49.エサの頑張り
ジャンル設定あってますよね?
「さぁて、やるか」
修学旅行2日目。
少し早め、と言っても、修行する訳でもないので、何時もより遅い時間に起きた俺は、一人山の中へと入っていく。
朝早く起きたのには理由がある。
少々作りたい物があるのだ。その材料を集めるため、森へと入る。
作りたい物とは釣竿だ。
理由は言わずもがな、釣りをしたいからだ。
せっかく海に来たのだ。やらないわけにはいかないと、昨日寝る前に気が付いた。
もっと早くに気が付いていれば、王都で買ってきたのにと、一人愚痴ったものだ。
そんな訳で、俺は朝から山へと入った。
適当に辺りを物色しながら、使えそうな物だけ収納していく。
とりあえず今日は材料を集めるだけだ。
この後は、もう一度海の掃除をしなければならないからだ。
海は広くて雄大だ。
昨日、親父達が相当な数狩ったみたいだが、何処からか流れて来ていても不思議ではないからだ。
まぁ、俺の空間がある限り、魔物に襲われる心配もないだろうけど…
「材料はこれだけか。30本は作れるな」
集めた材料から作れそうな釣竿の数を計算した。もう少し欲しいところだが、そろそろ海掃除の時間だ。
また明日にしよう。
〜〜
「諸君、海の掃除のお時間だ」
「お前朝から元気だなぁ」
朝からふざける俺に、さっき叩き起こしたばかりのバジルが、欠伸をしながら言った。
まぁ俺はだいぶ前から起きているので、テンションが高めなのは仕方ない。
「とにかく、眠そうなバジルをエサにして、食い付いて来たところをやるって感じで行くから」
「待てコラッ!なんで俺がエサだ。オメェがやれ」
「バジルさん?」
「喜んでエサやらせて頂きます‼︎」
母さんの圧力により、バジルがエサを担当する事になった。
別にエサいらないんだけどな。
まぁ、本人がやる気なら、エサでいいか。
「じゃ、エサはこれ着て突っ込んで」
「……何だこれは…?」
「エサになれる変身道具。その名も『アザラシン』」
アザラシのコスプレだ。
むさいおっさんがこれを着ると中々シュールな絵になりそうだ。
「アザラシン?」
「ああ。それを着れば寄ってくるはずだ」
ホオジロザメとかが。
確かアザラシ好きなんだよな、あいつら?
人とアザラシ間違えるぐらいだし、アザラシンを着た人間ならまず間違いないはずだ。
この世界の海にいるのか知らないけど…
「……これでいいのか…?」
可愛いらしいアザラシのコスプレに身を包んだおっさん。
後ろから見ると可愛らしいアザラシ。しかし、前から見ると、顔だけおっさんのアザラシがそこにいた。
「ああ……ぷっ」
「おい!笑うんじゃねぇよ!俺だってなぁ!」
バジルは最後まで言わなかった。母さんがいる手前、言えなかったのだろう。
「ごめんななさいバジル、ぷっ」
「はっはっは、似合ってんぜバジル!」
「ぷっ」
みな俺と同じ感想のようだ。親父だけは隠す気など無いように、笑っている。
この場にハクがいれば、またアンナがめり込んだ事だろう。
「ぷっ、エサ、ぷふっ、出動だ、ぷふふっ」
「お前後で覚えてやがれ!」
「バジルさん?」
「後で褒めてやる‼︎」
バジルは逃げるようにして、海へと入っていった。
「さて、おかしなおっさん消えたから、みんなバラけて各自撃破して行こう」
アザラシンが海の中に消えたので、真面目に狩りを始めようか。
「エサは?」
「エサが倒すから問題ない」
「それもそうね」
海の方を見て聞いてきた母さんに、俺は問題ないと告げる。
あれはバジルが海に入る正装だ。
きっとバジルを見た魔物はエサに食い付いてくれるだろう。弱そうと…
しかし、中身はおっさん。返り討ちだ。完璧な作戦だ。抜かりはない。
「ちょっと待ってね。魔物みてみるから」
俺はそう言って、空間を海の中まで広げた。
ふむふむ、そんなに数はいないな。合計…35匹か。魔力量的に気を付けないといけない奴もいないな。全部B級以下だな。
……あれ?なんか動きが変だな?全部の魔物が一点を目指して移動してるな?何かあるのか?
