1.プロローグ
──俺の日常は酷くつまらない。
朝起きて、一人で朝食を取り、学校に行く。学校では、好きなラノベやマンガを読んで時間を潰し、放課後はバイトに勤しむ日々のルーティーン。
ただ悪戯に時だけが過ぎていく。数少ないというか、唯一の友人と遊ぶ事はあっても、心の底からそれを楽しむ事は出来ず、ただの暇潰しにしかならない。
唯一俺が満たされるのは、別世界の話に浸っている時だけ。だから、俺は人の創作物が好きだった。他人の頭の中の世界は、心地良く、酷く落ち着いた。
それはたぶん俺が他とは少し違うから。けど、探せば俺と同じ事が出来る奴はそれなりにいるだろう。珍しいけど、全く聞いた事がないというわけではない。この情報化社会であれば、耳にしたり、目にしたりする機会はあると思う。
俺と他人の相違点。
それは、明晰夢を見る事が出来る事。
たったそれだけの能力だが、俺の現実を否定するには十分なものだった。
──日向嶺自。
それが俺の名前だ。歳は16。近くの高校に通っている。親は中学2年の時に事故で死んだ。俺だけがこの世界に残された。
両親の死後、遺産目的で俺を引き取った親戚の家から逃げるため、今は高校が近いからという理由で、両親と過ごした街で一人暮らしをしている。
そんな俺の楽しみは、夢を見る事だ。
夢の中はまるで異世界のように魔法が使え、魔物や獣人がいる。見た事もない動植物が溢れ、知らない物が沢山ある。
それに対する好奇心が俺を満たしてくれる。
とても俺の脳が作り出したとは思えない程に、そこには生き生きとした人々の生活があり、体系化されている。
俺はそんな夢の中の世界が好きだった。夢だからと決して自分の思い通りになるわけでもなく、だけど現実では出来ない事が出来るそんな場所。
俺はいつからか現実ではなく、そこで生きていた。
そこが自分の世界だと認識していた。
だからか、現実にいると吐き気がする。何故、俺はこんな世界に縛られているんだ、と。
ここは窮屈で自由がない。
やたらと細かい法律。自分の才能に左右される人生。
俺はもっと自由に生きたかった。家族も友達も恋人もいらない。ただ、一人で自由に、そして縛られる事なく生きていたかった。それが叶う場所が俺にはあった。
だから、俺は、現実が嫌いだ。
叶う事なら、夢の中だけで生きたい。そう常々思っていた。
けれども、夢をみる為には現実は必須事項。嫌でも生きていくしかなかった。
夢を見るために食事をし、日々の生活のために働き、夢を見続ける為に将来を考え、いい仕事に就く為に勉強する。
それが現実での俺の生き方。
惰性で生きているようなものだ。別にしたい事があるわけでも、生きたくて現実を生きているわけではない。
仕方なく、だ。
仕方なく食事をし、仕方なく働き、仕方なく、勉強する。
そんな現実の何が楽しい?
やはり夢はいい。不思議なものとの出会いが、苦労の多い生活が、魔物との血の滲む死闘が、俺に生きているという実感を与えてくれる。夢なのにだ。
おかしな話だというのも、俺の考えがズレているのはわかってる。だけど、俺にとって現実は、何もない鳥籠のような場所だったんだ。
だから、俺は夢にのめり込んだ。
夢の中こそが、俺にとっての本当の現実だったから。
〜〜〜〜
キーンコーンカーンコーン……
今日もようやく学校が終わる。そう思っているのは、何も俺だけではないだろう。後は、皿洗いの労働をクリアすれば、楽しい夢が待っている。
俺は、今日の授業で使った教科書類をカバンに仕舞うと、バイトへ向かうため立ち上がった。すると……
「おい、嶺自、待てって!」
名前を呼ばれれば振り向く。そんな当たり前の事が、面倒でうざったらしい。
「……何だ、春樹?」
帰ろうとする俺を呼び止めてきたのは、久城春樹という黒髪の同級生だった。何故か俺にやたらと絡んでくるうざい奴だ。誤解のないように言っておくと、俺はこいつにいじめられているとか、そんな事実はない。
むしろ真逆で、基本的にこの世界の人間と関わろうとしない俺に、しつこく関わろうとしてくるタイプの人間だ。
「何だって……今日、帰りにカラオケ行く約束だっただろ? 先に帰ろうとすんなよ」
こんな風に春樹はよく遊びに誘ってくる。正直言って、俺にとっては迷惑なのだが、毎度毎度逃れるための口実を作るのも大変だ。今日は別だが。
「今日はバイトになった。12月は忙しいんだ」
「えっ、またかよ……でも、忘年会シーズンだから仕方ねぇか。けど、埋め合わせはしてもらうからな」
