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大手不動産会社社長との出会い。ー起業家、サラリーマンになるー

さて、もしいいと思ったらブックマークとかしてください。

初めて小説を書くのでお手柔らかに。

半分くらい実話です笑

私は大学生時代が一番のピークだった。


そう。あの時に()()()()()()()()()、、、、。


_____________________________


私の名前は山田太郎。


・・・・山田太郎。


嘘偽りない。私の本名。ありきたりであるが、私の本名だ。ありきたりすぎて嫌になることもあった。

それでも特筆いじめられることなどもなかった。


兵庫の田舎では神童と言われた。昔から意識をしていたわけではないが、そこまで努力しなくても他の人間よりも勉強も運動もできた。


高校に入り、アメリカに留学。そこで全米屈指の強豪校で野球もして帰国後には、独立リーグで1年ほど野球をやった。自慢ではないが、読切シャインズにスカウトされたこともある。ただ、野球で食えるほどの自信はなかった。

野球の傍に受験勉強をしていた。勉強は田舎ではできた方だが、全国トップレベルとなると話は別だ。

だから私は勉強をした。アメリカ留学のハンデもあったので、3教科に絞った。国立大学は厳しい。勉強が間に合わない。留学のおかげで英語の能力があったのと、元々数学が好きだったので、問題は世界史だったが。


努力の甲斐もあり、東京の名門の和瀬田大学に無事合格。


そこからは順風満帆に、、、、いや結局6年かかったが、

単位を取ることに集中し、いかに授業に出ずに単位を取ることを考えた。

おかげで大学は無事(?)卒業することができた。


(ん?学生時代授業に出ていなくって何をしていたかって??)


自分でビジネスをしていたんだ。と言っても全く大したことがない内容だったが、、、


学生を集めて企業に就職の斡旋やアルバイトの斡旋をしていただけで、特に面白い内容をやっていたわけでもない。ただのアルバイトの延長だ。

時給で働くより、自分で歩合の仕事をした方が効率が良い。ただそれだけのことだった。


ただ私は稼いでいた。月200万ほど。まあサラリーマンになる選択肢はなかった。

これだけ稼ぐと就職するのは馬鹿らしくなる。生活水準も上がってしまう。


しかし私はサラリーマンになったのだ。月収21万のサラリーマンに、、、、



___________________________


あれは確か寒いクリスマスイブの夜だった。クリスマスの銀座はお金を持っていそうな紳士風の男性がたくさんおり、いかにも上品そうな女性をエスコートしていた。


私は銀座にいた。


「山田くん、今日は忙しいのにごめんね。パーティーの人手が足りなくって!」


声をかけてきたのは、起業当初お世話になった広告代理店の社長(川西という男)だった。


「いえいえ、いつもお世話になっていますから。で今日は一体どんなパーティーなんですか?」


「今日は不動産の大手の社長の誕生日パーティー兼忘年会なんだ。山田くんにやってもらいたいのは、DJだ!

そういうチャラい感じの得意だろ?あと、最初にクロークが必要だから、そこも手伝ってよ!」


川西は馴れ馴れしくも僕をチャラいと言った。見た目は確かにそうだが、女性関係はピュアなのだ。

実はまだ女性と、、、うん。あ、恋人はいるが、まだ、、あ、それはどうでもいい話だったな。


「そうですね、川西さん、見た目が少しチャラいからって、DJて安直すぎますよ笑。」


「確かにそうだな!と言っても、ユーチューブで選曲して流してもらうだけだけどね。ははは。」


それをDJというのは流石に酷い。DJに対する冒涜だ。彼らは相当な努力をdkhdks¥おdpspsl・・・


「まあ、頼んだよ。その上場企業の社長がきた時はくれぐれも丁寧にな。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「このバッグとコートを頼む。」


そこに立っていたのは60を過ぎたくらいの背丈の小さな品のいいおじさんだった。


「はい。かしこまりました。こちらがお預かりの番号札になります。」


私はできる限りの丁寧をその場で表現した。


「おう。君は若いね。そういえば、常備薬の薬を忘れたんだ。買ってきてくれないか。」


「山田くん、すぐに買ってきてくれ!!神奈川社長様がそうおっしゃっている!」


慌てた様子の川西の姿が滑稽であった。やはり権力というか上場企業の社長というのはすごいものなのか。

私はそういう権力の構図を客観的に分析し、いつもは態度の大きな川西がペコペコしている姿のズレを非常に面白がった。あまりペコペコするのは好きではない。人に媚びるくらいなら死んだほうが、、、、、




「はい!任せてください!社長様のお役に立てるのであれば、なんでもさせていただきます。薬の種類を教えてください。10分以内に戻ってきます!!」


そこには権力に媚びる自分がいたのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おう!君はさっきの薬を買ってきてくれた若いのじゃないか。わしの横に座りたまえ。」