俺は魔物の移動方向から、その一点を逆算し、そこを確認してみた。
すると、物凄く泳ぎにくそうなアザラシンがいた。
エサが物凄く仕事してくれたみたいだな。
「…俺たち仕事ないなぁ」
「魔物いなかったの?」
そう聞いてきたのは母さんだ。
魔物はいるけど、放っておいても、エサがやるからな。
俺たちが行くだけ無駄だろ。
「エサに全部食い付いた」
「あら、本当に食い付いたのね」
「と言うことで、俺たちはここで待機だね。強そうな奴もいなかったから、エサが帰ってくるまで待ってよう。濡れるの嫌だしね」
一応、魔物と戦うつもりだったので、みんな普通の服を着ている。
これで海に入ったら、乾かしたりと色々と面倒だ。
エサに任せよう。
そう考えていたら、水飛沫が上がった。どうやらエサに本格的に食い付いたみたいだ。
後は放置しておいたら終わりだな。
「昨日言ってた空間やる?」
「そうね。暇だものね」
「ああ、暇だ。やろう」
やる事がないので、昨日言っていたスキルを教えようかと提案する。二人ともそれに同意を示す。
何せ暇だからな。エサが戻ってくるまでは…
「私は一応見てますね。エサがヤバくなったら、助けに行きます」
「大丈夫だよ。エサに食い付いたのはB級以下しかいないから、エサだけで問題ないよ」
海の中だからと、エサがB級ごときにやられたりはしないだろ。
中身おっさんだからな。
「そう?じゃあ、私はワインでも飲んでようかな?」
「はい、どうぞ」
「ありがと♪」
ワインを飲むと言ったシャラ姐に俺はワインを取り出し渡した。
機嫌良さげにそれを受け取ると、魔法で椅子と机を作り、一人で飲み始めるシャラ姐。
今日はこれ以外やる事はないので、飲んでも問題ないのだ。俺のこの4人を確保した時の口説き文句は、初日以外楽勝の仕事しかない最高級のリゾートへ行きませんか?だ。
だから、仕事が終われば、後はリゾートを満喫してもらって構わない。金は余ってる俺が全部出すし、高待遇過ぎると言っていい待遇だ。
俺も何だかんだみんなにはお世話になっているので、恩返しの意味も込めて、誘った。
「さてと、空間のスキルだけど、これは魔力を広げる事で感知を行う技なんだ。だから、魔力を自分の周りに薄く広げるような感じでやると、習得出来る。ただ、その時の魔力の揺れみたいな物を感じないといけない。そこがみんな苦労する所だよ。母さん魔力感知は持ってる?」
「ええ」
「なら、たぶん問題ないよ。問題あった人もいたけど…」
「ふふ〜ん」
俺が誰とは言わなかったが、その問題あった人に視線を向けた。問題あった人は鼻歌を歌っていた。かなり上機嫌のようだ。
「…こうかしら?」
「もっと薄くして。あんまり濃いと揺れが分かりにくいから」
「これくらい?」
「うん、それくらい。親父、動いてみて。母さんはそれを感じて」
俺は側にいた親父に動いてくれと指示を出す。
すると親父は踊り始めた。よくわからない踊りだ。相手を混乱の状態異常にさせる踊りみたいだ。
一体何の踊りだこれは?
「…………」
「……わかったわ。けど、何これ?一体何の踊り?」
無言でその踊りを見ていた俺と、俺が教えた中では最速で空間を習得した母さんが感じた踊り。
俺と母さんはまた意見があったようだ。
本当に何の踊りだよ…
「世界樹からの帰りに寄った村の踊りだ。なんかよくわからん踊りだったんで、覚えてきた」
「なんでそういう事は覚えられるのよ…」
頭に手をあて呆れる母さん。
わかるよ、母さん。俺も同じ気持ちだ。
よくわからんと言ってる癖に、覚えてくる意味もわからん。
もっと違う事を覚えろよ。その脳みそに入る事は少ないんだから。
「あ、それ私も踊れますよ〜」
「お?踊ろうぜ!」
そうして踊り始める、ほろ酔いと馬鹿。
どっちが先に混乱状態になるかな?
