132.消えない想い
なんとか……書けたぜ……がくっ。
重っ苦しい沈黙が街を出てからずっと続いている。
聞こえるのは、僕に付き添ってくれる知り合い達の足音だけ。それが数日に及ぶ旅路なら、流石に誰か口をきいただろう。だけど、僅か数時間の移動の中で、重っ苦しい雰囲気を壊そうとする者はいなかった。
それが僕にとっては心地良く、自分の中の迷いを消すには丁度良かった。
もう一人の僕を想う彼女に突き動かされ、消滅する覚悟を決めた僕に、彼らとの会話など不要。決意が鈍るだけだ、と割り切る事が出来た。
僕は今、ルクセリアさん、シルビアさん、ルーシィの3人だけで旅をしている。みんな僕の護衛として付いてきてくれているのだ。馬車で過ごした同郷の二人は、他の勇者と共に街で待っている。グールという少年もまた、その二人と共に街に待機だ。
そんな僕たちが目指しているのは、アークティア近隣の村だ。
そこが僕の旅の収束地。きっとそこで彼女が待ってくれている。そう、僕は信じている。
街で聞いた話によると、この辺りに村はそこしかないそうだ。だから、そこがかつて僕が暮らしていた場所だと勝手に決めつけている。
筋の通らない話だとはわかっている。古代語を話す地域は他にもあり、きっとそこには同じように大きな街の近隣に村がある場所もあるだろう。
しかし、それでも今向かっている村がそうであると僕は確信していた。
何故、と問われると閉口するしかないが、ただ何となく彼女に近付いている、そんな感じがするんだ。
だから、僕は迷うことなく足を進める事が出来た。
そうやって会話もなく、歩き続けること数時間。
僕達は山に差し掛かった。
あの記録を見た限りでは、村は山と山に挟まれた土地にあったはずだ。やっぱりここで合ってる。何となくだが、懐かしい感じを覚える。
ーー君が僕を導いてくれてるのかい?
そう錯覚してしまうほどに、その山は正解であった。
鬱蒼と生い茂る茂みを越え、蔦の生えた木を潜り抜け進んだ先に、そいつはいた。
「イノブー……」
その呟きに答えるように、彼女の声が頭で響いた。
ーーイノブーなんて久しぶり。
……そうだね。本当に久しぶりだよ。この土地にしかいない動物と会うのは……
僕達に気付き逃げ去っていくイノブー。僕の目には薄っすらと涙で滲んでいた。
〜〜〜〜
ーーあれから何年経ったのだろう?
10年、20年の話じゃない。きっと何百という年月が流れたのだ。その間に、数え切れないほどの人が死に、当時からは想像ができないほどに技術が、文明が発達していく。それが、人の営みであり、何万、何億と繰り返されてきた世界の日常である。
それを今、僕は思い知った。僕は遅すぎたのだ、と。
探し求めた末に辿り着いた場所。そこには、僕が彼女と過ごした村の姿はもうなかった。
戦士長と戦った村の入り口からは、大きな木製の門が消え、畑となっている。代わりに作られた村の出入り口は、黒光りする強固な門へと様変わりし、僕とセルナが過ごした家は、新しく建て直され、全く知らない人が住んでいた。
すれ違う村人に知った顔はいない。村の戦士長は、若い男性だった。村長は、夢で見た記憶にない老人。
もう何もかもが違っていた。
それでも、何か残ってないかと目を彷徨わせる僕に、我慢ならないとルーシィは吠えた。
「ふざけないでください。こんな所にキッチックさんを救う術があるわけがないじゃないですかっ」
「………………」
僕は答えない。もう何を言おうが、後の祭り。
ここには……何もなかった。
せめて、何か彼女に繋がるものがある場所で、もう届かないとわかっていながら、懺悔したかった。
