16.一年後期
9月1日
一年後期の授業が始まった。
俺は無事Aクラスに残ることができた。他の3人も無事残留が決定した。
シャルステナは総合1位で入学した時の地位を維持した。剣術1位、魔法2位、座学1位という素晴らしい成績だ。
ゴルドは剣術2位という好成績が幸いしたのか、総合6位という好成績を残した。これもひとえに俺のお陰だ。この調子でシャルステナの相手も頑張って欲しい。
アンナはまさかの3位入賞を果たした。
剣術3位、魔法5位、座学3位という謎の好成績だ。
変態のくせに。
異常認定され始めた俺とウサギであるシャルステナがいなければ、学年主席となっていたところだ。
あぶないところだった。変態が学年主席になっていたら、世間体が悪いどころの話じゃないからな。
俺?
ちゃっかり2位だよ。
剣術15位、魔法1位、座学1位、芸術1位という運動音痴の成績となっている。俺だけ芸術の成績があったのは、たぶん試験の時に芸術を作りあげたせいだろう。
他に並ぶ者などいるはずもなく、単独トップだ。
今期の授業は前期のものとなんら変わらない。
同じように剣術、座学、魔法の3つを学んでいく。
手を抜いて、寝て、鼻をへし折るだけだ。
〜〜〜〜〜〜
10月3日
今日は記念すべき日だ。
今日からゴルドにシャルステナの相手をさせることが決まった。
ゴルドはかなり上達しており、今ならシャルステナの8割ぐらいなら十分相手できるだろう。
長かった。4月の初めから今日まで半年、よく頑張ったものだ。俺もゴルドも。
「シャルステナ、今日から俺、剣術、ゴルドとチェンジするから」
朝、シャルステナが来た時に、前もって言っておこうと思い、ゴルドと変わることを伝えた。すると、シャルステナは悲しそうな顔をして、恐る恐ると言った感じで尋ねてきた。
「な、なんで…?も、もしかして私のこと嫌いに…」
「なんで嫌いになんだよ。お前、俺に何かしたか?」
「してないと思う……だ、だけど!レイにしたら…その、嫌なことがあったのかも……」
しどろもどろになりながらも、訳を聞いてくるシャルステナ。
「別に嫌いになんかなってないから。俺よりゴルドとやる方がシャルステナのためになるだろ?」
俺は考えてきた言い訳をシャルステナに伝える。
何もなしにペアを変えると言っても、シャルステナは了承してくれないと思ったのだ。
「わ、私はレイと模擬戦したい!」
珍しいこともあるものだ。
シャルステナはあんまり「〜したい」とは言ってこない。そのシャルステナがしたいと言ったことなら、聞いてはやりたいが、そういう訳にはいかない。
「けど、俺じゃ練習にならないだろ?その点ゴルドだったら問題ないって」
「そ、そんなことないっ。ちゃんと練習になってるよ」
意外と渋ってきたな。
シャルステナなら「うん、わかった」で了承してくれると思っていたのに。
予定が狂ったな。さて、どうしようか。
「れ、レイも私とやった方が、強くなるよ!ううん、強くして見せるから、だから…」
なんか俺に依存癖が出てきてないか?