「しねぇよ」
「何でだよ! そこはもうちょい、親友の俺に気を使ってだな……」
勝手に人の親友を騙るな。
「……もう時間だから行くわ」
「あっ、おい! 埋め合わせは忘れるなよ、嶺自!」
早くも耐えられなくなった俺は、時間を言い訳にしその場を離れた。春樹の面倒な誘いは無視して。
しかし、基本的に誰とでも仲がいい春樹に対して、何度も不義理をかます俺に向けられるクラスメイトからの視線は、冷たい。
絶対零度の軽蔑の視線が、教室の後ろを通る俺に向けられていた。
だが、それでいいと俺は思っている。
俺には、お前らと関わる気なんてこれっぽっちもないのだから。
むしろ春樹のような面倒な奴より、俺にとってはよほど好印象を抱けた。
俺は結局春樹に一度も振り返る事なく教室を出た。
廊下に出てすぐ教室のドアの前で、不意に甘い香りが俺の鼻腔を掠めた。その匂いに顔を横に向けると、青のブレザーの制服を身に付けた白い髪の少女が立っていた。
その透き通るような肌と、端正な顔立ちの顔は、とても日本人とは思えない。
だが、彼女はれっきとした日本人で、如月結衣という。春樹の幼馴染に当たる少女だ。
ただ、性格はいくばかりかキツイ。いつも険しい顔をしている。今も、睨みつけるような鋭い目で俺を睨んでいた。
「何か用か、如月?」
流石にこの至近距離で、睨まれて無視というわけにはいかない。そもそも俺の帰り道に立たれては、無言の通せん坊をされているようなものだ。春樹に対する俺の態度で生まれた彼女の鬱憤を聞いてやらねばならない。
そう、諦めて言葉を待っていたのだが、彼女は視線を僅かに逸らすと。
「……何でもないわ。ごめんなさい、邪魔したわ」
「いや、別に……」
そう言って道を譲った。
少し言葉を出しずらしい雰囲気がそこに落ちたが、よくよく思えば、俺は帰ろうとして彼女とすれ違っただけだ。
俺は、遠慮なく道を開けてくれた彼女の横を通り抜け、そのまま無言で立ち去った。
…………クソ面倒な奴らだ。
そんな風に毒を心の中で吐き捨てた俺──日向嶺自と、その面倒なクラスメイト達が顔を合わせたのは、それが最後になった。
〜〜〜〜
鬱蒼と生い茂る木々。その葉や枝に邪魔され太陽の光が木漏れ日とって辺りを照らす。太陽の影となったその場所は薄暗く、時折聞こえる動物ではない何かの叫びが一種の気味の悪さを生み出す。
そんな不気味な場所で俺は目を覚ます。……と言うのはおかしいかもしれない。だってここは夢の中なのだから。
俺は体を起こし、体に付いた土を落とすと周りに目を向けた。
「うん、見覚えは……ないな」
木と草しかないし。
俺は一先ず腰を落とし、今日はどうするか考えようとして、気が付いた。体が変わっている事に。しかし、その事に対して、驚いたりパニックを起こす事はない。
何故なら、これはよくある事だからだ。
夢の中では俺は違う人間になる。毎回というわけではないが、一定周期で体が変わるのだ。だから、その事に対して、もうそんな時期かと季節の変わり目のような感慨を覚えても、驚愕を覚える事はない。
「さてと、まずはこの体に慣れるとこからだな」
これはいわばニューゲームしてキャラクターを作り変えたようなもの。まずはそのキャラクターの個性を掴まないと、何をするにも始まらない。
俺は適当に近くに落ちていた木の棒を持って、動きながら振り回す。途中何度も転けたり、バランスを崩したりしたが、動けば慣れるものだ。段々と安定した動きになってきた。
ある程度動けるようになると、俺は木の棒をポイッと捨てた。後は適当にやってれば慣れてくだろう。
今回のキャラは、どうやら背が高いらしい。現実の俺なら胸まで埋もれそうな背の高い草花を腰で掻き分け歩く事が出来る。
とりあえず、慣れるまでは足を取られないよう注意して、山か森かは知らないが、この緑一色の場所から出よう。
前に一度、似たような場所で魔物に襲われてゲームオーバーになってしまったからな。夢の中の俺のキャラは、一人一人出来る事が微妙に違うから、始まったばかりでゲームオーバーになるのは、非常に勿体無い。
「おっ? 出口か?」
緑の向こうに、開けた地平線が見えた。どうやら、この木々の一帯を抜けたらしい。
まぁ、その抜けた先も、緑が広がっているが、背の低い草花の生える草原といったところか。
「さてと、ここはどこかなぁ?」