もう僕は、どう消えていいかもわからなかった。
「ルーシィ、落ち着いて。彼を信じるしかないと、話したでしょう?」
「けど、お姉様! キッチックさんがっ……」
ルーシィを宥めようとシルビアさんは彼女の手を引いたが、それにルーシィは抵抗を見せる。今にも僕に飛び掛からんとする勢いだ。
僕は、ただ口を噤んだ。殴られても仕方ないかなと、思った。結局、ここに来た意味などなかったのだ。
そんな風に思った時、また彼女の声が頭の中で響いた。
ーー私はここだよ、レイジ。
心に染み渡る声。安らぎと暖かさ、慈しみを含んだ優しい声は、スーと僕の中へ入ってきた。
もう諦めかけていた僕は、深く考える事なくその声につられて歩き出す。
セルナ……
と、突然背後から手を掴まれた。見れば、ルクセリアさんが、喜怒哀楽が曖昧な顔で僕を見ていた。
「……いいのか?」
ルクセリアさんは何が、かは言わなかった。だけども、その意味は僕にしっかりと伝わった。
「初めに言いました。彼を救うと」
「だが、君は一度もその手段を話そうとはしなかった。……もう一度聞く。いいのか?」
「……はい」
「……そうか」
彼の手がゆっくりと解かれる。何度か、その手に籠る力が増減し、戸惑いが手に伝わってくる。だが、彼は手を離す事を選び、僕はそれを笑って受け入れた。
「私は不器用でな。君にかける言葉が見つからない」
「……もう十分ですよ」
もう十分楽しい思いも、暖かな時間ももらった。それが借り物であったとしても、僕にとっては十分なものだった。
「……君と過ごした日々に偽りはなかった。私は、一人の友人として、君の選んだ道を素直に祝福は出来そうにない」
哀の表情が強くなり、彼の紡ぎだした言葉に重みが乗る。その重みはきちんと僕の心に加わった。
「ーーありがとう。その言葉だけで、僕はもう十分ですよ」
それを最後に、僕は一人で村の奥へ歩いていく。
ここまで付いて来てくれた3人は、その場で立ち尽くすだけであった。
そんな中、また頭の中で彼女の声が響く。
ーーレイジ、本当にいいの?
その僕の妄想か、幻想かが作り出した声に、僕は一筋の涙を零した。
「これが……僕の責任取り方なんだ」
ーーそう……なら、おいで。私を迎えに来て。私は村の奥にいるよ。
「……うん」
僕は涙を拭うと、村の奥を目指し歩き出した。
〜〜〜〜
山肌を吹き降ろす風。秋の寂しさを語るように、葉を散らす木々の合間を、切なげな音色を奏で吹き抜けていく。
風に揺れた木々の安らかな葉音に合わせ、紅葉した葉が踊る。風に乗せられ、乱れ踊る葉は空に運ばれて、麓へと舞い落ちる。
音もなく、まるで撫でるように落ちたその場所は、十字に交差した木像品が地面に突き立てられている場所であった。木像品の交差点。二本の丸木が組み合わせられた位置には、木を削り取った跡が残っている。
「……ないと思ってた」
僕は、一つの十字架……いや、お墓の前で立ち止まる。そこに彫られた文字は、教養がない僕には残念ながら読む事は叶わない。ただ、意味だけはわかる。
夢で見た僕とセルナの家の名札に刻まれていたのと同じ文字。それが彼女を示す文字である事は、わかっていた。
僕は彼女のお墓が作られている事に、少し驚いて、頬を緩めた。身寄りのない彼女のお墓を作ってくれる人が居たんだね。
「誰がしてくれたんだろうね。お礼、言いたかったよ」
瞳を閉じて、誰かもわからない人へ思う。
僕とセルナの絆を残してくれてありがとう、と。
「…………セルナ」
瞼を上げて、枯れ木のようにボロいお墓を視界に収めた。
この下で彼女が眠っているのだ。僕は優しく彼女を起こすように名前を呼んだ。