そんな事を考えながら、子供を見る眼をしている母さんと並んで、観覧していた。
「おい、レイも踊ろうぜ!」
「えっ?俺も?」
「ほら、早く!」
俺もその訳のわからん踊りに参加しないといけないのか?
何故に?
そんな疑問と共に俺も混乱の舞を踊り始める。
こんな感じか?
「何やってんだ、ミュラ!お前も踊ろうぜ!」
「でしょうね…。言うと思ったわ」
そして、母さんも交え、朝の砂浜で謎の踊りを披露し始める俺たち。
やりながら、俺は思った。
なんでこんな事してるんだっけ?と。
おかしいな?
俺は母さんと親父に空間のスキルを教えていたはずだよな?
それが何故こんな事になったんだ?
俺は混乱の舞で混乱してしまっていた。
俺が一番始めに、混乱の状態異常にかかってしまったのだ。
次にその混乱の舞の犠牲者となったのはエサだ。
エサが魔物を狩り終え、帰ってくると、謎の踊りを踊り合う俺たちがいた。
それを見たエサには初めから混乱しかなかった。
ゴシゴシと眼を擦って見ても、頬をツネって見てもそれは変わらない。
やがて、エサは混乱の最中、自分も踊り始める。
そうして、5人で謎の踊りを踊り続けた俺たちだった。
〜〜
「何してるの…?」
「わからない」
昼になっても帰ってこない俺たちを心配して、クラスメイト達が探しにきた。
すると、浜辺で謎の踊りを披露する俺たちを見つけた。
「わからないって…じゃあ、どうして踊ってるのよ?」
「わからない。気が付いたら、こうなってた」
ホント気が付いたら、こうなってたんだ。理由はわからない。何故かこうなった。
「僕も踊る〜」
スクルトが母さんの近くで踊り始めた。
母さんはホッコリしていた。俺もホッコリだ。
「…………俺も踊ろうか」
ギルクが謎の踊りに引き込まれた。
何かギルクには魅力があったのかもしれない。面白担当として…
「なんか楽しそう」
ゴルドが嬉々として参加した。
クレイジーな彼は親父と同じ思考回路を持っていたようだ。
「ふっ、甘いわね。これが踊りよ!」
アンナが鼻で笑い、それから一人だけ違う踊りを始めた。
いっちゃ悪いが、自信有り気な割には大したことなかった。普通だ。普通が似合わないアンナが普通だ。
「ピッ」(笑)
ハクが笑いながら、これまた更に謎の踊りを始めた。
これは仕方ない。だって竜だから。多少違うのは仕方ない。
「これは入っとかないと、後でやられるパターンかな…?」
ライクッドが恐怖から踊りへと参戦した。
確かに一人だけ逃げたら、やってたな。実にいい判断だ。
この旅行で判断能力が上がったんじゃないか?
「わ、私頑張ります!」
気合を入れたリスリットが、リズム、ずれずれで参加した。
気合を入れたのは、リズム感がなかったからだろうか?
俺は逆に聞いてみたかった。この踊りでどうやってリズムをズラせるのかを。
リスリットはリズム感が壊滅的なようだ。
『妾も踊っておこうかの』
地響きを伴いながら、ウェアリーゼが参戦した。
島が沈まないか心配だ。震度5はあるぞ。これ以上、上がらない事を祈ろう。
『これは私も入った方が良いのかしら?』
ウランティーが三人以外、誰にも見えない踊りを始めた。
たぶんやらなくても、誰も言わなかっただろうに…
わざわざ自分から入って来るとは、ノリがいい…のかな?
「こ、これって私の番…?」
出番を感じ取ったシャルステナが、少し困った笑みを浮かべて、可愛らしく参戦した。
可愛いから逃げても許したのにな。
そうして、大規模になった踊りにクラスメイト達も参戦し、踊りは夜になるまで続いたのだった。
皆が踊り続ける中一際眼を引いたダンサーがいた。
それは可笑しな踊りなのに、どこか可愛らしさを滲み出すシャルステナ…ではなく、エサだ。
アザラシンを着たまま踊り続けたエサは、一際眼を引いた。
可愛らしいアザラシの顔がおっさんなのだ。眼を引かない訳がない。しかも、それが踊ってんだぜ?
