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みなさん、こんにちは。

2009年改名しまして、盗鬼からTokiとなりました。

以前、Double Lifeの続きを削除してしまったことを、本当に申し訳なく思っています。

今度の『Double Life 〜After Story〜』は完結を目標としています。

学校や家のこともあって、以前のようにハイスピード更新とはいきませんが、出来るだけ更新できるように頑張って行きたいと思いますので、感想、そして評価のほうをお願いします。


では、挨拶はここまでにして、本編をお楽しみください。




風紀…。


風紀…!


ある日の朝、俺の耳に入ってくるその声は、俺の好きな人の声だ。


この声を俺は、2年間ずっと聞き続けている。こんな幸せなことがあっていいのだろうか。


「起きてよぉ」


その声がさっきよりも近づいてきたとき、俺の背中には冷や汗が流れた。そして、俺の冷や汗はお漏らし級にまでなることになる。


「お・き・て!」


ドスン。


寝ている体の上に、彼女は乗りかかってきたのだ。


「うぉっい!!」


バサッっと勢いのある音をたてて、俺はその場から飛び退いた。


「ちょ…お前、わ、わかって…」


俺はしどろもどろになりながら、目の前にいる彼女に言い放つ。


こいつは秋本 明日香。俺と同じ歳の女だ。学校で一番美人といわれている人でもある。何でそんな美女と一緒に暮らしているかって? 話せば長くなるが、短くまとめると


親のせいだ。


1年のとき、俺は男の子と一緒に住むと聞いて、このマンションにやってきたというのに、着いてみればこんな美人が俺を迎えてくれたというわけだ。


長々と語りたいところだが、今日のところは勘弁させてもらおう。


「へっへ〜!」


俺にベッドの上に座っている明日香は俺の顔を見て、勝ち誇った笑みを浮かべた。


普通、学校一美女に自分が寝ている上でまたがれたら、誰だって嬉しいに決まっている。だけど、俺は…!!


…あれ、そういえば言っていなかったよね。俺と明日香は一年生の時の文化祭以来、付き合っている。


あの明日香だぞ!? この何の取り柄もない俺が、あの明日香と付き合っているのだ。


これは世界の住民に自慢できることであろう。…絶対に、奇跡が起きたとしか言いようがない。


「だって、風紀が起きないんだもん」


むぅという顔をしているが、とにかく無視だ。この顔を見てしまったら、なんでも許してしまう気分になってしまうからな。


「じゃあ着替えるよ」


俺がそう言ったら、明日香はニマニマと可愛い笑顔を浮かべているだけ。


「明日香?」


「なぁにぃ?」


多分、俺がおきてくれたことに喜びを感じているのだろうが、明日香は多分気付いていない。このまま俺の部屋に居たら、大変な現場に遭遇することを。


「服…着替えたいんだけど?」


「うん!」


元気よく返事する明日香に俺は軽いため息をつき、服に手をかけて脱ぎ始めた。


まずは上半身、そしてズボンに手をかける。


「脱ぐよ?」


俺は一言明日香に了承の言葉を投げかけると、ゆっくりとズボンを下げていった。


ここまで行くと、さすがの明日香も気付き慌てて目を瞑る。


「ふ、風紀何してんの!?」


それはこっちのセリフだ…。


「だから、着替えるから部屋を?」


「わ、分かったからぁ!」


閉じた目は開こうとせずに、手探りでドアを探しているようだ。そこまで俺の体を見たくないのだろう。


軽く言葉で誘導してあげると、なんとか明日香はドアに手をかけることが出来た。


「ふぅ…」


俺はそんな可愛い明日香が大好きだ。


毎日、抱きしめてあげたい。


だけど、さっきも見たとおり俺のあの症状は、無くなることはなかった。








女に触られると体が拒絶する。


一部を除いては、女と普通に喋れない。








俺が明日香に告白をするときに抱きしめた以来、彼女をこの腕の中へ入れたことはなかった。


前よりか少しマシになったのだが、やはり体が拒絶してしまうのだろう。


キスにさえ、発展していない関係なのだ。


そんな俺達は、幸せに暮らしている。毎日、笑顔は絶やさない。たまに喧嘩をするけれど、数時間後には一緒に笑っていられる。


部屋で着替え終え、学校へ行く支度を済ませると、俺はリビングへと足を向けた。


そういえば言っていなかったが、俺達は高校生になってから早くも三度目の春を迎えた。


その季節は、進級することを示す季節でもある。


今日は、高校三年生になって初めて登校する日だ。


「明日香ぁ」


いつものように、明日香が美味しいご飯を作っていることを祈りつつ、俺はリビングへたどり着いた。


「よっ」


のんきに椅子に座りながら、明日香の手料理を頬張っている奴が居る。


よかった、天然な明日香のことだから、学校の時間を忘れて、まだのんきに作っているかと思っていたが…って、あれ?