「……僕にはね、何も残っていなかったんだ」
声は小さく、風に掻き消されてしまいそうなほど弱い。それでも、彼女のお墓にはしっかりと届くように、言葉を絞り出す。
何もかもを奪われた僕は空っぽだったんだ、と。
「……だけど、それは僕の中にだけの話で、周りのみんなの中には僕が残ってたんだね」
それに気が付かせてくれた二人には感謝をしてもしきれない。僕の代わりに、僕がどんな人間であったかを覚えてくれてる。僕の事を忘れないでくれている。
それだけで、僕は救われたような気がしたんだ。
だから、ふと思ってしまったんだ。
「僕はそれが嬉しくて、頭の中では、ダメだとわかっていたのに……消えたくないと思ったよ。もう少しだけ、彼らといたいって」
僕は、あの馬車の中で、天秤にかけていた。彼を奪うか、自分が消滅するかを。
けど、それが決して逆転する事はなかった。
「けどね、楽しくて満ち足りているはずなのに、虚しくなるんだ。僕の心が、足りないって叫ぶんだ」
心が消滅以外の道を選ばせてはくれなかった。
「君がいない。彼がいない。僕の大切なものが、今の僕の周りにはないんだよ」
風と共に虚しさが吹き抜けた。
「わかってるんだ。それは僕の我儘で、どんなに願っても叶わない事だって。それに、知ってるんだ。彼らが、もう一人の僕の事をどんな気持ちで待ってるか。だから、今日ここで……僕は消えるよ。ようやく君の死と向き合う覚悟が出来た」
彼女のお陰だ。ここに立つ事が出来たのは。
彼女の思いが、言葉があったから、僕は覚悟を決める事が出来た。
そして、その覚悟を受け取ってくれた人がいた。引き止めようとしてくれた人がいた。その人は、僕を友と言ってくれた。
だから……
「やっとここに来れたよ、セルナ」
恐れる事なく、向かい合えた。
「ごめんね、セルナ。僕には、君と過ごした日々を思い出す事が出来ない。君のお墓の前に立っても、君の顔が思い出せない。何を話したかも思い出せない。君が覚えてくれていたとしても、僕は忘れてしまったよ……全て」
今、こうしてここに来れたのも、あの記録を見たから。それ以上でも、それ以下でもない。
あの記録にあったものでしか、僕は彼女の事を知らない。
「だからね、僕の感じている悲しみはきっと小さくて、理由のないものなんだ」
そうあるべきで、そうあるはずなのだ。
「だけどね……」
何もわからないはずなのに……
何も思い出せるわけでもないのに……
あの記録が頭から離れない。記録の中で見た彼女の死に様が、瞼に焼き付いたように離れない。
「…………辛いんだ。君の名前を聞くと……物凄く辛くて、苦しくて、涙が止まらないんだ。……おかしいよね、僕は君のこと何もわからないのに」
溜め込んだ思いが、水滴となって地面に落ちる。ポタポタと止まる事なく、目から頬を伝い、顎先から地面に埋まる彼女へ届けるように、涙が地面に染み込んでいく。
「ごめん、セルナ。助けられなくて、何も出来なくて、そして君を忘れてしまって……もう僕の声は届かないけれど……僕の自己満足だけど……君に、君のお墓の前で謝りたい」
何も出来なかった悔しさが、彼女を忘れてしまった悲しみが、懺悔という形で口から出ていく。それがたとえ自己満足の塊であったとしても、伝えずにはいられない。
「ごめんなさい」
スーと胸が空いていく。
たったこれだけの言葉を口にするのに、どれだけの月日をかけてしまったのだろう。長く長く、時間をかけてしまった。
けれど、やっと伝える事が出来た。
「この思いだけは絶対忘れないから……だから、僕とセルナの過ごした日々を、セルナは忘れないで。もう思い出せない僕の代わりに……」