何の儀式だ。
そう叫びたくなる、俺だった。
〜〜
儀式の次の日、全身筋肉痛になりながらも、俺は眼を覚ました。
「いててて。1日中踊ってたらこうなるよな…」
俺は筋肉痛に悩まされながらも、着替えて部屋を出た。
俺の部屋はいたって普通の部屋だ。
他の部屋は芸術的な仕上がりが多いが、俺は部屋まで芸術にしたくはなかったので、敢えて普通に作った。
そんな普通の部屋を出ると、そこはお城の渡り廊下のような景色が広がっている。
俺はコツコツと足音を立てながら、城の外に出る。
今日も材料集めだ。
それが終われば、今日は休憩がてら、釣竿でも作ろうかな?
今日はみんな筋肉痛で、激しい運動は出来ないだろうしな。
狩りはエサだけ行かせればいいから、昨日の続きでも教えるか。
その後は自由行動にして、ゆっくりさせてやろう。
俺もゆっくりしたいしな。
そんな事を考えながら、山の中を探索していると、少し開けた空間に出た。辺りが木々で覆われる中、その一角だけは木の一本も生えていない。代わりに人工的な石畳の合間から這い出る様に雑草が伸び、全体的な緑の景観を補助していた。
「何だここは…?」
だが、明らかに他とは異なる空間。俺は1人疑問を口にした。その疑問の答えを探すため、俺は石畳の上に歩を進める。長く伸びた雑草が、その歩を邪魔せんとするが、木々が生い茂っているところより、遥かにマシなのでその足が止まる事はなかった。
「どう見ても人工物だよな?てことは、ここには人がいた。もっと言えば、これが遺跡ってやつか…?」
俺はそんな推測を口にしながら、石畳に手で触れる。
硬いな。魔法で作ったのだとしたら、俺より上だな、これは。
手に伝わる石の感触から、そんな事を推測し、俺はもう一度辺りを見渡した。何か入り口みたいな物はないかと思い、探したのだが、辺りには何もなかった。
「これは単なる道かな?ちゃんとした物が何処かに残ってればいいけど…」
そんな事を口にしながら、来た道を引き返す。足取りは軽い。少し浮かれていた。
初めて遺跡らしき物を見つけたのだ。ワクワクしていた。
本当はこのまま探索を続けていたいが、そうも言っていられない。エサを海に放り投げなければならないのだ。なので、また後日探す事にしよう。
〜〜
「…という事でバジル。はい」
「何だこれは…?」
「バジル、エサになるツー。その名も『ミミズン』」
昨日と同じく、朝の砂浜にやって来た俺たち。その中で一際嫌そうな顔をしていたバジルに、俺は新作ミミズンを手渡した。
「…これで満足か?」
またまた顔だけおっさんのミミズが現れた。物凄くキモい。巨大ミミズの片方の頭だけが、おっさんの顔なのだ。キモい。ドン引きだ。
「うわぁ…」
「何だその感想は⁉︎テメェが着せたんだろ!」
「いや、ちょっと想像以上に……」
中々強烈な一品だなこれは…。
こんなのがいきなり現れたら、俺、炎風剣即解放するな…。
「おい、シャラも何か言ってやってくれ!」
ササッ
「…何で離れた?」
「ごめんなさい、無意識に…」
振り向いたエサにゾッとしたシャラ姐が、後ろに引いた。
「…バジル、お前キモいな」
「そんなストレートに言わんでくだせぇ!」
「早く海に行ってくださるバジルさん?」
「くそがァァァァ‼︎」
バジルは昨日と同じく逃げるようにして海に行って行った。
ストレートな親父と、近づくなオーラを出した母さんにトドメを刺されたらしい。
「キモいの消えたから、昨日の続きしよっか」
「踊るのか?」
「違うよ!それはもういいよ!…空間スキルの続きだよ」
「そぉいや、そんな事やってたなぁ。忘れてた」
まだ踊り足りないらしい親父。
俺はもう十分なので、ギルク辺り貸すから、そっちでやってほしい。