「りょ、亮平!?」


「おう、亮平だ」


「なんでこんな朝早くに!?」


それに、明日香の料理を俺よりも早く食べやがって!


「ひひはろ? ほれとほまへのはかじゃはいか」


「食ってから喋れよ! 何言ってるのか分かんねぇって!」


俺の怒鳴り声のおかげか、亮平は一秒と経たずに口の中にあったものを飲み込んだ。


「いいだろ? 俺とお前の仲じゃないか」


「よ、よかねぇ!」


この朝は、俺と明日香の至福のときなんだ! 亮平なんかに邪魔されたくない。


「明日香からも何か言ってやってくれよ!」


「別にいいんじゃない?」


ニッコリ笑いながら、明日香は俺の分の朝食を机の上においた。


「お! 美味しそうじゃん! ありがとう…って、そこは俺の意見に賛同するところだろ!」


エヘへ、と可愛く笑う明日香を見たら、反抗する気をいっきに失った。というか、明日香に賛同を求めた俺が馬鹿だった。


人当たりのいい明日香のことだ、嫌とは絶対言わないだろう。


亮平、今日のところは許してやる。


…紹介が遅れた。さっきから俺の前でもくもくとご飯を食べているこいつは、俺の同級生で、幼馴染でもある清水 亮平だ。


俺と明日香が学校で所属している映画研究部の部長でもある。学校で一番カッコイイのではないかというぐらい顔がいい。そんでもって、こいつの一番の特徴は、学校一情報通だということだ。


こいつの情報に、一切嘘はない。俺が疑問に思っていることならば、なんだって答えてみせるのだ。


「風紀どうしたの? ご飯食べようよ」


俺が一人、亮平を睨んでいると明日香が俺の顔を覗き込んできた。やっぱり、可愛い。


「お、おう! 食べよう」


「うん!」


俺は明日香の美味しいご飯にありつくのであった。







そして、三人で学校に向かったのはいいけど…



「きゃぁ! あそこにいるの、亮平さんじゃない!?」


「お、朝から明日香先輩が見れた! 俺、今日ラッキーな一日になりそう!」



なんていうのが、周りから聞こえてくる。


俺の両隣にいる、この学校の人気者達は全くその事態に気付いていないが。


「そういえば、今年も一緒のクラスになれるかなぁ?」


「3年間、同じクラスっていうのは滅多にないらしいからな。どうだろ…」


そんな会話をしている俺と明日香を、亮平が笑って見ていた。


「なんだよ?」


「いや、別に」


なんか嫉妬心が沸いたとか言わない。


「お、見てみろよ」


クラスが張り出されている掲示板を見て、真っ先に声をあげたのは亮平だった。


「わぁ!! やった! 風紀ぃ!!」


今にも飛びつかれそうな勢いで、俺に笑顔を向けてきた。そんな分かりやすいリアクションをしたら、誰だってわかる。


「同じクラスだったのか」


「うん! すごいねぇ、3年連続同じクラス! しかも亮平君もだよ! やったぁ!!!」


そして、ドスンという効果音と共に、体に女の人独特の柔らかさを感じ取れた。


飛びつかれるとは思っていたが、このタイミングで来るとは思わなかったぞ。


「ちょ、ちょ!!」


俺が大声をあげてじたばたしていると“掲示板のほうにまだ目をやっている明日香の姿”があった。


…ん?


じゃあ、俺に抱きついているのは…


「やったぁ! 風紀ぃ、私も同じクラスだよぉ!!」


「お、、、まえは…」


そして俺の記憶は途切れたのであった。






















少しラブコメっぽく書くつもりです。

感動より、楽しさを重視していくつもりです。

とは言っても、私の実力で出せるかどうかは分かりませんが…。

これからもお付き合いのほどお願いします。






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