依存されるのは構わないんだけど、これはあんまりいい傾向じゃなさそうだ。
ここは厳しくいこう。
「ならないよ」
俺はシャルステナの言葉を冷たく切り捨てた。
「……それは私が弱いから?それとも嫌いだから?」
シャルステナは今にも泣きそうな顔をしている。
初めはこんなことになるとは思いもしなかったが、シャルステナにとって、俺との模擬戦はとても大切に思っていたものなのかもしれない。
心が痛い。シャルステナを傷つけるつもりはなかったのに…
「……どっちも違うね。シャルステナは強いし、嫌いじゃない。俺はシャルステナにもっと強くなって欲しいから言ってるんだ。それに……」
「それに?」
嫌いじゃないと言ったあたりでシャルステナに少し元気が戻った。
初めての友達に嫌われたり、避けられたりするのが嫌だっただけかもしれない。
「かわいい女の子相手だと俺も本気出せないしな」
「‼︎」
俺がそう言うとシャルステナは顔を真っ赤にした。
こういうことを、面と向かって言われるのは、まだ恥ずかしい年頃なのだろう。
だけど、少し嬉しそうな顔をしているので安心した。これで彼女を傷つけることはなかったと思いたい。
「わ、わかった。ゴルドと模擬戦するわ」
「ああ、ありがとう」
シャルステナはなんとか納得してくれたようだ。
「けど、レイはどうするの?相手いるの?」
「ゴルドのペアだったアンナとやるつもりだ」
「えっ?けど、さっき女の子じゃ本気出せないって…」
確かにそうだ。どうしてもシャルステナみたいな女の子だと剣を当てるのを躊躇ってしまう。
これは俺が甘いのか、それとも男性共通の悩みなのか、それはわからない。
だけど……
「あいつは女じゃない。変態だ。本気出せないどころか、むしろ喜んでボコボコにするさ」
俺は嬉々としてそう言った。
「それはちょっとアンナがかわいそうだよ……」
シャルステナは同情の声を上げたが、俺はこの半年散々あいつに振り回されたんだ。
アニキのパンツに始まり、ストーカー、アニキの寝室に忍び込みアンナを届けたりと、迷惑をかけられまくっている。
いい加減この溜まりに溜まったものをあいつに返してやらねばならないのだ。
「自業自得だ。腕がなるぜ」
「キュイ!」
「ああ、任せとけ。お前の分もきっちりお返ししておいてやる」
俺の分も頼むぜアニキと言ってきたハク。
俺はそれを快く了承した。
ハクもあいつにはいろいろと迷惑をかけられていたからな。鬱憤が溜まっていたのだろう。
俺は珍しくやる気を出して授業に望むのだった。
そうして、剣術の授業が始まり、俺は予定通り変態との模擬戦を始めた。
初めはアンナに好きなようにやらせてやった。アンナは時々トリッキーな動きを入り交ぜながら、攻撃してきた。俺はそれをことごとく弾き返し、バランスが崩れたところで、腹に拳をぶち込んでやった。爽快感が拳から伝わってきた。
アンナが腹を手で押さえ、攻撃してこなくなったため、今度は俺から攻撃した。アンナはそれをなんとか剣で受け流そうとするが、遅い。
俺は剣の軌道を変えるとまた腹に攻撃してやった。今の俺の動きはいつもの倍ほど速い。
それから太もも、二頭筋と狙いを変えて倒れないようにいたぶってやった。
あーすっきりした。
アンナはもう涙目だ。体のあちこちが痛いだろう。
その様子は実に同情を誘うものだった。俺がやったんだが……
剣術3位が15位にボコボコにされているのは、思わず他の生徒達も動きを止めて見入っていた。
はっはっは、所詮総合3位なんて俺の敵じゃないのさ!
リナリー先生はどこか呆れた目で俺を見ていた。たぶん俺が手を抜いていたのが、わかっていたのだろう。
まぁまだ5割なんだけどね。
ゴルドは俺の5割程で鍛えてやったので、驚いてはいなかったが、アンナには同情していたようだった。お優しいことで。こんな変態ボコボコで十分だ。
一度くらい痛い目に合わせて、反省させておく方が今後のためなのだ。
シャルステナは初めはアンナに同情していたが、俺がちょっと本気を出した頃からまた感動していた。
彼女は友達が優秀だと嫉妬したり悔しがるより、感動してしまう性なのだろうか?
なんて、なんていい奴なんだ!
