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第0話 プロローグ

 今日も俺、碑創大賀(ひそう たいか)はぼんやりと講義を受けていた。本当はもっとちゃんと聞かないといけないとは思ってるんだけど、全然頭に入ってこない。とりあえず板書をと思っても間に合わず消されてしまう。


「はぁ…」


 講義が終わり虫食いだらけの役に立たないノートをしまいながらため息が漏れる。今日の講義はこれが最後なので俺は帰るのだった。






「ただいまー。」

「お、帰ってきた。エペやろうぜ!」

「ああ、いいぞ。」


 帰ってくるなり俺を流行りの銃ゲーに誘ってくるのが弟の碑創才賀(ひそう さいか)、Fラン大学落第スレスレの俺と違って偏差値70超の高校に通う秀才だ。


「おっし3縦、やっぱカジュアルはぬるいなぁ。」

「やっぱうまいなお前、ランクどこまでいったんだっけ?」

「今んとこマスター。」


「すげえなあ、俺まだプラチナにすらいけてないんだけど。」

「流石にやってればプラチナまではいくだろ、ほらじゃあ練習しようぜ。」


 才賀に誘われるまま小1時間ほど練習場に行くも、流石に疲れたので終わりにさせてもらう。


 それからも才賀はやり続けていた。正直練習ってしんどいだけどと俺は思うんだけど、才賀は楽しそうにやっている。


 課題をこなし、夕飯を食べて風呂入ってベッドに潜る。


 俺ももっと才賀みたいに…とはいかないでも人並みくらいできたらな。


 わかってる、できてる人はもっと努力していて俺が努力してないだけだって事は。何度もやる気がないとか努力してないって言われてきてそれはわかってるんだ。


 人の努力を才能なんて言葉で括るなって言うのも沢山聞いた。でもさ、努力できるのが才能じゃないんならできない俺はなんなんだ?どうすれば良いんだ?






 朝目が覚めて咄嗟に時刻を確認する、もうどう頑張っても遅刻確定だった。


 目覚ましはちゃんと何個もセットして睡眠時間もかなり余裕をもって寝たはずなのにこの様だ。


「本当になったのか?」


 あらためてアラームがセットされてるか確認するもちゃんとセットされている。もはや仕方ないのでしっかり準備を整えて家を出る。この前は早く出たのに財布忘れて結局遅刻だったしな。


 俺が家を出た直後に才賀が後ろから追い抜いてきた。少し急ぎ気味なのは結構ギリギリなのかな。


 そう思ったのも束の間、弟が渡り始めた交差点にトラックが突っ込んでくる。咄嗟に俺は全力で追いつき弟を押し出した。






 それがうまくいったのかわからないまま全身に強い衝撃をうけ、俺は意識を失った。











「はいはーい、いい加減目が覚めたかな?」

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