草原に出てから、もう一度周囲を見渡した。すると、遠くに見覚えのある街の姿を見つけた。その街は、この辺り一帯ではかなり大きな街で確か名前は──
「グギャァギャァ!」
思考に割り込んで来た笑い声。それは獲物を見つけた事への歓喜の表れか。
俺が出てきた木々の中から、三匹の緑色の魔物──ゴブリンが姿を現した。
「うわっ、まじかよ。まだ、性能テストしてねぇってのに」
俺はまだ完全に慣れたとは言い難い体を動かして、ゴブリンの集団に構えた。
えっと、武器は……
手探りの感覚を頼りに、所持している武器を探し、腰の辺りにそれらしい感覚があったので、チラッと目を向ける。
「なるほど、短剣か」
残念ながらあまり使い慣れた武器とは言い難い。しかし、何度か使ってみたことはある。
俺は短剣を抜き、腰を低くすると、少しの間完全に停止する。
そして、バッと足の先を地面に突き立てて、土を蹴り上げると同時に、素早く接近した。
土の弾丸から顔を守ろうと顔を逸らすゴブリン。そのうち一体の首へ、俺は思いっきり短剣を突き刺した。
ドス黒い血が飛び散り、顔にも少し飛んだが、それを拭う事なく、奇声をあげて突っ込んできたゴブリンの腹を下から蹴り上げた。
「ヒュー、今回は当たりだ」
思いっきり蹴りあげた足は、ゴブリンの体を爆砕した。俺が夢で操るキャラは、その身体能力に大きな違いがある。魔法はどちらかというと、頭で唱えるので、キャラには寄らないが、今回のキャラの身体能力は中々に高いらしい。
一撃で、ゴブリンを爆砕するとは思わなかった。
「さてさて、さーて、残りはお前だけだな」
殆ど一瞬で仲間を殺されたゴブリンは、牙を剥き出しにして雄叫びをあげた。醜悪な顔がより、醜く歪む。
「まぁ、いい性能テストになったよ」
俺は、高い身体能力に任せて、一瞬でゴブリンに接近すると、今度は腕でその体を爆砕した。
黒い靄が立ち込める。これは、魔物を殺すと出てくるもので、その後には魔石と、稀に魔物の素材だけが残る。
今回は、魔石だけのようだ。まぁ、弱い魔物ほど魔石は小さいし、素材も残らない。順当な結果だろう。
ちなみにだが、金は落ちない。その代わり、魔石と素材が金になる。
この世界には、ギルドと呼ばれる仕事のない者に、仕事……というか、主に魔物退治を斡旋する場所がある。そこで、これらの魔物からドロップした品は、金と交換してもらえるのだ。
俺は、魔石を回収し終えると、遠くに見える街へと足を向ける。
「さてと、今回は当たりみたいだし、久しぶりに魔物と戦いまくるか」
そんな風に、とりあえずの方針を決めると、街へと向かった。魔物と戦う前に、使い慣れた武器とかが欲しい。
このキャラが金を持ってると助かるんだがなぁ……
〜〜〜〜
フッと、意識が体に戻る感覚。眠りから覚めるには、少し意識の覚醒が進んでいる状態で俺は目を覚ました。
「はぁ……また夜まで待ちぼうけか」
途中で中断させられた冒険を思い、一言愚痴を零すと布団を出る。
そろそろ年が終わろうとする頃合い。冬の朝の気温になりつつある冷たい朝は、誰にだって厳しい。
俺は起きるとすぐに暖房を点けて、その前でダルマのように丸くなる。
「あー、学校行きたくねぇー」
世の中高生が皆思っているであろう事をボヤきながらも、ダルマ状態で菓子パンを貪った。
俺は朝ごはんはしっかり食べる派なのだ。
夢の中で、一つ文句をあげるとしたら、中々飯に有り付けない事だ。冒険の最中に食べられるのは、苦い味のする干し肉ぐらいのもの。街に戻っても、金のない事が多い俺は、碌な食事を取れない。
だから、現実では毎日しっかり三食食べるのだ。純粋に、美味しいと思うから。考えてみれば、俺がこの現実の世界で唯一好きなのは、飯かもしれない。まぁ、馬鹿食いして太ってるって事もないが……
現実の体は良い言い方をすれば、スリム。悪い言い方をすればガリガリだ。どちらにしろ、夢のキャラより貧弱で弱い事には変わりない。
朝食を済ませると、両親の仏壇に手を合わせてから、学校の支度に取り掛かる。パパッと準備を終えると、カバンを肩から下げ、家を出た。
「行ってくる」
閑散とした寂しいマンションの一室に、俺の声が澄み渡る。
俺は、扉を閉めて鍵を掛けると、鍵を指で振り回してポケットにしまうと、慌ただしい平日の朝の空気を胸一杯に吸い込んだ。
「あー……クソまずい」
様々な匂いが入り混じった空気は、吐き気がするほど気持ち悪かった。朝からさっそく現実に嫌気がさしたが、今夜までの我慢だと憂鬱さを抱えながら、昨日一悶着あった学校に足を向けた。