惜しい。好きな相手がいなければ俺が惚れていただろうに。
〜〜
10月30日
この世界には31日がない。
なので明日はハロウィンではない。
今日はいつもなら休みのはずの日曜日だ。
しかし、今日は学校がある。
なぜか。
それは今日が文化祭だからだ。
この学校での文化祭は皆かなり本気だ。
なぜかというと、文化祭で1位に選ばれたクラスには豪華賞品がついてくるからだ。
なんと普通に行くと一食20万ルトもする高級店だ。
そんな所に行くなんて貴族でもそうはないらしい。
なのでみんなこの時期は本気になって競い合う。
俺たちのクラスの出し物は紙でできた大きな城だ。リナリー先生がこれ以外許してくれなかったのだ。よっぽど俺のあげた城が気に入ったのだろう。
問題はそれが俺以外には作れないことだ。
これではクラスというより俺の出し物になってしまうことだ。
なので、俺は考えた。来る日も来る日も考えた。
そして……結局何も思いつかなかった。
せめてでもと、大量の紙とペイント用の筆と絵の具を買ってきてもらった。
それから俺は毎日、授業をほったらかし、作品を作っていった。
完成した紙でできた城は高さ15メートル、横幅30メートルの巨大なものになった。
これは講堂の入ってすぐの所に置かれてある。
この城の中は見ることができる。さすがに階段を登ったりはできないが、一階ならば自由に見ることができる。
これを作り上げだ俺は満足感とは別のものを感じていた。すなわち、やり過ぎたと。
これは大人気なかったとしか言えない。
他のクラスの子たちに申し訳ない。
この城はもちろん細部にまでこだわっている。
窓には薄紙を使い、中が透けるようにし、屋根にはハクを模った竜の置物が備えつけられている。
中に入ると、赤く塗られた紙が絨毯のようになっており、壁には俺がガチで書いた絵が飾られている。
触らなければ本当の城にしか見えない。
これは優勝以外あり得ないだろう。
これを見たクラスメイトたちの顔はみな同じだった。ポカンと口を開けて惚けてらっしゃった。
リナリー先生だけは感動して涙を流していたが……
文化祭が始まり、俺はいつもの面子と一緒に構内を回った。
なんとか喫茶とか、俺と同じく何らかの作品を展示するクラスなど、様々なものがあった。謎なのはクラス内で最強決定戦をやっていたクラスだった。
それは文化祭じゃないと思うのは俺の価値観が違うせいなのだろうか?
屋台をやっていたクラスもあった。
対抗意識の高さからか、どの屋台も学生が作ったものとは思えないほど美味かった。
特に俺はクリームと蜂蜜を中に入れたドーナツのようなものが気に入り、100個買った。
金が余ってるからな。
シャルステナが太るよなどと言ってきたが、そんなことはあり得ない。
生まれてこの方、俺は太ったことなんてないのだ。どんなに食べても消費しきれてしまう。
それに三分の一はハクの分だ。
これからしばらくは、これがハクの3時のおやつになることだろう。
俺は食べたい時に食べる。
文化祭が終わり、今年の優勝クラスが校長から発表された。どうやら年3回校長は仕事をするようだ。
優勝したクラスはもちろん俺のクラスだ。後日クラスメイトたち全員で料亭にお邪魔した。
料理は最高だった。母さんを超えているレベルだ。
本気を出した甲斐があるというものだ。
いつかまた来れるといいな。
自腹でも10回は来れる金があるのは内緒だ。
さすがにこれは奢れない。高すぎる。
〜〜
12月30日
今日で今年も終わりだ。
いつものメンバーは全員実家で年を越すため、俺はハクと二人きりの年越しを迎えた。
シャルステナとアンナは王都に家があるのだが、ゴルドは村の生まれなので、数日前に帰っていった。
1日2日で着く距離らしいので、年末年始の短い休みでも問題はないそうだ。
ハクと二人きりの年越しは何だか寂しいので、今年のことでも思い出して年越しをしようか。
この一年はなかなか濃かった気がする。ディクと本気で戦い、そして別れた。ディクは今頃どうしてるのだろうか?
ボッチを極めてないか心配だ。あいつは自重を知らないからな。
学院に入学したのも今年だ。
シャルステナとは本当に妙な出会い方だった。今思い返してみると、何だか笑けてくる。
勘違いから始まり、今では親友と呼べるような仲になっていると言っていいほど、あいつとは仲良くやれている。
人の関係っていうのはわからないものだ。
あの時はまさかこんなに仲の良い友達になるとは思ってもいなかった。むしろどうやって関わらないようにしようかと、頭を悩ませていた。
それもいい思い出だ。
友といえばゴルドもそうだ。