グッと胸を握りしめ、彼女に誓う。それに対する返事はないけれど、きっと彼女は忘れないでいてくれる。
僕という人間がいた事を。
「さようなら、僕のもう一人の家族。あの日言えなかったけど……僕はきっと幸せだったよ」
最期にあの日見せられなかった最高の笑顔を君に。
僕は、彼女の墓の前で笑顔を作る。
「ありがとう、セルナ………」
最高の笑顔は、切なく、儚げで、涙に濡れていた。
もう一度君と笑い合いたかったよ。それはもう叶わないけれど、せめて僕が幸せだったと天国にいる君に伝わってくれる事を願い、僕はそっと目を閉じた。
セルナの死を受け入れられないが為に消えずに残っていた僕という存在は、その存在意義を失った。氷が溶けていくように、ゆるりとその存在の核は、大海に帰ろうとしていた。
今、僕もそっちに行くよ。
僕は大海に帰る事を恐れはしなかった。大事なものはちゃんとその大海に残していける。だから、恐れる事は何もなかった。
消えるのではなく、元に戻る。ただ、それだけの事なのだから。
ーー謝らないでいいんだよ。あなたの気持ちはもう十分伝わってるよ。
ツーと意図せず涙が流れ落ちる。
その涙は、もう2度と会えない悲しみからなのか、それとも、許しを貰えたからなのかは僕にはわからない。ただ……
ーー私はずっとあなたを見てきたから。一緒いたから。これからも、そう。だから、もういいんだよ。だって……
彼女の声に、薄れゆく意識が少しだけ、現実へと戻された。
「ピィーーーッ‼︎」
と、何処かで聞いた鳴き声が、僕を呼ぶ。ふと目を開けると、真っ直ぐにこちらに飛んで来る小さな黒い竜の姿が映る。
「ハク……?」
思わず呆気に取られ、疑うように瞬きをする。されど、その体は、声は消えずにそこにある。
「ピィピィ‼︎」
消えゆく僕を引き止めるように、僕の胸に飛び込むハク。その温もりが、彼の体を通して僕に伝わってくる。
ーー私達は家族だから。
消えゆく僕に、聞こえる声は小さくて、微かにしか聞こえない。だけど、確かにその存在を僕はすぐ傍に感じたんだ。
……そう、だったんだ。
僕達は、もうずっと前からーーーー
僕は小さな竜の頭に触れながら、もう残された時間は少ない事を悟る。
「ハク、もうすぐ君の親が帰ってくるよ」
「ピィ?」
不思議そうに小首を傾けたハクにニッコリと笑いかけると、僕は言葉を繋げる。
「もう一人の僕を頼んだよ」
「ピィ‼︎」
何を言われているかわからないだろうに、強く返事を返してくれたハクの頭を撫で、今度こそ僕は闇へ落ちた。
ーーよく頑張ったね。お疲れ様、レイジ。
優しい声に包まれて、僕の意識は大海の流れに落ちていった。
〜〜〜〜
流れ出していく。
少しずつ魂の息吹が小さくなっていく。
弱い欠片を隠すように集めた布が一枚ずつ剥がれていく。
布は、薄く、色も形も様々で、模様も違う。一枚一枚が、『俺』を形作る構成要素。剥がれる度に、『俺』が消えていく。
そして、全てが剥かれた時、歪な形の欠片が、露わになる。
侵食の魔の手が、迫り来る。その手が伸びる場所から、スーと差し伸ばされた救いの手。その手には、数え切れないほどの布が握られていた。
ーーこれは君のものだ。僕のじゃない。
俺は差し伸ばされた手を布と共に握りしめーーーー
「やぁ、もう一人の僕」
そこは境界線。別れた二つが交わる唯一の場所。
「いったい何が……」
覚醒した意識は、朧げな記憶に混乱を隠せない。曖昧な記憶と、不明瞭な意識の混濁が、俺を惑わせる。
「僕と君の境界線が、消えかけているんだよ。元に戻り始めてる」
「……つまり、俺たちは一つになる?」
