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S−1

ちょっと息抜きで、風紀の夏休みを見てあげてください。

ちょっとドジ? の風紀が見れます。


あ、洗濯機のことは、あまり知りません。



読んでもらえれば分かると思います。




夏休みが来た。


同窓会以降、俺と智也の関係は少し狭まった気がする。連絡をとりあったりするようにまでなったのだ。


だけど、直に会ってはいない。それはまだ、俺の心の準備が出来ていないからだ。


だって、俺はあいつのことをまだ信じられない。


今、俺には明日香がいる。


今度、あんなことがあったら俺は立ち直れない。もう、明日香を失いたくない。


なのに…


「おい、風紀」


なのに、なんで…


「おい、風紀!」


明日香が今、俺の隣にいないんだ…?


「風紀君、起きましたか?」


夏休みが始まって3日目、朝起きた俺の目の前には亮平がいる。


「……」


「……」


亮平は、仰向けに寝ている俺の上で馬乗りになって俺を見ていた。


なんとも気まずい。ここを明日香に見られたら、俺達は怪しい関係だと思われてしまうだろう。


しかし、今回はそんな心配もいらない。


「明日香が実家に帰っちまったら、寂しくなったな」


そう、亮平が言うように実家に帰っているのだ。


俺達は1年生のとき、そして去年と明日香の実家でバーベキューをした。しかし今年はなぜか、俺達は誘われなかった。明日香の話によると、お父さんが帰ってくるかららしい。


あんな可愛い娘がいるのだ。どんなお父さんだって、娘に溺愛するだろう。俺なら間違いなくなる。


そんな可愛い可愛い娘に、こんなけしからん彼氏が出来たと知ったら、俺ならば即刻ぶちのめすであろう。


うん…。


なんかリアルすぎて怖かった。


それにしても…


「亮平、なんでこんなところにいるんだ?」


「…そりゃぁ」


俺を見て顔を赤くする亮平。


「やめてくれ、俺にそんな趣味はないし、お前の冗談はある意味冗談に聞こえない」


俺は怖くなって、布団の中にもぐりこんだ。


「…まぁ、ちょっと風紀の様子が気になっただけだ。決して、明日香の部屋を覗こうなんて思ってないからな」


「思ってんのかよ!!」


部屋から出ようとする亮平を力ずくで止めた。そういやこいつ、根は女好きだったな。


「そんなことしねぇよ」


亮平は必死になっている俺を見て笑った。


「ばっ、本気にしちゃいねぇって!」


「まぁ、明日香がいなくて、風紀がしょ気てるんじゃないかって思っただけだ。思ったより大丈夫そうだな。んじゃ、俺帰るわ」


亮平は片手をちょいっとあげ出て行った。


そしてすぐ、ガチャリと聞こえる。その音は、玄関から聞こえてくるものではなかった。


「おい!」


「ちぇ」


明日香の部屋のドアを開けようとした亮平は悲しそうな目をして玄関から出て行った。


「…疲れた」


今の時刻、朝の9時。


夏休みという時期、俺はいつも明日香に起こされない時は12時ぐらいまで寝ている。勿体無いと思ったことは無い。


なんたって、睡眠こそが人間が生きていくために必要なことだからだ!


…まぁ、早く起きたことだし、洗濯物でもするか。


いつも明日香が使っている洗濯機へと向かい歩き始めた。


「……」


そして俺の思考は止まる。


今思えば、洗濯や、食事はほとんど明日香に任せっぱなしだった。洗濯物を干すぐらいはたまに手伝っていたが、洗濯機自体をいじったことはない。


「なんだこれは…」


第一に俺が迷ったのは、電源のつけかただった。


「これ…でいいのか?」


俺は右のほうにある「入・切」と書かれたボタンをポチッと押した。


「…水量?」


ピカピカ光り出したところには、そう書かれていた。


明日香がこの家にいなくなってはや2日。俺は一度も洗濯機に触っていなかった。


洗濯物も、洗濯機の中に入れっぱなし。


つまり、2日分の服や下着がこの中につまっているのだ。


「とりあえず、水量はMAXでいっか」


俺は一番多い水量を選択した。


次にピカピカと光り出して、選択を求めるのは洗いと書かれた文字。


「分数?」


何分洗えばいいかとか知るわけが無い。


とりあえず、俺の汗だ。それほど汚れていないから、とりあえず8分っと。


……?


そして、俺を一番悩ませたのはこの言葉だった。


「すすぎ?」


すすぎってなんだ?


「鈴木?」


それは苗字だよ!


「……」


なんか悲しくなったぞ。


「と、とりあえずだな、2回でいっか」


俺は1〜3までかかれた数字の中で、一番安全圏内と思われる数字「2」を選んだ。


人間、こういうときは真ん中をとるんだよねぇ。


そのあとに脱水と表示されたが、いっぱい絞ったほうがいいだろうという理由で、一番長い時間を選んだ。


「よし、スタートだ!!」


俺は声をあげ、ポチッとスタートボタンを押した。


すると、洗濯機特有の大きな音をあげて動き出した。


なんとなく、いつもの明日香の行動を見ている俺は、その場にある洗剤をスコップみたいな入れ物に一杯いれ、洗濯機の中へと放り込んだ。






「うあ…疲れた…」



明日香がいなくなって3日。


明日香の大変さが分かった。


いつも、あいつはこんな大変なことをしてくれていたんだな。


……。


帰ってきたら、ありがとうって言ってみるか。


うん、言ってやろう。












それから数十分後、カッチカチに固まった俺の服が洗濯機から出されたことは言うまでもない。




















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