ゴルドとは夢が似ているということもありよく語り合う。ゴルドの話は冒険者が街を救ったなどの話が多い。
逆に俺は秘境や遺跡中心の話だ。
どちらも冒険者のことであるため、俺たち二人はこれで話が弾む。
アンナなどは俺たちがそういった話を始めると黙ってどっかに行く。興味がないみたいだ。
シャルステナは特に話には入ってこないが、楽しそうに聞いている。こういう所がアンナとは違う。将来はいい女になりそうだ。
アンナも一応友達だとは思っているが、何に巻き込まれるかわかったものでもないので、余りこちらからは関わりにはいかない。
一歩引いてる感じだ。
思い返してみると本当にいろいろなことがあった一年だった。
他にもいろいろあったな。
母さんの妊娠がわかったり、シェラ姐と再会して女のケンカに巻き込まれたり、文化祭で城を建てたりもしたな。
なんかいろいろと巻き込まれることが多かった一年だけど楽しかったな。
来年も楽しい年になるといいなぁ。
〜〜
定期テストの季節がやってきた。
ウサギ化計画が終了したことで、後期はゴルドに付きっ切りで教えたりはしていなかった。少し不安が残るが、泣き付いてきたりはして来なかったので、放置した。たぶん大丈夫なのだろう。
その代わりと言ってはなんだが、アンナは剣の腕前が物凄く上がった。俺の4割出した時と同等ぐらいになっている。
毎日ボコボコにした甲斐があったというものだ。
この頃は変態性が少しましになった気もする。前のように訳のわからないことに巻き込まれることが減った。普通の人へ進化して行っているようで何よりだ。
この調子でブラコンからも卒業して、普通の恋をしてくれたらいいのだが……
一年も付き合いがあれば、それなりにあいつの考えていることがわかってきた。
アンナの変態性はすべて、ブラコンからきているのだ。
兄と普通の恋はできないというのが、アンナはわかっていて、それでも諦めきれないから、なんとかしようとした結果があの行動だ。
たぶん、パンツの件もせめて兄の匂いがするものを持っていたいとか、そんな所からきていると俺は思っている。
普通の恋ができないからの変態行動。それがあいつの変態行動のすべてだ。
だから、ブラコンでなくなれば、あの変態行動は取らなくなると俺は見ている。
兄のことが絡まなければいい奴なのだ、あいつは。
この考えに至ってから、俺は彼女に少しだけ優しくなった。あんまり冷たくし過ぎるのも良くないと反省した。ボコボコにしすぎたと思ったのだ。
今の俺はアンナのお母さんだ。
暖かく見守り、時にはボコり、時には助けてあげよう。
まぁ小さい頃に将来はお父さんと結婚すると言っておいて、年頃になれば邪険にされるなどよくある話だ。
年をとるにつれて良くなることを願おう。
シャルステナはゴルドとの模擬戦で、着実に実力をつけているようだ。
やはり交代してよかった。
俺も日々のストレスを溜めることがなくなって、楽しい毎日を送れている。
魔法は相変わらず上手だ。もう3つ同時発動までできるようになったようだ。俺はまだ12個のままで、複数思考がなければ1つの差しかない。
このペースで行けば、追い抜かれるのも時間の問題かもしれない。
俺は相変わらずの毎日を送っている。いい加減俺も何か教えてもらいたいものだ。早く4年にならないかなぁ。
入学してから他に比べ、成長していない気がする。
そろそろ全体的なレベルアップがしたいものだ。
一応今のステはこんな感じだ。
名前:レイ
種族:人間(少年)
年齢:7歳
レベル:79
生命力:1215
筋力:824+100
体力:831+100
敏捷:884+170
耐久:672
器用:1352+400
知力:923+50
魔力:1861+240
通常スキル
「観察」レベル9:対象の状態を認識し易くなる
「遠見」レベル9:視力上昇
「百里眼」レベル9:視力が大きく上昇
「見切り」レベル9:動体視力上昇
「真眼」レベル9:動体視力大きく上昇
「夜眼」レベル6:暗い場所でも目が少し見える
「魔力操作」レベル9:自身の魔力を操作できる
「魔力感知」レベル9:周囲にある魔力を感知できる
「気配感知」レベル3:周囲の気配を察知しやすくなる
「身体制御」レベル9:バランスを崩しにくくなる
「身体強化」レベル9:一時的に肉体を強化する
「空中制御」レベル9:空中での体のバランスを保ちやすくなる
「計算」レベル9:知力上昇(中)
「忍び足」レベル9:足音を立てない
「気配遮断」レベル5:気配を隠す。探知されれば無意味
「俊足」レベル9:敏捷上昇(小)
「敏速」レベル9:敏捷上昇(中)
