないけど、ぼやけた視界に写る何人かのうち、あの2人が自分の新しい両親であることが直感的にわかった。
その日本語ではない聞き取れない何かとぼやける視界から、俺は転生したという現実を少しずつ飲み込んでいった。
それから何年かして、俺は6歳になった。