報酬
冒険者っぽい奴らがモンスターを討伐し、素材の確保だろうか。
美しく光るナイフを取り出し、解体作業が始まった
漁夫の利仕様にも、相手は5人いる
男3人、女2人だ
男たちがめっちゃ強そうで、女たちも戦闘力は俺よりも高いだろう
ここで俺は二つに作戦を考えた
“すみませんここどこですか、迷っちゃって作戦“ A作戦
”この女を殺されたくなかったら、素材の1/3を置いていけ作戦“ B作戦だ
うーん…
A作戦はここから助かる確率は飛躍的に上がるだろう、しかし何もしてない。ましてや見ず知らずの奴に素材を分けてはくれないだろう
だがB作戦はなぁ、俺に力があれば可能だが。今は現実的ではないな。
漁夫の利したかったが、この状況じゃどうしようも無い
A作戦を開始する
「あ、あのぉ…」
「誰!?」
慌てて武器を構える女性に、男が待ったをかけた
「人間じゃないか、君もこの洞窟に冒険に来てたのか?いや、だがその軽装で…」
早速怪しまれているが、この時の為の言い訳も用意してある
「それが、向こうで全ての装備を何者かに取られて慌てて逃げてきたんです。そしたら、ここについて…」
「何!?まさかまだ上級が残っているのか!!」
俺の言葉を聞いた彼らは、装備を持ってすぐに俺が指さした方向に向かおうとした。
「ま、待ってください!出口を見失ってしまって!!」
「大丈夫、そこのドラグーンが開けた穴からすぐのところよ!あなたも気をつけてね!」
「金だ金!!」
そう陽気に走り去っていく彼らを見て、予想外の状況を作り出せた。
ただ外に出れればよかったものがこんな千載一遇のチャンスに変わった
すぐさま、竜の身体を調べ始める
「アツゥイ!!」
死してなお。高温の竜に驚き手を離すが、なにか湯気のようなものが体内からでてきていた
「ん?」
なんとそこには女性らしき腕が一本現れたのだ
「な、まさか…喰われたのか…?」
俺がそう思うとますます本体があらわになってきた
白い髪が見え、うなじ、背中、太もも…
なんと全身が完全に残っている少女が中から出てきたのだ
驚きもしたが、先程の状況から。だいたい掴めてきた
こいつ(竜から出てきた奴)も含めここは俺のいたあの世界ではないということが、今確信に変わった
「はっ!」
先程の団体が戻ってきたら報酬を取られてしまう!!
まぁ厳密には俺が盗んでるんだが…いやそれよりもこいつだけでいい!最初の手柄だ!!!
俺は目に入った少女とそこら辺の鉱石をちょびっと拾い、すぐさま出口に走った!
「ふふっははははははは。漁夫の利最高⤴︎っFoo」
少女を担ぎながら、得た報酬に俺は喜んだ