朝から大慌てで駆けていく体操服姿の中高生や、スーツ姿のおっさんが時計を見ながら小走りに、ゆったりと歩く俺を追い抜いていく。
それを俺は蔑み見て、なんてつまらない世界なのだと、夢の世界に思いを馳せた。
朝から騒がしい車の音。
ゴミを漁るカラスの鳴き声。
遠くから木霊する電車の音。
それを頭の中で廃して、俺は代わり映えしない朝から目を逸らし、今日の夢の計画を立て始める。
そんな風に、現実と夢の区別を曖昧にしていたからか、それとも現実には危険などないと心の何処かで思っていたからかは、わからない。
一つ確かなのは、俺にとってそこはどうでもいい場所だったという事だ。
──ドスッ
ふと、背中に何かがぶつかってきたような衝撃が走った。それと同時に体の中に異物が入り込んで来たような感触。
俺はその感触を手繰り寄せるように、顔だけで振り向いた。
「ッ……!」
そこにあったのは、狂気を目に宿した男の顔。醜悪に、下劣に、悪辣に歪められた顔。
男は笑っていた。歓喜に震えていた。
その震えは、男の手へと伝わり、俺の体中へと伝わった。
「っぁあぁぁッ!」
焼けるような痛みに俺は堪らず絶叫した。背中に突き刺さる包丁が、バーナーのように俺の体を焼き付けて、俺はそれから逃れようと前に逃げた。
「えっ……き、キャァァァァッ!」
よろけるように前に進み出たところで、ようやく周りも俺の血で汚れた凶器を手にする男の存在に気が付いたらしく、女性の甲高い悲鳴が鼓膜を突いた。
だが、それに取り合うような余裕は俺にはなく、近くのガードレールにもたれかかるようにして、何とか立っていられるような状態だった。
「いっ……」
息が荒い。全身から汗が吹き出している。手で押さえてはいるものの、止血も何もされていない傷口からはドクドクと血が流れ出ていた。
だが、俺は痛みに顔を歪めながらも、ガードレールを支えに振り返る。
それは、夢での経験から、敵に背を向ければ最後、食い殺される事がわかっていたからだ。
男はフラフラになりがらも俺が振り返るのを見て、愉悦を感じたかのように、短く笑い声を零す。
「ヒッヒ!」
口元を凶悪に歪ませた男は、次の瞬間、右手に持った凶器で、再び俺を刺そうと接近してきた。
まぁそう来るだろうな、とは思った。だが、夢とは違い、現実の貧弱な体は、たった一突きされただけで、動く事もままならなかった。
これは……死んだな。
冷めた頭で死を予感した俺は、再び自分の腹に迫る刃を見ながら、全身の力を抜いた。
「ぐっ……!」
二度目は、腹と胸の丁度真ん中。肋骨の割れ目に突き刺さった。酷い熱と痛みが体を駆け巡り苦痛に顔を歪める。
どうせなら一思いにやってくれよ、と内心零した俺だったが、死ぬ事には慣れている。夢でかれこれ40回は経験した。痛いのも、苦しいのもすぐに終わる。今回もどうせすぐに意識を失って、あとは勝手に終わってくれるだろう。
そう思い、目を閉じかけたその時──
──俺の手は無意識の内に凶器を手にする男の手に伸びていた。
「ッ……!」
一瞬だが、男の顔に苦痛がよぎり、その体は地面に転がる。夢の中での実践の経験が生きたのかもしれない。無意識のうちに体が、武器を求めて動く。
武器があったのは、俺の胸だった。ガシッと胸から生えた柄の部分を掴んだ俺は、気が付けばそれを一気に抜き去り、男の首へと叩きつけていた。
鮮血が顔に飛び、胸からは盛大に血が吹き出す。
口から血をゴポッと吐き出して、俺はアスファルトに膝を落とした。次に、体が。最後に頭が、アスファルトに打ち付けられて、もう動く事も出来なくなっていた俺の顔は、なんの偶然か首から包丁を生やす男の顔へと向けられていた。
顔の向く先で、男はまだ笑っていた。
致命傷を与え、俺と同じようにもう動く事も出来ないだろうに、蛇のように絡め取るな視線を飛ばしながら、恍惚なまでのその表情。
イカれてる。夢にまで出てきそうなほどのイカれ具合だ。
まぁ死を予感しながらこんな事を考えてる俺も大概かもしれないが……
男の瞳に自分の血で赤く染まった俺の顔は、安らかに見えた。
それを最後の光景とし、徐々にボヤけていく視界。駆け寄って何かを呼び掛ける誰かの声も何かに塞がれたように遠のいていく。
そして、最後に光を失っていく視界の中で──
──やっと……終われる。
胸に刻まれたのは、安堵に似た何かだったのを、俺はずっと覚えている。