ほろ酔いの社長、神奈川は上機嫌に私を手招きした。


「はい!失礼させていただきます。山田と申します。よろしくお願いいたします。」


「君はここのウェイターなのか?ただ、スーツの種類が、他の人間とは違うのだが。」


「いいえ、私は川西さんにお世話になっていて、今回人手が足りないということだったので、お手伝いをさせていただいております。」


「おい、山田くん人手が足りないってことは内緒に、、、、」

川西が罰が悪そうにこちらの話に入ってくる。


「ははは、そんなことはいいんだよ。薬を走って買ってきてくれたのは本当に助かったよ。あれがないと本当にダメなんだよ。ところで君は何をしている人間なのかね。」


「はい。私は今和瀬田大学に通っている学生です。2年ほど前に起業して学生を集めて企業とのコラボイベントをしています。他にもベンチャー企業などにアルバイトや新卒の斡旋なども行なっています。まだまだ若輩者ですが、、、」


「おおう。それは面白いな。最近の若いのは骨がないのが多いと思っていたよ。しかもその見た目で和瀬田か。意外だな。実はわしも和瀬田OBなのだよ。」


そんなに私の見た目は問題なのか、、、


「本当ですか!!大先輩ですね!まだまだ未熟者なので、色々と教えてください!」


社交辞令を言い、元気のいい若者を演じた。なぜかって?そのほうが権力者に好かれそうだからwww


「おお、なんでもわしのことを頼りたまえ、それかわしの会社にくるか??」


「神奈川社長。冗談でもそうやって仰っていただいて嬉しいです。ただ一応自分の会社もありますので、、、」


と私は軽く話半分に流した。周りを見渡すと、社長に挨拶をしようと銀行の頭取や芸能人が列になって順番を待っていた。そう。私が待たせたのだ。この会の主役であり権力者の神奈川社長を独り占めにしていたのだ。

その時の高揚感は今でも忘れられない。そうこうしていると横から他の大人たちが話に入ってきた。


「いやー神奈川社長、前回のゴルフでは完敗でしたよ。私のlkjhsdけお↑っっldっs・・・・」


そうやって神奈川社長は他の人たちとの会話を始めたのだった。


_______________________________________

数日後。。。。



プルルルル。プルルル。

「はい。山田ですが。」


「おう山田くんか。川西だ。ところで先日のパーティーではありがとうな。本当に助かった。」


「いえいえ、いつもお世話になっているので、これくらいなんともありませんよ!こちらこそ面白い場に連れて行ってくださってありがとうございました。」


「いやそれはいいんだ。実は、神奈川社長が君のことを色々あの後聞いてきてな。君が海外留学をしていたことや野球でプロに声がかかった話などをしたら、えらく君のことを気に入っていたよ。なんでも彼は読切シャインズの大ファンだそうだ。」


「おお、それはよかったです。」


「でその件なのだが、神奈川社長が、君をあの神奈川グループの社長室に来てほしいと言ってきた。」


「あーそうなん、、、、えええええええええええええ・・・・・まじっすか!?」

驚きすぎて大学生の部分が出てしまった。それくらい驚いた。何にせよ、神奈川社長一代で売上高1兆5000億円を誇る超有名大手企業のカリスマ社長から直接声がかかった。

普通はありえない。周りの人間が有名企業の社長室に配属されようとするには何年、いやそもそも内定もらうとこから始めないとだよな。てかその企業の社長に好かれてたら、20代で取締役とか、経費使い放題とか、、、、と私山田太郎は煩悩を妄想し、詳しいことも聞かず二つ返事をしていた。


「はい。是非!」

まさか月収200万を稼いでいる私がサラリーマンになろうとは。まあ社長が直接引っ張ったんだ。給与も安くても月80万くらいもらえるだろうな。何しろ一代であの巨大企業を作った創業者だ。まあ他の新卒とかと条件が同じわけではないだろう。自営業で今後も200万が続くとは限らないしな。。


「フッフッフ。」


「山田くん今何かすごく不気味な声をしていたぞ。とにかく山田くんがいいってなったら、人事から連絡する段取りになってるから、私の顔を潰さないでくれよ。」


「川西さん、任せてくださいよ。フッフッフ。」


こうして私は神奈川グループに就職することになった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「山田くんこれが君との雇用契約書だ。」


私は勝ち誇ったような顔でその紙にサインした。給与は月額210万円。

まあ大手企業で私が月200万稼いでいたことも知っていて、(おそらく川西がしゃべったのだろう)このような破格の条件を出してきたのだろう。フッフッフ。


「いや。こんな若輩者の私にこのようなチャンスを与えてくれてありがとうございます。精一杯頑張らせていただきます。」


人事の腰の曲がった宝塚という男は嬉しそうに笑みをこぼした。社長から直接命令で面接などという命令がきていたのだ無理もない。


「いや。この条件で話を聞いてくれて本当によかったよ。これからもよろしく頼むよ。上場企業だから、あからさまな特別扱いはできないけど。本当にこれからの活躍を期待している。」


いや、あからさまな特別扱いだろ。210万だぞ。


「いえいえ、私でできることであれば、精一杯努力させていただきます。」


「うん。その声が聞けて安心したよ。給与面で不満だと思われるかと思ったから。学生起業家さんだもの。

私も社長に怒られずに済むよ。最初は新卒と同じだけど。絶対すぐに頭角を表すから!」


ん?何かおかしいぞ。新卒と同じ、特別扱いできない。ん?

ん?ん?ん?


雇用契約書を見直した。0が一個足りなかった。こんな大口叩いた後に撤回はできない。サインもした。

後には引けない。


そうして私は月収200万から21万円の肩書きがやたらと立派なエリートサラリーマンになったのであった。


続く


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