表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ひかり

作者: につき

やわらかなひかりたちは

沁みて照らす

最もちいさな片すみを

よる は 隠れて

あさ が 

瞳を開く

なにか は 沈み

なにか が 

浮かぶ

その境目に

アベンチュリンの 雨が ふった

さざれの みどりの 雨おとは

ビニールの傘に 跳ねて


ぱち

ぱち

かちり

ぱち

ぱち

ぱちり

ぱちぱち

ぱちぱちり

ぱちぱち

ぱちぱちり

ぱちぱちぱち

ぱちぱちぱちり


見る見るうちに

みどりの粒が

道いっぱいに溢れていった 

しゃら

しゃら

しゃらり

しゃら

しゃら

しゃらり

しゃらしゃらしゃら

しゃらしゃらしゃらり

しゃらしゃらりしゃらり

しゃらしゃらしゃらりしゃらり

しゃらしゃらしゃらりしゃらり


ざく

ざく

ざくり

ざく

ざく

ざくり

……っざくん!

黄色い長靴のおとこのこ

みずたまりへ飛び込んだ


はじめは何もなくて


ぱーん


つやつやした緑の粒たちは

まるで一気に散水したみたいに

弾けて空へ飛び散った

すっかり

空は緑色になって

そして

茜を思い出して

あさは

縞メノウみたいに

ゆっくりと

おとこのこの真上の一点から広がりはじめて

ほら もうラピスの藍はいなくなった

金の光が真っすぐだ


そのころ

渓谷の日陰で

誰も知らないまま

カーネリアンの花が咲いた

ひとつ

ふたつ

みっつ

よっつ

いつつ

あかちゃんのおててのつめみたいな

ちいさな花びらが五つ


朱光の花はまるく咲いたばかり

ほそい茎はネフライトの淡さ


ゆら


  ゆ ら


 ゆら あ り


ゆ ら


 ゆ らり


 ゆら

   ゆ らり


    

    ゆ ら ゆら


  ゆ ら あり


 ゆらり



あさの谷風が

乳色のすじを揺らしてる

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