「ま、とにかくやろっか。っと、その前に…はい、シャラ姐」
「ありがと〜♪」
俺がワインを手渡すと、シャラ姐は1人その場を離れた。昨日と同じくエサの様子を見ながら、それで酒を飲むつもりらしい。
エサはあて扱いされているようだ。
「昨日も言ったけど、空間は薄い魔力を周りに張り巡らせて、その揺らぎを感じ取るスキルなんだ。だから、その薄い魔力を広げてやればやるほど、わかる範囲が広がってく。これが俺の見つけた使い方だよ」
「ほぉ、便利じゃねぇか」
「確かに便利ね。魔力消費も少なくて済むし…」
便利だけど、慣れないと中々難しい。初めの内は、小さな空間の中の動きを、ちゃんと感じ取るだけで、精一杯なのだ。
「まぁ、初めは狭い範囲で使って、慣れてから広げた方がいいよ。取り敢えず今日はエサの動きでも見てみてよ」
ついでにとエサの動きを見てもらう。
しっかり仕事してるか、確認してもらおう。
「…エサ、大人気ね。50匹ぐらいいるじゃないかしら」
「どれどれ。…31匹だね」
「凄いわね。瞬時に数までわかるのね」
「俺はこの上の空間検索ってスキル持ってるからね。ある程度の事なら、検索出来るんだ」
空間検索は主に二つに分けられる。
一つ目の手段は、空間内に存在する物や生物について、検索する方法。名前や場所、大きさなどがわかる。
仮に普通検索と名前をつけよう。
二つ目の手段は、特定の範囲内に存在する物や生物の数を数える検索だ。こちらは範囲と数える物の種類を指定しなければならない。
仮にこれを特定範囲検索と命名しよう。
これら二つの普通検索と特定範囲検索は、どちらにも同じ制限が存在する。
一つ目の制限は己が一度は見た事がある物であること。
コボルトリーダーと初めて会った時、俺はこいつは何だと検索にかけたが、引っかからなかった。それはこれが原因だ。
二つ目の制限は指で数えらる物である事だ。
例えば、水。これだけでは2つ目条件に引っかかり、検索する事が出来ない。しかし、コップに入った水とすると検索出来る。
最後に3つ目の制限。
固体中は検索不可能。
地中を検索出来た事は今までに一度もない。何故なら、土が邪魔で、揺らぎが感じ取れないからだ。そのため空間がしっかりと、発動してくれない。
すると、空間検索も使えなくなってしまう。だから、地中を検索する事が出来ないのだ。
もし、中で土を巻き込んで何か動いていたとしたら、感じ取れるだろうが、そうそうモグラなどいる訳もなく、今まで何度か試した事があったが、揺らぎを感じた事はなかった。
なので、魔力消費を抑えるため、普段、地中には魔力を撒いていない。
また、水中も地中と同じく、揺らぎがわからない。ただし、それは平たく言えば、流れがない時だけだ。
海や川のように流れさえあれば、揺らぎでわかる。ただし、空気中よりは遥かに分かりにくい。
しかし、水中の中で動く物があれば、流れが生まれ、揺らぎが大きく感じらる。そのため、慣れれば動きがほとんど地上と変わらずわかる。
今回、俺は海中を検索した。
海には流れがあり、さらに今はエサと魔物までいる。なので、地上と変わらず、検索出来たのだ。
それゆえ、瞬時に母さんの間違いを指摘する事が出来たのだ。
母さんが間違えたのは、水中の揺らぎを感じるのが、初めてだったからだろう。
魔物が生み出した揺らぎでない物まで、数に数えてしまったのだろう。この辺りは慣れだな。
基本、川や海の流れは一方向なので、魔物が生み出すような様々な向きの流れとは、違ってくる。
それがわかるようになれば、間違える事もなくなるだろう。母さんなら…
そんな事を考えながら、エサの奮闘を見守る俺たちだった。
「全然わかんねぇ」
親父を除いて…
次は土曜日更新!




