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釣り人

作者: 空澄叶人



あなたは、

歩く、

歩く、

やっと到着した。



そこは、

一面の青。

ザー、ザー、と反復される、

心地よい波音。

感情が穏やかになって、

ワクワクとする。



あなたは生きる方法を知らない。

いや、

違う。

理想の生活ができないだけですね。

どうすれば良いの?

あなたは考えている。

海に問う。

やり方を教えてください。

……。

返事なんて期待していないけれど。

あなたは人に聞かれたくないことを、

何かに語りかけたかったんですね。



カモメがクエー、クエー、と鳴いている。

理想はね♩

簡単♩

簡単♩

そう言ってる気がした。

簡単なら教えて欲しい。

ついでに空を飛ぶ方法も。



春の季節が来たから、

堤防には釣り人がたくさんいる。

海面に垂らされている釣り糸。

それを見てあなたはハッと気づいたんだ。

自分も、

思考の海に釣り糸を垂らしている。

釣れないかな?

釣れないかな?

答えがかかるのを、

ひたすらに待っている。



帰り道。

今日も上手い方法は考えつかなかった。

なかなか、

むずい。

空は夕焼け。

綺麗だな、とつぶやくあなた。

スマホのカメラで太陽をカシャリ。

気分がすっきり、

笑顔が浮かぶ。



あなたは、

明日も、

来週も、

半年後も、

いつかおじいさんになったとしても、

考える。

考える。

どうすれば上手く行くのか、

光さすその時まで、

待ち続ける。

あなたはまるで、

人生の釣り人ですね。


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― 新着の感想 ―
[良い点] まるで自分のことを描かれているようだと読み進めていたら、最後におじいさんが出てきたw 海にね、どうしたら悲しみのない世界に行けるの?と釣り針を垂らしてたら、いつの間にか海が釣れて、海にな…
2024/04/13 21:37 退会済み
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