「高跳」レベル3:ジャンプ力が上がる
「空間」レベル9:自身を中心とした空間内の動きを把握できる
希少スキル
「空間探索」レベル9:スキル「空間」で知覚可能な生物の動きと空間内に存在するものの形を知ることができる
「固定空間」レベル9:数秒間、一定の大きさの空間を固定する
「反転空間」レベル8:数秒間、一定の大きさの空間に触れたもののベクトルを反転させる
「立体軌道」レベル4:自由自在、縦横無尽な動きができる。無理な体制からでも可能。筋力、体力、敏捷が上昇(大)
「魔力充填」レベル9:物質(生物を除く)に魔力を蓄積させることができる
「魔力重複」レベル5:魔力の重ね掛けができる
「芸術家」レベル3:器用が上昇(絶大)。人の心を動かす作品を作れる
「複数思考」レベル4:思考速度大幅上昇。同時に三つのことを考えることができる
「俳優」レベル4:演技力が大幅に上昇
「肉体強化」レベル3:身体能力を一時的に大きく上昇させる
魔法スキル
「火魔法Ⅲ」レベル6:魔力上昇(中)。火魔法の操作性と威力が上昇
「水魔法Ⅲ」レベル7:魔力上昇(中)。水魔法の操作性と威力が上昇
「風魔法Ⅲ」レベル6:魔力上昇(中)。風魔法の操作性と威力が上昇
「土魔法Ⅲ」レベル6:魔力上昇(中)。土魔法の操作性と威力が上昇
「空間魔法Ⅱ」レベル8魔力上昇(小)。空間魔法の操作性が上昇
「治癒魔法」レベル5:魔力上昇(極小)。治癒魔法の効果上昇
「光魔法」レベル3:魔力上昇(微小)。光魔法の操作性が上昇
武器スキル
「剣術」:自己流剣術[火剣<灼熱魔翔斬>、炎風剣<炎風斬>]
固有スキル
「経験蓄積」レベル7:過剰な経験を蓄積する。蓄積量が大きく増加。自動で発動。蓄積量497231
○¥°%#
称号:「@&☆$」「シエラ村のライバル」「怒れる魔女の忠犬」「ボッチ」「創世神の加護」「怠け者」
入学してから入手したスキルは気配感知、高跳、芸術家、複数思考、肉体強化、光魔法の6つだ。
多いように思えるが、それはたまたまだ。
たまたま入学前にその前のスキルが9手前だっただけで、レベル自体はそれほどあがっていない。
いつもと同じだ。
問題はせっかく学校に通っているのにということだ。
これでは学院にきた意味がない。
早く2年経ってくれないかな。
まぁ最近新しく手に入るスキルは非常に便利だし、良しとするか。これも創世神の力のお陰かな?
なかなか強力なスキルが増えてきている。
この頃、はまっているのが反転空間のスキルだ。
これは固定空間の逆だ。空間に触れたものを反転させ跳ね返すスキルだ。
非常に便利なのだが、作れる空間が小さい。
もっと大きければバリアとして使えるのだが……
それでも攻撃を反射させるというのは面白い。
それに、これは防御以外にも、いろいろと応用が利きそうだ。考えてみよう。
複数思考と魔力重複はいわばコンボだな。
合わせて使うと強い魔法がポンポン撃てる。非常に使い勝手がいい。川の大掃除もこれでやった。
一番使ってるのは気配遮断だろうか。逃げたい時とかによく役に立つ。
学院にきてから、気配を消すことが多くなった気がするのは、気のせいだと思いたい。俺は巻き込まれ体質なのかもな。入学してから、おかしな事に巻き込まれることが、多かった気がするのだ。
また不名誉な称号が増えた。
怠け者という称号だ。これに関しては俺が悪い。前のボッチとは違う。今年は少し働き者になろう。
まずはテストをちゃんと受けようか。
今回もAクラス残留を目標に頑張ってみよう。こういうところが、怠けているのかもしれないな。
まぁいいじゃか。頑張って嫌われたくはないしな。
座学のテストは相変わらず簡単だ。
今回はハクを作って贈呈しておいた。リナリー先生のコレクションが増えたようで何よりだ。
シャルステナの責めるような視線が突き刺さった。
剣術は15位目標に手を抜いた。
怒られるかなと思ったが、怒られることはなく、無言の直視があっただけだ。
今回俺の見た所、ゴルドとアンナが同着と言っていいほど、拮抗しているように見えた。
アンナにシャルステナの相手を任せてみるのもいいかもしれない。
最後の魔術のテストも芸術点がプラスされ、好成績を収めることができた。面白かったのはシャルステナが俺に芸術で挑んできたことだ。
いつものようにドヤ顔からの感動を見せてくれた。
テストが終わると冬休みだ。
実家に帰って、そろそろ生まれてくるであろう弟か妹の誕生に立ち会うとしよう。
前世では弟も妹もいなかったのでとても楽しみだ。
月曜ぐらいまで毎日更新出来そうです。
それ以降はまだ未定です。