一つの魂で別れてしまった人格が元に戻る。それはつまり……
「うん。けれど、核となれるのは、僕か君かのどちらかだけ。だから、僕はもう消えるよ」
どちらか一方の消滅。それを、もう一人の俺は、当然の如く選び取る。
……どうしてだ。
どうして、そんなに簡単に消える事を受け入れられる。
「何でだ! 消えなくてもいいだろ! このまま二人で共有し続ければいい!」
「ダメだよ。君の魂の崩壊は止まっていない。僕が消えなければ、君が消える。それはもう変えられない」
……違う。そうじゃない。
「けど、それはノルドの忠告を忘れていた俺が悪い。 俺の責任だ。だから、消えるなら俺が……」
俺は、俺が負うべき責任を、他の誰に背負わせたくなかった。しかし、それに被せる声は、それすらも否定する。
「僕の弱さが君を生んだ。だから、その責任は僕が取らなきゃ。君は、君を思ってくれる人のところへ戻ってあげて。沢山の人が君を待ってるから」
俺を待ってくれている人……シャルステナ……
けど……まだ帰れない。帰るわけにはいかない。まだ、答えを見つけていないんだ。
「……まだシャルの所へは戻れないんだ」
そんな聞き分けのない俺に、もう1人の俺は呆れたような表情を浮かべた。
「君はもうわかってるはずだよ。君にとっての自由は何だい? 自分の好き勝手する事かい? 世界を気ままに旅する事かい? 君がなりたかった自由な冒険者は一人でいるものだったのかい?」
他者を顧みず、自分の好き勝手に振る舞う自由。それは、自由ではなく自分勝手な行いである事を彼女が教えてくれた。
世界を気ままに旅する自由な冒険者。俺が憧れた誰にも縛られない自由は確かにそこにある。
けれど、そこには旅を共にする仲間や、その先で出会う人との関係があった。
たった1人の自由。それは、ただの孤独だ。
「違うよね。君は僕だから、僕は君が何になりたかったのか知ってる。無理に言葉にしようとしなくていい。無理に答えを見つけようとしなくていい。何が君にとっての自由なのか、それはもう君の中にある」
胸に伸ばされた手が俺の中に溶け込むように中へ。そして、俺の心を掴む。
「これが君の自由だ」
それは強い憧れ。その思いを、その手は強く握りしめた。
俺はその思いを掴む手をグッと掴み返す。
「…………本当にいいのかよ? お前はセルナの……」
「もう、それは済んだよ。セルナは、僕達をずっと見守ってくれていた。僕と君は、どちらも彼女の家族だ。だから、この想いは君が受け継いで、生きて欲しい。それがある限り僕は君の中であり続ける」
掴んだ腕が薄れていく。
「悲しみで止まってはいけないよ。後悔を続けて歩く事をやめたらいけないよ」
俺に入り込んだ腕から、もう一人の俺が流れ込んでくる。
「前に進み続けるんだ。セルナはそれを望んでる」
それは彼が掴み取った思いへ、一層強く流れ込み、その全てを俺の心に深く刻み付ける。
「もう、奪わせてはいけないよ」
「……ああ!」
その言葉を最期に、境界が消える。
それに合わせて、もう一人の俺が、想いを残し消え去った。
俺以外誰も存在しない世界へと、有り様を変えた世界。
そこで、俺は掴まれた想いを、流れ込んだ想いを、両手で大切に握り締める。
「……ありがとう」
それ以外、言葉も気持ちも浮かばなかった。
異夢世界を読んで頂きありがとうございます。
これでひとまず一区切り。というわけで、1話だけ番外編挟みます。もう覚えている方はいないと思いますが、書いたはいいけど、諸事情により行き場をなくした可哀想なお話第二弾。裏設定と若干のネタバレで構成されたお話です。読むか、読まないかは、あなた次第。




